堀厩舎預託馬ハワイアンウインドの17の検討/2018年度サンデーサラブレッドクラブ募集馬

カタログの解説に初めは縦へ成長(体高の伸び)が先行し、現在は横(馬体の幅)へと成長曲線を描いていると書かれ、「ご心配には及びません」と、いきなり言い訳めいたコメントから始められている。

↓ハワイアンウインドの17 写真の掲載許可はサンデーサラブレッドクラブから頂いている。

ほとんどの馬をこれでもかと、褒めちぎり、美辞麗句が重ねられているカタログ解説で、こうしたケースはかなり異例だ。

この時期は若馬の成長の端境期にあたるので、まれのこういうタイプの馬がいて、心配になるが、それでも成長の過程でバランスの悪さが解消されて、G1競走を勝つ馬もいる。

G1サラブレッドクラブのジュールポレールがちょうどこんなタイプだった。

ジュールポレールは5月2日生まれの遅生まれで、成長分のリカバリーがあって納得だったが、ハワイアンウインドは1月31日生まれだから、確かに心配になる。

6月時点で396キロの馬体重は少し軽いが、少なくともあとプラス50キロ程度は見込めるだろう。だから、小さすぎるということのほどではない。

こういう脚が長い馬は、ノビシロも大きい。今度、これに比例したサイズに大きく成長する、ということだろう。

キンシャノキセキ産駒は牡馬の競走成績がよい。しかも、馬体重がある方が活躍している。

ここまでは、オーソドックスな解説。

では、さっそくDVDを視聴してみた。
カタログ写真以上に脚がひょろ長く、上下のバランスとてもが悪い。

気になりだしたら、脚ばかり目立ってしかだがない。

サラブレッドは、身長(首の付け根から脚先まで)と体長(胸から尻の先まで)が基本的に等しい。

基本的に脚が短い馬は短距離、長い馬は長距離に向いている。

しかし、極端に脚が長い、アンバランスな体系は体型は故障のリスクもあり、何より、レースにいってのパフォーマンスに悪影響をもたらす。

こうなったら、脚の長い馬とその競走成績を調べるしかない。

ネットで手当たり次第、「馬 脚が長い」を画像検索し、ヒットした馬の名前と競走成績を以下に掲げてみることにする。

現役と引退した馬についてピックアップした。

なお、写真の著作権上の問題から、写真は掲載できません。

ご自身で検索して確認してください。

①レッドルーク(父オルフェーヴル):3歳、未勝利

骨膜の問題が出て、トモにも疲れがたまり、順調さを欠いて、2017年11月に新馬デビュー戦3着後、現在は長い休養に入っている。

②ショウナンパンドラ(父ディープインパクト):繁殖、5勝(2015年G1ジャパンカップ)

言わずと知れたG1馬。5勝は2000~2400m。やはり脚が長い馬は中~長距離が得意だ。

③トレクァルティスタ(父キングカメハメハ):7歳、4勝、1600万下

サンデーサラブレッドクラブ所属。4勝は1800~2000m。

④ルーカス(父スクリーンヒーロー):3歳、1勝、500万下

シルクの募集馬。1勝は1800m。

⑤インプロヴァイズ(父ウォーエンブレム):8歳地方(南関東)、中央4勝、オープン。

シルクの募集馬。出資者の方がこの馬は脚が長いから嫌、と嘆いていたが、2014年のG3ダービー卿チャレンジTを3着にきた。4勝は1600~1800m。

ここまで、「馬 脚が長い」を画像検索でランダムに調べてきたつもりが、やはり検索上位にくる馬は活躍馬やクラブ馬が多い。そもそも未勝利馬の情報がネットの検索上位にくることはまれだ。

こうしたバイアスがあることを差し引いても、脚が長い馬はレッドルークのような不運なケースもあるけれど、一概に悪い要素ではないことが理解できた。

さらに、距離は1600~2400mとマイルから長距離に適していて、ショウナンパンドラのようなビッグタイトルを獲得する馬もみられることがわかった。

翻って、ハワイアンウインドの17をもう一度、見てみると、問題は血統だ。

父はキンシャサノキセキで、明らかに短距離馬。

脚長馬は中・長距離馬にアドバンテージをもたらす。

この点で、脚長は短距離のスピードに対応できず、中・長距離レースでは、血統的なスタミ切れを引き起こす。

この馬は、こうしたアンバランスを持っている。

結論は出資見送り、とした方が安全だろう。

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