【マスターフェンサー】ケンタッキーダービーに挑戦する裏事情

米・チャーチルダウンズ競馬場ではケンタッキーダービー(GI・ダ2000mが日本時間5月5日に行われる(発走予定時刻午前7時50分)。

日本からはマスターフェンサー(父ジャスタウェイ)が参戦する。

この一報を聞いて、「え? なんでこの馬が?」というのが偽らざる感想だった。

3歳ダート500万下の条件戦を勝っただけで、3歳ダートの登竜門となるオープンのヒヤシンスステークスや伏龍ステークスなどを勝ったわけではない。

むしろ、この両レースの勝馬オーヴァルエースやデアフルーグのほうがケンタッキーダービーに挑戦するのにふさわしい。

それなのに、なぜマスターフェンサーがあえてこのアメリカの名門レースに挑戦するのか。その理由を考えてみた。

まず第一に、この両馬(オーヴァルエース、デアフルーグ)は強い。ともにダートで無敗の3連勝を飾っていて、マスターフェンサーはこの2頭と対戦して負けている。

日本にいては、この目の上のたんこぶで上がり目はない。

海外遠征に目先を変えてみよう。

そういう思いもあるかと思う。

もう1つの理由は、ケンタッキーダービーの賞金だ。2019年の今年、総賞金が増額された。
 

過去最高の300万ドルとなり、優勝馬関係者は賞金186万ドル(約2億460万円)の大金を手にする。

勝てなくても、入着しただけでも大金が入る。

陣営の思惑はそれだけではない。

もし仮にマスターフェンサーがケンタッキーダービーで好走した場合、その先のベルモントステークスに出走できる可能性が広がる。

ベルモントステークスでは、日本馬プレミアムなるものが存在する。

このレースを日本調教馬が優勝した場合、100万ドルのボーナスが支給される。この額は同レースの優勝賞金80万ドルを超えるものだ。

こうした可能性を視野に入れて、マスターフェンサー陣営はアメリカ三冠の最初のケンタッキーダービーへの出走を決めた。

こう考えるのは穿ちすぎだろうか?

もちろん、アメリカやJRA側の事情や思惑も絡んでいることは間違いない。

日本馬がアメリカG1に出走するだけで馬券の売り上げは相当な額を計上する。

だから、米国側の主催者が日本馬が1頭でも出走するように、JRA側に猛烈なプッシュをかけていることが想像される。

JRAのほうもこれに応えるべく、馬主たちを説得して、いわば人身御供として
マスターフェンサーに白羽の矢が立った。

まさか、JRA側もマスターフェンサーの馬主吉澤克己氏に人身御供とは言うはずはない。

その際の方便として、ケンタッキーダービーの賞金増額云々、ベルモントステークスの日本馬ボーナス云々の話が持ち出されたというのは十分に考えられる。

ここまで、生臭い話を想像で書いてきたが、競馬の1ファンとして、出る以上は
マスターフェンサーには、日本馬を代表してがんばってもらいたい。

出走すれば勝つチャンスはわずかながらでもある。

挑戦しなければ活路は開かれないのだから。