【初仔の牝馬で重賞を勝ったあの馬はどうなのよ】ホントor嘘 初仔の牝馬は走らない 第2回

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(1)はじめに

「初仔の牝馬は走らない」とよく聞く。

私も3頭の初仔の牝馬に出資して痛い目に合った。

それじゃあ、実際に調べてみよう、ということで、前回はサンデーサラブレッドクラブ所属の2013年産の募集馬全頭を調べてみた。

初仔の牝馬の勝ち上がり率は25%で、2番仔以降の牝馬の勝ち上がり率(48.6%)や初仔の牡馬の勝ち上がり率(100%)よりも圧倒的に低い数字であった。

(1)はじめに 『相馬の梁山泊』では、先行して「初仔の牝馬シリーズ」を掲載している。 【250万円を溶かした】初仔の牝馬は消し...

やはり「初仔の牝馬は走らない」という法則? を確認することができた。

しかし、サンデーの2013年産はたかだか80頭と少し。

データとしては少なすぎる。このようにサンプルが少ないと、統計資料では偏りが出る。

そこで、今度はサンデーサラブレッドクラブ所属の2014年産を調べてみようということになった。

(2)初仔の牝馬のパフォーマンスは二極化

さっそく、2014年産でメスと牡馬で分けて、勝ち上がり率と勝ち数などを初仔と2番仔以上で比較した表を作成した。それがこちら☟。

 初仔の牝馬の勝ち上がり率は27.3%で、2013年産と似たような数字になった。

 2番仔以降の牝馬の勝ち上がり率(56.7%)や初仔の牡馬の勝ち上がり率(57.1%)よりもやはり低い数字である。

ただ、2014年産が2013年産と大きく異なるのは、この年には初仔の牝馬で2頭の4勝馬が誕生したことだ。

(3)アエロリットが活躍したわけ

そのうちの1頭がG1に勝利した。

その馬こそ、アエロリット(父クロフネ)である。

アエロリットは母アステリックスの初仔として生まれた。

こちらが、アエロリットの1歳募集時の写真だが、5月17日の遅生まれで、葦毛ということも手伝って、馬体がずいぶんと貧相に映る。実際に見た目は小さかった。

募集時にもぜんぜん人気がなく、価格も1口35万円という最低価格帯ということもあって、高実績のベテラン会員のほとんどはノーマークの馬だった。

ところが、夏を越して馬体がぐんぐん成長して、明くる年の2歳6月、東京の新馬戦を圧勝した。昇級後4戦は勝ちあぐねたが、3歳5月のG1のNHKマイルカップでは、牡馬相手にひるむことなく押し切り勝ちを収めた。

先にアエロリットの1歳募集時の「見た目は小さかった」と書いたが、これは多分に主観的な表現である。

本当にアエロリットは1歳募集時に小さい馬だったのか?

そこで、新測尺選馬法の登場である。

確かに5月生まれのアエロリットの1歳募集時は、他の早生まれの馬や牡馬に比べて小さかった。

しかし、性別や生まれ月、日齢によって成長パターンが異なる。

比較するのは、アエロリットと同じ5月馬れの牝馬で、測尺測定時の日齢がアエロリットの389日に近い馬である。

新測尺選馬法では、アエロリットの体重は平均値よりも-0.3である。

これは誤差の範囲内と考えてよく、ほぼ平均に近い数字で、とりわけアエロリットが小さい馬ではないことを示している。

やはり、測尺は印象で判断すると誤る。

そして、最も注目する点が体高である。アエロリットは平均よりも+4.7という結果が出た。

体高が高い馬はその後に成長するノビシロが大きいことを示している。

1歳募集時373キロあったアエロリットの馬体重であったが、9月の測尺では、442 キロを計測し、なんと69キロも増加した。このような急激な成長がその後の活躍の基礎をつくることとなった。

6月の測尺から3か月でこれほど急成長したケースは珍しいが、そのヒントは6月の測尺ので平均よりも4.7cm高い体高にあった。

今日はここまで。

それでは、次回は初仔の未勝利馬の1歳募集時測尺をアエロリットと比較してみよう。

(4)サンデーサラブレッドクラブ2014年産の全募集馬出生順次

(5)2014年産のサンデー募集馬出生順次まとめ

【初仔の牝馬で重賞を勝ったあの馬はどうなのよ】ホントor嘘 初仔の牝馬は走らない 第2回 終わり

【走る初仔の牝馬/走らない初仔の牝馬の判別法】ホントor嘘 初仔の牝馬は走らない 第3回に続く

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