(1)姉は新馬で本日(6月8日)デビュー。
本日(6月8日)、東京競馬場5レースの新馬戦(芝1400m)でアロマティコの18の姉のファートゥアが出走してルメール鞍上で1番人気も3着に惜敗した。
やはりシンボリクリスエス⇒エピファネイア産駒は切れる脚がなく、芝コースの末脚勝負の叩き合いでは、今日のように馬場が渋っても分が悪いということか。
(2)サンデーサラブレッドクラブで募集されているモーリス産駒の基本データ
まず、今年サンデーサラブレッドクラブで募集されているモーリス産駒を見てみると、繁殖牝馬のレベルに驚かされる。
ブエナビスタにジェンティルドンナ。名牝2頭を筆頭に豪華な顔ぶれだ。しかも、母馬はみな若い。
これは、受胎率を考えてのものだろうが、やはり若い母馬から生まれた子が走るということからも、牧場サイドのモーリスに対する期待が表れている。
ブエナビスタの18とジェンティルドンナの18は別格として、アドマイヤセプターの18(125万円)やアロマティコの18(100万円)などの牡馬は、モーリス産駒から活躍馬が出ればこの値段では済まない。この倍に価格が跳ね上がることも考えられる。
産駒がまだデビューしていない今のうちにリーズナブルな価格で青田買いを
しておこう。
そう計算する会員も多くおられるのではないだろうか。
(3)アロマティコの18を測尺から評価する
私見では、募集時期の体重として420~440キロが理想と書いた。
参考として、サンデーサラブレッドクラブで募集されているモーリス産駒の測尺を上記に表で掲げてみた。
アドマイヤセプターの18はこの基準値から大きく外れるため、リスクが大きいとも書いた。
「【アドマイヤセプターの18】サンデーサラブレッドクラブ募集馬2019検討会」
これに対して、アロマティコの18は414キロと理想の420キロには届かないものの、ほぼ基準値に近い数字で、このまま順調に成長すれば450キロ以上の馬体重でデビューできる目算だ。
私が馬体重にこだわるのは、ドナウブルーとジェンティルドンナの姉妹の経験が根っこにある。
ドナウブルーとジェンティルドンナの戦績の違いをいまここで書くまでもないので省略するが、その背景には体格の違いがある。
ドナウブルー(ドナブリーニの08)は初仔ということもあって募集時には361キロしかなかった。
対するジェンティルドンナ(ドナブリーニの09)は392キロと30キロの開きがある。
この差はデビュー時まで続いて、ドナウブルーは432キロのやや小さめの馬体重で新馬戦を迎えたのに対し、妹のジェンティルドンナは474キロと牝馬にしては大柄な馬体重でデビュー戦に臨んだ。
この違いはそのままレースパフォーマンスの差となって現れることとなった。
ちなみにジェンティルドンナは1歳募集時に理想と考える420~440キロの値よりも下(392キロ)だ。でも、そのあとデビューまでプラス80キロ強(474キロ)という驚異的な成長があって、リカバーした。
アロマティコの18に戻る。
募集時414キロの馬体重だが、この馬は体高がある(157.0cm)。この数字から考えると、このあとも成長を続け、デビュー時は460キロ前後になるかもしれない。
母のアロマティコは468キロでデビューして、重賞優勝こそないがオープン巴賞優勝を含む通算 27戦6勝 [6-2-5-14] 、獲得賞金1億8,653万円 (中央) を稼いだ。
このことからも、アロマティコの18の測尺データは出資意欲をかきたてる十分魅力的な数値といっていい。
(4)アロマティコの18の馬体を姉と比較する
母のアロマティコは早いもので本馬を含めて3頭の子どもを出産し、いずれもサンデーサラブレッドクラブで募集されている。
アロマティコとその仔馬たちの測尺を表にしてみた。
(5)アロマティコの18の馬体を姉と比較する
次に1歳募集時の馬体写真を母や姉たちと比べてみる。
母馬のアロマティコはゆったりとした大きな腹袋を持ち、胸前とトモに豊かな筋肉の隆起が見られる。トモの容積が大きく、飛節や球節も力強い。
「走る馬」の要素を十分に備えている。
娘の3頭のうち、一番母馬に似ているのは今日(6月8日)デビューしたファートゥアだ。
本馬(アロマティコの18)は姉妹のなかで一番母に似ていない。
前にも書いたが、胴が細くスラリとしていて直飛気味なのは、父のモーリス産駒の特徴を強く受け継いでいるように見える。
「【モーリス産駒は目移りするほどいい馬揃い。サンデーサラブレッドクラブ募集】写真で比較」
芝ダートや距離適性はまだモーリス産駒がデビューしていないので未知だが、馬体を見る限りでは、本馬は芝馬の資質を持っていると判断する(筋肉タイプではないという点で)。
(6)姉コパカティの敗因
初仔のコパカティはシルエットはアロマティコに似ているが、筋肉量やトモの容積などの長所は母から大きく劣っている。
結果、成績は以下の通りでまだ勝ちあがれないでいる。
馬体重はオークス優勝馬の理想の460キロ台だが、この成績。当然のことながら、馬体重は競走馬の資質を判断する重要なファクターにはなるが、これだけでは能力を測ることはできない。
コパカティが勝ちきれないのは、馬体などの肉体的な要因よりも気性によるものが大きい。
すでに育成段階から気性面の問題が指摘されている。
・「前向きさが強くてタメを作りにくい走り」(2歳時5月4日)
・「リラックスさせるように心掛けても、力む面があります」(2歳時10月31日)。
そして、2歳時の11月10日に京都5R・芝1600m戦でデビューを迎えるが、5着に敗退。
クラブホームページのレポートでは、「中団追走から頭を上げる場面があり、直線でも思ったほど伸び切れ」ない。、とのこと。
(7)アロマティコの18の血統を評価する
アロマティコの18のいとこにアンデスクイーン(牝馬、父タートルボウル、2014年生まれ、グリーンファーム、200口、1口5万円)がいる。
このアンデスクイーンの母レイナカスターニャも父がキングカメハメハなので、血統構成がよく似ている。まだ現役で、2019年6月8日現在、24戦5勝 [5-4-1-14]で9,577万円 の賞金を獲得している。ちなみにこの5勝はいずれもダートでのもの。
1口価格にもよるが、1億円稼げれば、小当たりの目安と考えるが、馬代(200口、1口5万円)を40分の1口に換算すると25万円。この価格で控除前の1口賞金47.9 万 、40分の1口換算で239.5万円を稼いだのだから立派な成績だ。
アンデスクイーンの父タートルボウルはNorthern Dancer系。対するモーリスは Roberto系 で、系統が異なるが、タートルボウルの子どもでこれだけのレースパフォーマンスを上げるのだから、たいしたものだ。
アロマティコ自身は芝コースで良績を挙げているが、この一族の血はダート馬を生む潜在的な力を地下水として伏流させているかもしれない。
(8)アロマティコの18の最終判断
姉ファートゥアの新馬敗戦でアロマティコの18は人気を落とす。
だが、人気が落ちたことが逆にねらい目で実績に不安を感じている会員は候補に挙げてくるだろう。
今日の1戦だけで断定はできないが、エピファネイア産駒で芝は疑問符がつく。
父はモーリスに変わったので、姉の敗戦はこの馬の評価に直結しない。
血統、馬体ともに悪くはないが、母父キンカメのアドバンテージ以外に取り立てて強調できる点もないからB評価で、うまく運べばオープンレベルとした。
私は今回の候補には出さない予定。
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