【走る初仔の牝馬/走らない初仔の牝馬の判別法】(ホントor嘘 初仔の牝馬は走らない第3回)

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(1)はじめに

初仔の牝馬は走るか走らないか、という問題提起をして、2013年産と2014年産のサンデーサラブレッドクラブ募集馬から初仔の牝馬の競走成績を調べてみた。

詳しくは以下の記事をご参照ください。

(1)はじめに 『相馬の梁山泊』では、先行して「初仔の牝馬シリーズ」を掲載している。 【250万円を溶かした】初仔の牝馬は消し...
(1)はじめに 「初仔の牝馬は走らない」とよく聞く。 私も3頭の初仔の牝馬に出資して痛い目に合った。 それじゃあ、実際に...

2年間のデータをまとめたものが、下の表だ。

初仔の牝馬(メス)の勝ち上がり率(1勝馬以上)は26.7%。

4頭に1頭しか勝ち上がれないという厳しい数字となっている。

これは、初仔の牡馬の勝ち上がり率(76.9%)や2番仔以降の牝馬(メス)の勝ち上がり率(52.3%)と比べてもその差は歴然としている。

ただ、2014年産の初仔の牝馬アエロリットがG1のNHKマイルカップを勝ったという事実をどう評価するかが難しい。

「1頭でもG1勝ち馬がいるから初仔の牝馬をあきらめてはいけない。第二のアエロリットを探せばよい」

と考えるか、それとも

「アエロリットはあくまでも特殊な事例で、”柳の下にどじょうは二匹ない”。あくまでも初仔の牝馬を徹底して避けるべきだ」

と考えるかは、リスク評価において重要な分岐点となる。

安全に慎重を期するなら、後者の考え方に立つべきだが、ことはギャンブルだ。

大半の者が後者を選んで初仔の牝馬を避けるから、逆にポテンシャルの高いアエロリットのような馬を無風で取れる。そういう逆張りも株や競馬の世界ではアリなのだ。

ただ、こちらの道は度胸と馬を十分に見分けることができるプロの目と、それから運が必要になる。

(2)初仔の牝馬で避けるべき馬

もう一度上の表をみてみよう。

初仔の牝馬で未勝利馬が15頭中11頭いるという重い現実から目を背けてはいけない。

要はこの11頭をつかまなければよい。

これらの馬にみられる共通の特徴はあるのだろうか。

ということで、おなじみの測尺選馬法を使って、1歳募集時の体高・体重を平均値と比較してみた。

11頭中、体高と体重が平均よりも下回る馬が6頭。こうした馬は真っ先に切るべきだ。

(3)初仔の牝馬は体質が弱いケースも

レネレイド(+1.5)とハートクレスト(+2.5)の体高が平均よりも上回っているのは、誤差の範囲と考えていいだろう。

そうすると、測尺(体高・体重)が平均よりプラスに出た5頭からこの2頭を引いた残りの3頭をどう考えるかだ。

初仔の牝馬で測尺が大幅プラスとなったのは、リヴァディア、テミスト、ギエムの3頭になる。

リヴァディアは骨折で引退、テミストは肺からの鼻出血で2戦で引退、ギエムはノーザンファーム早来で調教中、飛節が腫れて競走能力喪失を下されて未出走で引退。

いずれも何らかのアクシデントによるものだった。

ギエムのように初仔の牝馬は体質が弱く、仕上がらないというケースも出てくるだろう。

リヴァディアとテミストの故障と初仔との因果関係は不明である。

(3)結論

今回のシリーズ企画は3回に分けて、初仔の牝馬は走るのか、走らないのかというテーマで思うところを書いてきた。

実際のデータから判断すると、やはり、「初仔の牝馬」は「ここへ入ったら危険」という地図情報ということができるだろう。

それでは、ここは本当にデス・ゾーンかというと、まれにアエロリットのような大物の獲物をゲットすることができる魅力ある地帯でもある。

この大魚を手にするには、1歳募集時の測尺を評価する選馬法という武器が必要になる。

実は私が出資している2歳馬のヴァシリエフスキーは初仔の牝馬だ。

気になる1歳募集時の測尺を調べてみた。

体高・体重ともに平均よりも上回っているから一安心だ。

でも、だからと言って第二のアエロリットになれるという保証はない。

一番上の表=「2013・2014年産サンデーサラブレッドクラブ募集馬 牡とメスの初仔の競走成績比較」にあるように、初仔の牝馬で重賞を勝てるのは6.7%。約20頭に1頭という確率だ。

いや、さらに調べるサンプル数を増やせば、この確率はもっと下がるだろう。

私はヴァシリエフスキーの目標を3勝に設定している。

このシリーズのタイトルをあえて「走る」「走らない」と単純化したのは、わかりやすさを狙ってのものだが、実際に1口馬主では、1勝するのもなかなか容易ではないことは会員のみなさんは十二分にご存じのことと思う。

重賞優勝馬やG1馬だけを「走る馬」として持ち上げて、それ以外の馬を「走らない」と切り捨てるのは、どうかと思う。

もとより未出走や未勝利馬、1勝クラスをだらだらと続けて維持費だけかさむ馬は問題だが、3勝して入着賞金もそこそこに咥えてくる馬は、1口価格にもよるが、出資馬として馬主孝行なのではないか。

ともあれ、初仔の牝馬を行くか避けるかという重大については、高いリスクを指摘しつつも早急な結論を出すことは留保したい。

このテーマはこれからも追いかけてゆく課題の1つという認識だ。

今年の社台、サンデー、G1募集馬で初仔の牝馬が何頭かいる。

測尺が発表されたら、新測尺選馬法で評価したものを有料記事にUPしたいと考えている。

その節は、よろしくお願いします。

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