(1)前回までのおさらい
社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしている。
前々回はダイナカールの4×4のクロスを持つアイムユアーズの2019の魅力を力説した。
前回は私が個人的に注目する血統として、ヌレイエフのクロスを持つ馬のリストを作成して、ヌレイエフの血がいかに日本の競馬に合うかの根拠を書いてみた。
今回から、ヌレイエフのクロスを持つ馬を1頭ずつ取り上げて、思うところを書いてみたい。
今日はマネーキャントバイミーラヴ の2019から話してみる。
(2)マネーキャントバイミーラヴの2019は高実績の会員が殺到しそう
今年の社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集では、人気傾向が若干変わってきそうな予感がする。
まずディープインパクト産駒がラストクロップ。
去年までは高額ディープインパクト産駒について、高実績者は第2希望で押さえにかかるという特徴であった。
今年は、是が非でもディープインパクト産駒を取りに来る会員が増えることが予想され、第1希望で埋まるだろう。
特にラヴズオンリーミーの2019には実績上位者による札束の空中戦が展開される。
こうした動きに加えて、人気が集中するディープインパクト産駒を避けて、非ディープインパクト産駒の人気馬に票が割れる。
初年度で人気したドゥラメンテ産駒とモーリス産駒は、悪評判がチラホラ出始めて、かつての人気の勢いに影が差し、人気は落ち着く。
新種牡馬のドレフォンやキタサンブラック産駒がいきなり人気が沸騰するとも思えない。
そうなると、消去法で上にG1馬がいる良血馬3頭に人気が集中するだろう。
3頭とは、半兄に皐月賞馬アルアインがいるドバイマジェスティの19(牡馬、父ハーツクライ)、全姉にラッキーライラックがいるライラックスアンドレースの19(牝馬、父オルフェーヴル)と本馬(マネーキャントバイミーラヴの2019)になる。
マネーキャントバイミーラヴの2019は半兄にミッキーロケット(牡馬、2013年生まれ、父キングカメハメハ、G1宝塚記念、G2日経新春杯優勝)で、父のロードカナロア産駒からはアーモンドアイ、ステルヴィオ、サートゥルナーリアと3頭のG1馬が輩出している。
海外を含めればG1馬は4頭になる(タガロア / Tagaloaは2020年、オーストラリアのG1競走ブルーダイヤモンドステークスに優勝している)。
(3)マネーキャントバイミーラヴの2019の血統分析
それでは、マネーキャントバイミーラヴの2019の5代血統表を眺めてみよう。
ヌレイエフ(Nureyev)のクロスについて言うと、兄のミッキーロケットはキングカメハメハ産駒なので、 ヌレイエフのクロスは 4 × 4 (12.50%)と色濃く持つが、本馬は 5 × 4(9.38%)の薄くなっている。
ミッキーロケットとは違い、Storm Catの血が8分の1入ってきている。
ヌレイエフに由来するスピードに、Storm Catのパワーが加わるイメージだろうか。
母父のPivotal(ピヴォタル)はイギリスの競走馬・種牡馬で、現役時代は6船勝。重賞勝ちはGⅠナンソープステークスとG2キングススタンドステークスの2勝。産駒にSariska(英オークス、愛オークス)、Saoire(愛1000ギニー)、Falco(仏2000ギニー)、Halfway to Heaven(愛1000ギニー、ナッソーS、サンチャリオットS)、Farhh(英チャンピオンS、ロッキンジS)、African Story(ドバイワールドC、マクトゥームチャレンジR3)、Golden Apples(デルマーオークス、ビヴァリーDS、イエローリボンS)などがいる。
日本競馬にはあまりなじみはなく、外国馬としてフィートソーファストがの京王杯スプリングカップ(2004年)で3着に入ったことが目につくぐらいである。
母父のPivotal(ピヴォタル)はイギリスの競走馬・種牡馬で、現役時代は6船勝。
重賞勝ちはGⅠナンソープステークスとG2キングススタンドステークスの2勝。
産駒にSariska(英オークス、愛オークス)、Saoire(愛1000ギニー)、Falco(仏2000ギニー)、Halfway to Heaven(愛1000ギニー、ナッソーS、サンチャリオットS)、Farhh(英チャンピオンS、ロッキンジS)、African Story(ドバイワールドC、マクトゥームチャレンジR3)、Golden Apples(デルマーオークス、ビヴァリーDS、イエローリボンS)などがいる。
日本競馬にはあまりなじみはなく、外国馬としてフィートソーファストがの京王杯スプリングカップ(2004年)で3着に入ったことが目につくぐらいである。
次に、Pivotal(ピヴォタル)母父としての国内での成績をみてみる。
獲得賞金1億円以上を稼いだ馬はミッキーロケット以外に3頭。
・トリコロールブルー(牡馬、2014年生まれ、父ステイゴールド、18戦5勝、大阪城ステークス優勝(OP))
・ダノンジェラート(牡馬、父ディープインパクト、2009年生まれ、16戦5勝、アメジストステークス優勝(1600万下))
・リッチーリッチー(牡馬、2013年生まれ、父Teofilo、20戦4勝、緑風ステークス優勝(1600万下))
重賞勝ちはミッキーロケット1頭だけで、あまり芳しい成績を残していない。
この馬たちはヌレイエフのクロスを持たない。
ミッキーロケットの活躍は、やはりヌレイエフの血が卓越したスピードをアシストした賜物(たまもの)と呼んでよいのかもしれない。
(4)まとめ
ミッキーロケットの馬主野田みづきオーナーはこの馬のほかにも、ミッキーアイル、ミッキークイーン、ミッキースワローなど数々の重賞勝ち馬を引き当てている。
ミッキーロケットは2014年 セレクトセールで9,936万円 で氏が落札した。
野田みづき氏はセレクトセールでミッキーロケットのどこに魅力を感じていたのか。
父が種牡馬リーディングの上位に定着しているキングカメハメハということに加え、ヌレイエフのクロス( 4 × 4 =12.50%)も見据えていたのではないだろうか。
もしこれがYESなら、きっとこの馬(マネーキャントバイミーラヴの2019)も兄に引けを取らない活躍を見込める。
そう考えるのは間違いだろうか。
野田みづきの相馬眼を借りて、この馬をじっくり眺めてみたい。
【マネーキャントバイミーラヴ の2019】2020年募集馬注目クロス①サンデー編<第2回>終わり
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