生産者の配合意図を見抜く/1口馬主の馬選びの方法

サラブレッドを初め、家畜などの経済動物は、
人間が意図的に手を加えて作り出した生物だ。
これは犬や猫などのブリーダーズも同様。
ブルドッグやバグなどの顔がクシャッとつぶれた、
きもかわいい容姿も、セルカークレックスのような縮れ毛の猫も
ブリーダーたちの長い配合の積み重ねによって人為的に生み出された動物たちだ。

サラブレッドもその最たるもの。
イギリスを発祥として、世界のブリーダーたちがしのぎを削って、
より速く走る馬をつくるべく改良に改良を重ねて、名馬たちが世に送り出されてきた。

前置きが長くなったが、1口馬主でサラブレッドを相馬するにあたって、
まず血統書から研究する。
そこで大切なことは、生産者はなぜ、この配合の組み合わせを選んだのか。
ブリーダーの意図を的確につかむこと。
これが第一に考えなければならないことだ。
次に、交配の結果生まれた馬が、生産者の狙いを忠実に反映しているか、否か。
これを馬体で点検する。
例を挙げると、フェノーメノがわかりやすい。

父ステイゴールド、母ディラローシェ、母父ディンヒルのこの馬は
2013年と2014年の春の天皇賞を連覇した名ステイヤーだ。
上のきょうだい馬たちは、大きく出た結果、馬体重が重く、あまり良い結果を出せなかった。
ドラクロワ<牡馬>(2006年生まれ、父シンボリクリスエス)未勝利:1口60万円サンデーサラブレッドクラブ。
ディオメデス<牡馬>(父フジキセキ)2勝:1口70万円サンデーサラブレッドクラブ。
潜在能力はあっても、重い体がついていけない。
そこで、ブリーダーは考えた。
今度はフェノーメノにガサの小さい仔が生まれるステイゴールドをつけてすてみることにしよう。
このような生産者の意図の下に2009年に生まれたディラローシェの5番仔、ディラローシェの2009は
きょうだいたちと同じサンデーサラブレッドクラブから2010年に50万円で募集された。
デビュー時こそ502キロだったが
その後の厳しいトレーニングで490キロ台に馬体重を維持できた結果の天皇賞連覇の偉業だった。
そこには、もちろんトレーナー戸田師の手腕も見逃せない。

フェノーメノの場合、ブリーダーのの配合意図がドンピシャ決まって、
輝かしい成果を挙げることができた成功例でもあった。
(実際、クラブの会報でその趣旨のことが書かれている)

だが、サラブレッドは生き物。
発生過程で遺伝子のスプライシングが起こり、ランダムな偶然が入り込むことになり、
生産者の意図に反する仔馬が生まれることも往々にして出てくる。
配合の難しさだ。
ともあれ、これから社台・サンデーの第二次募集に行かれる方、
東京サラブレッドクラブやキャロットファームなどの応募を検討されている方は
血統表を見ながら、何でこの繁殖牝馬にこの種牡馬をつけたんだろうと、想像を働かせてください。
いい馬選びのヒントになるかもしれません。

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