きのう[7月6日(土)]ショッキングなニュースがサンデーサラブレッドクラブのホームページで告げられた。
アメジストヴェイグ(牡馬、2016年生まれ、3歳、父ハービンジャー)がDDSP(ノド鳴り)のために中央を引退。
サラブレッドオークションにかけられて地方へ転売されるという。
募集時馬名グルヴェイグの16(競走馬名アメジストヴェイグ)は 第1次募集で第1希望が 177票で2017年のサンデーサラブレッドクラブ募集馬の中で堂々一番人気だった。
下の1歳募集時カタログ写真で見るように、脚がスラリと長い好馬体で、賞賛の誉れが高かった。
祖母がエアグルーヴ。母父がディープインパクトという良血でこの馬体。
しかも1口価格が牡馬で125万円はリーズナブルとあって、これだけ過剰人気したのも無理はない。
ところが、競馬場に顔を出したのは3歳4月と遅れて、デビューの未勝利戦は9着、その後9着、11着と3戦してまったくいいところなし。
出資者もファンも首をかしげていた矢先のDDSPによる引退発表だった。
息遣いの悪さは4月13日のクラブホームページで調教助手のコメント「スピードが落ちる際に息遣いが悪くなる時がありますが心配ないでしょう」で指摘されていた。
DDSPの名前が出たのは5月10日。
この病気は早期の手術で改善されることもある。
もっと早い時期になんとかならなかったのか、悔やまれる。
1口馬主DBの「馬体の見かた講座」の43回「下村優樹獣医師(社台F)インタビュー【第3回】 [ノドの病気] 」によると、DDSPは「若馬の14%以上がG2以上の所見を有しているとの報告があ」るという。
ちなみにG2とは、症状の度合い(グレード)の軽い方から順にG1~G4の4段階のうちの2番目。https://www.umadb.com/knowhow/batai1/b43/
若馬の14%以上ということは、7頭に1頭という高確率になる。
セレクトセールではレポジトリーにより、予め販売申込者から提出されたセリ上場馬の「咽喉頭部内視鏡像」の情報を購買者に開示されていて、DDSPの危険度をある程度まで認知できるようになっている。
1口馬主も会員が出資する額はセレクトセールに比べて格段に少ないとはいえ、法的には金融商品という位置づけだ。
ハイリスク商品ゆえディスクロージャー(情報開示)は必須ではないだろうか。
こうしたシステムが整備されていない1口馬主の会員はナメられている。
会員が減少して売り上げが低下すればクラブとしても本腰を入れて改善に乗り出し、レポジトリー導入も視野に入れるだろうが、第一次、第二次募集でサンデーサラブレッドクラブの募集馬の大半が満口になる今の状況では、クラブは重い腰をあげないだろう。
以前もこのブログで書いたが、1口馬主市場は寡占市場が形成されている。
正常な価格競争は行われず、競走馬の死活となる重要情報は売り手によって隠匿(いんとく)されて消費者には開示されず、会員は高い買い物をさせられる。
今回のアメジストヴェイグの出資者はその被害者だ、というのは言い過ぎだろうか?
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