NHKマイルカップはアドマイヤマーズが勝って、マイルでは負けなしの5勝目を記録してG1馬の仲間入りを果たした。
だが、1番人気のルメールのグランアレグリアが第4位に入線したものの、最後の直線コースで外側に斜行し、3番ダノンチェイサー(5位入線)の走行を妨害した事象で、グランアレグリアを第5着に降着、ルメールは、5月11日(土)から5月26日(日)まで16日間の騎乗停止となった。
なんともあと味の悪い結果となった。
以前にも書いたけれど、最近のルメール騎手の傲岸不遜には目に余るものがあった。
3月2日の中山1Rで、ルメール騎乗のノワールムーティエが内側に斜行し、北村宏司騎乗のタマノカイザーに接触して、北村宏司騎手と木幡育也騎手を落馬させた。
北村宏司騎手は「頭部外傷、意識障害、右側頭骨陥没骨折の疑い」で、千葉県船橋市内の病院に搬送された。
その日のメインのオーシャンS(G3)でルメールはモズスーパーフレアで勝利を収めるが、勝利インタビューでピースサインをしたことが物議を醸した。
この落馬事故の責任でルメールは3月9日~17日間(開催4日間)の騎乗停止処分となった。
今回のJRA がルメールに下した重い処罰は前回のこうした深刻な走行妨害からまだ時間がそれほど経過していないにもかかわらず、再び同様のアンフェアで危険な騎乗をしたことによるものだ。
去年、ルメールがJRA年間最多勝記録でリーディングジョッキーを獲得してから、今年に入ってG13連勝と破竹の勢いを見せて、今日のNHKマイルカップも1番人気馬騎乗で、4連勝かと思わせたが、やはり驕(おご)れるものは久しからず、の結果だった。
今回、JRAはルメールにきついお灸(きゅう)をすえてダービーの騎乗もできなくなった。
ルメールは少しは懲りたのではないだろうか。
勝利にこだわる気持ちはわからないわけではないが、やはりラフプレーはいかん。
今日のNHKマイルカップ。パトロールビデオを見ると、グランアレグリアの前方に馬1頭分のスペースがあるにもかかわらず、横に出してダノンチェイサーにぶつけた。
勝ちにこだわるというよりも、完全に焦っている。今回のプレーは危険だし、何より不必要なコース変更だった。
特に北村騎手に重傷を負わせた一件は、「俺たち日本人に外国人のお前は何をしやがった」という私の尊王攘夷に火をつけた。
それで、今回勝ったのもデムーロというのもなんだか悲しいが、ルメールがしばらく競馬場からいなくなって、競馬が面白くなるのではないか。
前回の騎乗停止で、鬼の居ぬ間に川田ジョッキーが選択してリーディングの地位を奪取した。
ルメ、デム、モレイラ、最近ではレーンなど、外国人を買っておきゃ馬券は当たる。
国際化の時代とはいえ、こんな状態がいつまでも続くのを嘆くひとりとして、日本人騎手にはルメール欠場のチャンスを生かしてほしい。