ブルードメアサイアーがキングカメハメハの馬を1頭ずつ検討しています。
サンデー、社台と募集馬を見てきて、最後にG1サラブレッドクラブ募集馬にいきます。
今回はクィーンアマポーラの18です。この馬を題材にしながら、サンデーサラブレッドクラブの本年度募集馬のうちオルフェーヴル産駒のイチオシ馬を考えてみることにします。
(1)クィーンアマポーラの18の基本データ
オルフェーヴル産駒の牡馬で60万円は安い。
尾関知人調教師は2009年に開業して今年で11年目になる中堅のホースマンだ。
2012年に36 勝(リーディング15位)したのが自己最高で、この年以降、毎年20~30勝台の勝ち星をコンスタントに挙げている。
同厩舎で獲得賞金で最高がスプリンターズS(G1)を優勝したレッドファルクス(牡馬、2011年生まれ、父スウェプトオーヴァーボード) で、4億6,924万円も稼いでいる。
先ごろ日経新春杯(G2) を優勝したグローリーヴェイズ(牡馬、2015年生まれ、父ディープインパクト)はシルク、ファストロック( 牡馬、2004年生まれ、父ロックオブジブラルタル) は広尾、アンネリース(牝馬、2014年生まれ、父ヴィクトワールピサ) はラフィアンと、1口馬主クラブの馬を多く預かっており、相性がいい。
サンデーサラブレッドクラブの管理馬ではバンゴール(牝馬、2012年生まれ、父キングカメハメハ、5勝、8,841万円 ) が最高獲得賞金となっている。
派手さはないが、社台、サンデーの馬を預かりコツコツ仕上げる堅実派で、クラブの覚えめでたく、最近のノーザンファーム天栄の上げ潮に乗って、グローリーヴェイズを開花させた。
今後とも注視したい厩舎ということで、クィーンアマポーラの18も面白い存在で侮れない。
(2)クィーンアマポーラの18の血統評価
基本データの表の解説でも書いたが、この馬の血統的な魅力は何と言っても祖母 にG1エリザベス女王杯を優勝したリトルアマポーラがいることだ。
ただ、リトルアマポーラの仔は社台、G1、サンデーで募集されて、エジステンツァ (牡馬、2014年生まれ、父キングカメハメハ) 4勝、中央現役が最高成績で、正直、不振をかこっている。
こういう馬は孫の世代で一発を期待したくなる。
(3)オルフェーヴル産駒の測尺を比較する
活躍したオルフェーヴル産駒は1口馬主クラブ馬が多いので、これらの馬の1歳募集時測尺と本年度G1サラブレッドクラブ、サンデーサラブレッドクラブで募集されているオルフェーヴル産駒とを比較して表にしたみた
これまで、1歳募集時の測尺の理想として胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~440キロとしてきた。
ところが、「ダイワレジェンドの18】社台サラブレッドクラブ募集馬2019検討会 」http://soumaryouzanpaku.net/2019/06/13/shadai-thoroughbred-club-8/の記事を書いているうちに、有馬記念を勝ったブラストワンピースの募集時馬体重が451キロあったことを知って、考えを改めた。
理想の馬体重の幅を広げて、420~455キロと訂正することにした。
そうすると、G1サラブレッドクラブとサンデーサラブレッドクラブでの本年度募集馬のうちのオルフェーヴル産駒について見てみると、コナブリュワーズの18とキャレモンショコラの18がすべての基準を満たし、パーフェクトとなった。
さらに、オルフェーヴル産駒の活躍馬を見てみると、ラッキーライラックは1項目、ロックディスタウンは3項目、エポカドーロは体重が未公表ではあるが、178cmの胸囲から考えると、体重は少なくとも420キロ以上あるものと推測され、おそらく3項目当てはまる。
ラッキーライラックは4月の遅生まれのハンデがあって例外となったが、やはり、測尺は走る馬に網をかけてレーザービームで絡めとる優れた武器となる。測尺は嘘をつかない。
さて、肝心のクィーンアマポーラの18は2項目当てはまる。
測尺からは、まずまず期待できそうだ。
(4)クィーンアマポーラの18の馬体を他の有力オルフェーヴル産駒と比較する
本年度のG1とサンデーサラブレッドクラブの募集馬のうち、オルフェーヴル産駒はたくさんいるので、写真の比較は上記にあげた理想数値の3項目を満たす2頭(コナブリュワーズの18とキャレモンショコラの18)と活躍したオルフェーヴル産駒のラッキーライラック、ロックディスタウン、エポカドーロの写真を並べてクィーンアマポーラの18と比較してみよう。
遅生まれのラッキーライラックを除いて、活躍した2頭(ロックディスタウン、エポカドーロ)の豊かで大きい腹袋が走るオルフェーヴル産駒の特色といってよい。
キャレモンショコラの18とコナブリュワーズの18はこの条件にあてはまるが、本馬はやや劣る。1月28日の早生まれなので、この違いは悲観的といえる。
それから活躍馬3頭は玉ねぎのように丸く大きく力強い球節が目立つ。コナブリュワーズの18も及第点を与えることができる。
対して、クィーンアマポーラの18の球節は小さくて弱く、貧弱に映る。
牡馬のエポカドーロはがっちりタイプで鎧のようなたくましい筋肉を身にまとっている。
牝馬のラッキーライラック、ロックディスタウンは伸縮性のある柔らかい筋肉だ。
クィーンアマポーラの18も写真から柔らかさは伝わる。これが一番の長所だろうか。
今回の試みもクラシック馬、G1馬、重賞馬と馬体を比較をするという、酷な企画でクィーンアマポーラの18には気の毒だった。
ここで確認できたのは、クィーンアマポーラの18は重賞級ではないという1点のみだ。
これはただちに走らない、勝ちあがれないということではない。
(5)オルフェーヴル産駒の募集馬でどれがイチオシか
クィーンアマポーラの18は測尺数値では優秀であるが、馬体を見る限り正直ピンとこなかった。
だから、出資候補には入れない。
オルフェーヴル産駒は総じて馬体の基本スペックはいいものがある。ここで挙げたサンデーサラブレッドクラブの本年度募集馬2頭(キャレモンショコラの18とコナブリュワーズの18)も気性がおだやかであればかなりの活躍が望めるだろう。
キャレモンショコラの18とコナブリュワーズの18の比較では、現時点での完成度はコナブリュワーズの18に軍配が上がる。
やはり池江泰寿厩舎に預託されるのは、それなりの理由がある。
結論として、コナブリュワーズの18をオルフェーヴル産駒のイチオシとしたい。
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