【2歳新馬シャンドマルス】パリ万博での幕府・薩摩藩の争い

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(1)お詫びとお許しのお願い

この2歳馬の命名由来シリーズは馬の名前のもととなったものについて、私(トンボの眼鏡)が自分の興味と関心に基づいて、自由に連想を働かせて書き散らかしてゆく趣旨であります。

しばしば、その馬から脱線することもあるかと思います。

馬の適性や評価、展望などには触れることなく、ひたすら名前にこだわった内容になっています。

出資者のみなさま、命名された方におかれましては、不遜の振る舞いと映って不快に思われることもあろうかと思いますが、どうか寛容の心持で、お許しいただければ幸いに存じます。

(2)シャンドマルスの命名の本当の理由は不明

現在は週2日は屋内周回コースにてハッキングキャンターを2500m、週3日は屋内坂路コースにて乗られています。坂路では週2日はハロン15~16秒のキャンターを2本、週1日はハロン14秒のキャンターを1本という調教メニューを消化しています。パワーのある走りからも、ダートの適性が高いのではないかと思われます。気性面の成長を期待しつつ、引き続き乗り込みます。現在の馬体重は592kgです。
~2021年5月21日のレポートよりno

サンデーサラブレッドクラブ所属の2歳牡馬シャンドマルス(父Arrogate)の命名の由来は、クラブホームページによれば以下の通りになります。

フランス、パリにある公園。馬体と父名より連想

父アロゲート(Arrogate)の馬名は英語で「僭称」という意味。

僭称とは、(低い身分の者が)高い身分を偽って自称すること。

シャンドマルスはパリのエッフェル塔近くにあるシャン・ド・マルス公園のことで、原義は「(戦争の神である)マルスの野」。

なぜ、アロゲート(Arrogate)=僭称がシャンドマルスになるのか、クラブのホームページの説明だけでは、わからない。

色々調べたが、仮設として、命名者はナポレオン・ボナパルトが頭にあったのではないか。

ナポレオンはシャンドマルス陸軍士官学校を出た。

そして、最後は平民の身分でありながら、皇帝となり、いわば身分を僭称した、

このように推測しましたが、もしこの記事を命名された方がご覧になっていて、この解釈が間違っていたら、コメント欄でご教示いただければ幸いです。

(3)1867年のパリ万博の会場が現在のシャン・ド・マルス公園

上に書いた仮説は正直、自信がありません。

ここでは、素直にシャン・ド・マルス公園を前提に話を膨らませてゆきたいと思います。

この公園にまつわる歴史的な事件やできごと(シャン・ド・マルスの虐殺事件)は多くありますが、今回は、ここを会場として開催された1867年のパリ万国博覧会について、思うところを書き連ねていきます。

このパリ万博は日本が初めて参加した国際博覧会で、江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩がそれぞれ出展しました。

幕府からは将軍徳川慶喜の弟で御三卿・清水家当主の徳川昭武らが、薩摩藩からは家老の岩下方平らが派遣されました。

日本の派遣団

薩摩藩は「日本薩摩琉球国太守政府」の名で幕府とは別に展示し、独自の勲章(薩摩琉球国勲章)まで作成しました。

日本館。
薩摩藩のパビリオン。

パリ万国博覧会が開かれた1867年4月は、前の月に徳川慶喜が大政奉還の建白書を提出し、幕府が倒れたときです。

権力は薩摩藩・長州藩などの雄藩連合に移りつつあるさなか、という時代的背景を考え合わせながらこの写真を眺めると面白いです。

幕府の日本館は薩摩藩のものと比べて立派であり、最後の威光を示そうとしました。

しかし、薩摩藩は「日本薩摩琉球国太守政府」の名で幕府とは別に展示し、独自の勲章(薩摩琉球国勲章)を将軍の隣に押し付けて、薩摩藩の国際的な地位を諸外国にアピールすることに成功しました。

(4)パリ万博での日本の展示物

それでは、パリ万博で日本がどのような展示をしたのか、見てゆきましょう。

これは数寄屋造りの茶屋の展示になります。

中では3人の柳橋芸者(おすみ、おかね、おさと)が独楽を回して遊んだり、煙管をふかしたりしていました。

当時はジャポニズムと呼ばれた日本趣味の影響から、幕府や西南雄藩による公式展示以上の人気になったといいます。

数寄屋造りの日本家屋の解説は次のように記されていました。

「この封建国では、家の内部は、スクリーンや溝を滑る軽い仕切りによって必要に応じて分割された大きな部屋でのみ構成されています」

「スクリーン」は障子、「溝を滑る軽い仕切り」は襖(ふすま)のことでしょう。

それぞれ個室で密閉された西洋の建物からすると、日本家屋は異質に映ったに違いありません。

(5)グレナディアガーズやシュネルマイスターに続け

近年、ノーザンファームのマル外や持ち込み馬が走らない傾向にありました。

ところが、グレナディアガーズやシュネルマイスター の活躍で流れは一気に変わりました。

アロゲート産駒のシャンドマルスもこのトレンドに乗ってもらいたいと切に願っています。

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