遅ればせながら、ヴァルディゼール号のシンザン記念優勝おめでとうございます。
G1サラブレットクラブの出資者のみなさん、POGでお持ちのみなさん、馬券を取った方、幸先のよい一年のスタートが切れましたね。
私の出資馬、ドナウデルタが惨敗したことを悔やんでいてばかりではいけない。
なぜヴァルディゼールが重賞を獲ることができたか。
その理由を血統表とにらめっこして考えてみたいと思います。
まず、父ロードカナロア、母がマチカネササメユキ、母父がハーツクライ。
父はいま勢いのあるロードカナロア。これにサンデー系の母馬は、アーモンドアイの例を引くまでもなく、これから活躍するロードカナロア産駒のトレンドになることは必定です。
私が注目したいのは、母のマチカネササメユキ。
このマチカネササメユキはマルガイ馬で父がWoodman、母父がNijinskyという良血馬。
netkeiba.comからこの馬の血統表を引用しますが、このマチカネササメユキは多くのクロスを持っていることが驚かされます
https://db.netkeiba.com/horse/ped/1993110034/
5代目までに生じたクロス
Buckpasser | 25.00% | 3 ×3 |
Menow | 9.38% | 5 × 5 × 5 |
Native Dancer | 9.38% | 4 × 5 |
Striking、Mr. Busher | 6.25% | 5 × 5 |
Nasrullah | 6.25% | 5 ×5 |
以上のように、5本のクロスを持っています。
特にバックパサー(Buckpasser )の3 ×3 には目を引きます。
ふつうこのような強いイングリード血統の馬は、体質が弱く、大成しないケースが多い。
マチカネササメユキの戦績は18戦2勝 (2-6-3-7)で、最高で900万下までいった下級条件馬です。
牝馬で、3歳から4歳まで(現在の馬齢表記)の2年間で18戦を消化した。
このキャリアをみると、体質的な弱さはあまり表面化しなかったようです。
ともあれ、このようなクロスの多い馬は、当該馬としてよりも、繁殖牝馬として活躍することが多いのは周知の事実です。
マチカネ冠号の細川益男さんとしては、繁殖用にこの馬を外国から買ってきたことは明白です。
2010年に細川益男さんはお亡くなりになり、マチカネササメユキを初めとして
待兼牧場の多くの馬は社台グループに売却されました。
このような経緯で、マチカネササメユキはノーザンファーム繋養となり、ロードカナロアを迎えてヴァルディゼールの誕生とあいなった。
社台グループはメジロ牧場の培った血統の集大成メジロマックイーンをバックボーンに怪物オルフェーヴルを誕生させたように、ライバルとなる牧場の育てた血脈をうまく取り入れて、さらに層を厚くしている。
今回、優勝したヴァルディゼール号のケースもこれに当てはまる。
待兼牧場などのブリダーズオーナーの川の支流が、社台グループという本流に流れ込み、アマゾンの大河をなしている。
今年の1口馬主の選馬では、社台ライバル牧場の血が入っている馬に注目して血統研究をしてみようと思う。
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