【レインフロムヘヴンの評価】ドゥラメンテ産駒は活躍するのか(社台サラブレッドクラブ編)

(1)レインフロムヘヴンの基本データ

レディオブヴェニスの2018は2019年、1口90万円で社台サラブレッドクラブから募集された牡馬だ(美浦・堀宣行厩舎に預託予定)。

このたびレインフロムヘヴンと名前が決定した。

「レインフロムヘヴン」(Rain from Heaven )は戯曲「ヴェニスの商人」の著名な台詞で、「慈悲の質」という意味だそうで、母名より連想したとのこと。

姉のポーシアも「ヴェニスの商人」の登場人物からとった名前なので、シェークスピアが続きますね。

母レディオブヴェニス (2003年生まれ、父Loup Solitaire)はG2キャッシュコールマイルSなど重賞3勝馬。

産駒にG3京成杯2着のアクションスター (牡馬、2010年生まれ、父アグネスタキオン、 3勝、中央現役)や先ほど紹介したポーシア(牝馬、2011年生まれ、父ディープインパクト)、ヴェネト (牡馬、2012年生まれ、父ディープインパクト、5勝)、アッフィラート (牝馬、2013年生まれ、父ディープインパクト、 4勝)などがいる。

(2)レインフロムヘヴンはヌレイエフのクロスを持つ

レインフロムヘヴンの5代血統表を以下に掲げる。

本馬の最大の魅力はヌレイエフ(Nureyev)のクロス(5 × 4[9.38%])を持つところにある。

ヌレイエフのクロスを持つ馬と言えば、アーモンドアイが真っ先に浮かぶけれど、近年多くの活躍馬を出している。

以下は該当する主な馬たちだ。

●トゥザグローリー(2007年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2京都記念ほか)

Nureyevの4 ×3(18.75%)

●トゥザワールド(2011年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2弥生賞)Nureyevの4 ×3(18.75%)

●トーセンビクトリー(2012年生まれ、牝馬、G3中山牝馬S)Nureyevの4 ×3(18.75%)

惜しくも引退してしまったが、

●ミッキーロケット(2013年生まれ、牡馬、G1宝塚記念)Nureyevの4×4(12.50%)

 ほかには特に最近の重賞競走勝ち馬にこの傾向が目立っている。

●メールドグラース(2015年生まれ、父ルーラーシップ、牡馬、G3新潟大賞典)Nureyevの5 ×3(15.63%)

●リオンリオン(2016年生まれ、牡馬、父ルーラーシップ、ℊ2青葉賞)Nureyevの5 ×4(9.3%)

このヌレイエフのクロスは今後のトレンドになっていくこと必定だ。

だから本馬(レインフロムヘヴン)に限らず、他の馬でもヌレイエフのクロスを持つ馬は注視するのが1口馬主で勝つ鉄則になると思う。

ちなみにサンデーサラブレッドクラブ2歳でヌレイエフのクロスを持つ馬について以下の記事を書いたことがあるので、よろしければ参考にしてください。

近年のJRA中央競馬の芝コースは高速化して、レコードタイムが頻発している。 (1)アーモンドアイはヌレイエフのクロスを持つ ス...

(3)レインフロムヘヴンの馬体評価

レインフロムヘヴン1歳募集時(2019年5月6日撮影)
レインフロムヘヴンの2歳の最新写真(2019年12月5日撮影)

生まれ月は3月28日で、牡馬にしては小柄な馬であったが、下の写真では筋肉も次第についてきて成長の度合いがうかがえる。馬体がまださびしいので、もう少し肉をつけたいところだ。

レインフロムヘヴンの募集時測尺を以下に掲げる。

体高154.0、胸囲164.0、管囲19.0、体重380

●1歳募集時の理想的な測尺

胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~455キロ。

3項目とも基準値から遠く、数字的にはあまり推し材料はない。

最新(2020年3月6日)の馬体重は452kgで、いい具合に成長してきたが、牡馬であるから少なくともあとプラス20キロはほしい。

ドゥラメンテ産駒はやや立ち気味の繋ぎは少し懸念材料だが、その点を度外視すれば、前後・上下のバランスがとれた馬が多く、本馬もその例に漏れない。

ダイナカール→エアグルーヴ→アドマイヤグルーヴという社台グループの粋を辿る血の流れに加えて、この馬体の良さがセレクトセールで人気を集めて価格を高騰させる要因となるのだろう。

(4)クラブコメントからレインフロムヘヴンを評価する

この時期に馬体のラインが細めに映るのは兄姉同様の特徴で、皮膚感に優れて筋肉の張りの良さが目を惹きます。また勝ち気な気性で感受性も強いため、見慣れないことに対して警戒する面はありますが、ここまでの馴致メニューはよく受け入れることができて、今後も心身の成長を促すことを主眼において、慎重に負荷を与えていきます。

2019年10月4日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

当初は敏感な面があったのですが、ハミを異常に気にする様子があったため整歯の治療を施しています。やはり少なからず影響はあったようで、治療後は安定して調教に臨むことができています。現在は角馬場での乗り慣らしを経て、周回コースでの軽めキャンター調教へ移行したところです。兄姉同様に精神面には引き続き注意を払いながらじっくり進めていきます。

2019年11月1日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

調教時の様子を見ると整歯の効果かハミ受けが以前よりスムーズで、気性面のコントロールにも問題ありません。ただし馬体にはまだ余裕がないため成長を促しつつ進めていく方針で、負荷をかけすぎないように慎重にペースアップを図っていきます。

2019年12月6日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

コンスタントに負荷をかけても体調を崩すことなく、ここまで順調に乗り進めることができています。昨年12月25日には坂路コースでラスト2F30.7-15.0秒の時計をマークしました。鞍上の指示に対してスムーズにギアを上げることができていますし、現状メニューでは申し分ない動きで対応しています。馬体重はこの1か月で15kg増の432kgと堅実に成長を遂げていますが、欲を言えばもう少し見た目にフックラさせたいところです。気持ちも前向きで、この先の成長が楽しみな1頭です。

2020年1月6日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

今のところ1番調教が進んでいるうちの1頭で、与えたメニューを問題なく消化することができています。コンスタントに強めの負荷をかけても飼葉食いが落ちることもなく、馬体も日に日に良化を遂げています。それに伴って動きもパワーアップしていて、今後の更なる成長が楽しみでなりません。坂路コースではラストまでしっかり動けていて、2月1日は1本目がF16-16秒で、2本目は終い1F15.6秒をマークしましたが終始馬なりで余裕が感じられました。先月来場した堀師も「厳冬期ですが体の張り艶が良くて状態は良さそうです。心身の成長を促しながらしっかり乗り込みを強化していきましょう」と成長過程に上々の評価でした。

2020年2月7日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

坂路ではコンスタントに3Fの時計を出しており、44.3-29.0-14.1秒、44.0-28.8-14.0秒、44.8-29.0-14.3秒と、常にラスト2Fで速い脚を繰り出して、脚力のレベルの高さは特筆できます。走りをよく見ると、後躯の蹴り込みが強くて、前肢はタッチが軽くてスナップの返しも良いため、四肢の可動域を大きく動けていることが確認できます。今週牧場を訪れた堀師は「とても順調に進められているようですし、背中や腰、脚元がしっかりしていることが実感できますね」と笑顔でコメントしています。調教動画撮影時のタイムは3F44.7-29.4-14.6秒でした。

2020年3月6日の社台サラブレッドクラブ公式ホームページより引用させていただきました。

 コメントは良好で褒めるところが多く並んでいる。

調教が進んでいて脚力や背中や腰、脚元がしっかりしている点など、走る競走馬の資質を多く持ち合わせていることがうかがえる。

特に「常にラスト2Fで速い脚を繰り出して、脚力のレベルの高さは特筆できます」というコメントに注目しながら次の章で調教動画をしっかりと見ていきたい。

(5)レインフロムヘヴンの調教動画を見ての評価

●2019年12月13日の調教動画

2頭合わせの右側。

長い坂路を登坂してゆくが、道中、口を割るそぶりがうかがえる。

いきたがるのをなだめながらの調教。ハミ受けの悪さはまだ完全に解消しているとは言えない。

この時期の若駒だからいきなり折り合うというわけにもいくまい。

少しずつ教え込んで心身を鍛え上げるときなので、多少の折り合いの問題はおおめにみたほうがよい。

この内容なら許容範囲だろう。

●2020年2月28日の調教動画(タイムは、3F44.7-29.4-14.6秒)

前回のように口を割ることもなく、動きに無駄がない。

ぎこちなさはなく、リズミカルな走りでしだいにスピードが乗ってくる。

躍動感が伝わってくる。シャープで軽い走りで、芝向きで切れ味を感じさせる。

順調に仕上がっていることを実感させる内容だ。

(6)レインフロムヘヴン評価まとめ

レインフロムヘヴンの気がかりな点は2つ。

第一に、クラブコメントにもある(「勝ち気な気性」)ようにメンタルの問題。

これは父ドゥラメンテの気性を受け継ぐもので、生来持ち合わせたものなので、矯正には大変な労苦を伴う。

動画を見る限りでは気性面の課題はあまり見受けられなかった。

またドゥラメンテもそうであったように、サラブレッドは気の強さや癇性(かんしょう)が勝負強さや直線の瞬発力につながる面があるので、これを完全に抑えこむのではなく、ガス抜きをさせながら、ここぞというときに最大限に爆発させることができるようにホースマンや騎手は馬の気性をうまくコントロールしている。

レインフロムヘヴンの気の強さをこのように好意的に受け止めたい。

第二に、馬体重の問題。

最新(2020年3月6日)の馬体重は452kgで、写真にも見られるように胸や胴回りがスリムだ。

メイチに仕上げたレース本番前ならともかく、育成段階のいまの時期は緩いぐらいのほうがいい。

これから彫塑していって、競走馬として理想的なからだに磨きあげる。

こういった意味で、伸びしろやこれから削っていくアソビの部分があることが望ましい。

馬体重をもう少し増やしてほしい。

産駒によって良好なパフォーマンスを発揮できる理想的な体重がそれぞれ異なる。

たとえば、ディープインパクト産駒では500キロを越える(実際にそのような産駒の数は少ないが)と、成績があまり上がらない、といったように。

ドゥラメンテ産駒の理想体重はまだ子どもたちがデビューしていないこともあってわからない。

ドゥラメンテ自身は2歳10月のデビュー時が480キロ。その後、474(2歳11月の未勝利戦)~502(4歳2月の中山記念)キロでレースを走った。

このことを考えると、470~480キロでデビューを迎えさせるためには、理想を言えばあと30~40キロほしい。

これからハードな調教を積みながら馬体重を増やすことは至難だが、これができる馬だけが一流の競走馬となる資格を有する。

レインフロムヘヴンには飼い葉をたくさん食べてハードな調教に負けないからだを作っていってもらいたいと切に願う。

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