初心者が1口馬主を始めるときに大切なこと

このブログは「相馬の水滸伝」という大それたタイトルを銘打っている。

もちろん、目標はG1馬に出資すること。

それが叶わないなら、せめてG1に出走できる馬を持つこと。

資金力にものを言わせて、毎年多くの良血馬に出資できれば

確率的にこうした馬をゲットできる。

でも、このブログを読んでくださっている大方の方はサラリーマンだと思う。

自営業や会社経営の人もいらっしゃるかもしれないが、

そうした方は、事業の運転資金を調達することが大変で

趣味に回せるお金が湯水、というわけにはいかないだろう。

私は今年で1口馬主を始めて12年目。

ベテランというより、中堅のグループに属するのではないか。

私が何より自慢できるのは、始めた当初の資金力。

莫大な財産を馬につぎ込んだのではなく、その逆。

非正規雇用の私は、日本人の平均年収を大きく下回る条件でスタートした。

そして、10年以上もなんとかこの趣味を続けることができた。

趣味で一番大切なことは、無理せずに長く続けること。

そうすれば、さまざまな人や馬との出会いが待っている。

趣味にかかわる経験も多くさせてもらえる。

私は社台・サンデーを中心に多くの馬に出資してきたが、

幸運にもディープインパクトの代表産駒ジェンティルドンナにも出会うことができた。

その後は大スランプに陥っているが、いい思い出を作ることができた。

1口馬主で大切なことは長く続けること、と書いたが

最初の出資馬が走らなければ、賞金も入ってこない、維持費はかさむ、

なんだかんだで損失を大きく膨らませて、財力的にもモチベーションも大きく下がって

挙句、すぐにやめる、ということになる。

もちろん、大半の会員が赤字のこの趣味を早々に切り上げて、

旅行や車など違うことにもっとお金をかけるのも

ある意味正しい選択になるかもしれない。

でも、せっかく始めた趣味なのだから、10年は続けたい。

だから、1口馬主では、いきなりホームランを狙うのではなく、

コツコツ稼いで、勝てないまでも重賞にもたまには顔を見せる、

そんな馬を引き当てることが重要になる。

私は幸いにも初めての出資馬がこの条件にあてはまる馬に出会うことができた。

大半の皆さんの記憶からは薄れてしまったかもしれないけれど、

その馬の名前は、アロマキャンドル。

父フレンチデュピテイ、母エアインセンス。

兄にG2のCBC賞を勝ったプレシャスカフェがいる一応、良血馬だ。

1口70万円、総額2800万円の馬だった。

当時の牝馬の相場としては、やや高めの価格設定のように思う。

美浦の河野通文厩舎に所属していた。

暴力団との付き合いが発覚して調教師を追放された、あの河野師だ。

この調教師については書きたいことがあるが、今回は割愛する。

このアロマキャンドルを第三希望で出して当選した。

(第一希望はポルトフィーノで落選だった。)

アロマキャンドルは2戦目の未勝利(中山芝1600m)をカッチーこと田中勝春で勝ち上がると

次のオープンのいちょうステークスも藤田伸二騎手鞍上で連勝し、

師走のG1阪神ジュベナイルフィリーズに出走するも13着に敗れた。

年が明けてトライアルのスイートピーステークスを豪脚で差し切り

オークス出走が叶った。

最初の出資馬が優駿牝馬18頭の枠に収まることができたのは、

本当にラッキーだった。

ちなみにこのときの勝ち馬がトールポピー。

この年、キャロットの入会も検討していて、

トールポピーを第一希望で出して落選。

このときの悔しい思いがいまだにキャロット入会を思いとどまらせている。

アロマキャンドルは早熟の馬だったようで、

結局、この3勝が生涯で勝てたすべてで、明け6歳まで走って

18戦3勝。

獲得賞金4320万円。

1口馬主DBによると回収率が155%で、厳密に計算すれば

1口70万円の出資金に維持費を加えれば赤字であったが、

大きな損失を被ることなく、牝馬クラシック出走の思い出もできて

滑り出しとしては上々だった。

私の経験では、このアロマキャンドルが1口馬主の原点。

この馬のおかげで、なんとか今日までこの趣味を続けてこれた。

最初にクラブからカタログが届いたときのワクワク感はいまでも覚えている。

たぶん、お見合い写真を手にしたときの感じ、とでもいうのが腑に落ちるかな。

(お見合いしたことないけど)

あのときは馬体研究でずいぶんと時間を使った。

この馬の明るい毛色やフレンチデュピテイ産駒独特の柔らかさ

そして、兄のプレシャスカフェのスピードを受け継ぐ遺伝子などが決め手だったように思う。

資金力がない個人が1口馬主を始めるときに大切なこと。

それは、大ハズレをつかまず、投下資金の大半を回収できる馬に

コンスタントに出資すること。

これを続ければ、やがてホームラン級の馬にも巡りあえる。

今年はこの原点に返って、あのときの気持ちを思い出しながら出資馬を選定したつもりだ。

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