(1)はじめに~ヌレイエフのクロスにこだわる理由
G1サラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしていく。
今回はヌレイエフのクロスを持つ【レッドサンの2019】について取り上げたい。
なぜヌレイエフのクロスに私が注目するか。
その理由は何回も当ブログで書いている。
これから書くことは繰り返しになるので、既読の方はこの章を読み飛ばして、次章に進んでもらいたい。
ヌレイエフのクロスを持つ馬の活躍が近年目立つ。
馬名を挙げてみると、錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。
●アーモンドアイ(2015年生まれ、牝馬、父ロードカナロア、牝馬3冠、G1ジャパンカップ、ドバイターフ、天皇賞(秋):ヌレイエフ(Nureyev)の5×3(15.63%)
●トゥザグローリー(2007年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2京都記念ほか):Nureyevの4 ×3(18.75%)
●トゥザワールド(2011年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2弥生賞):Nureyevの4 ×3(18.75%)
●トーセンビクトリー(2012年生まれ、牝馬、G3中山牝馬S):
Nureyevの4 ×3(18.75%)
●ミッキーロケット(2013年生まれ、牡馬、G1宝塚記念):Nureyevの4×4(12.50%)
●メールドグラース(2015年生まれ、父ルーラーシップ、牡馬、G3新潟大賞典):Nureyevの5 ×3(15.63%)
●リオンリオン(2016年生まれ、牡馬、父ルーラーシップ、G2青葉賞):Nureyevの5 ×4(9.3%)
第一に、ハートレイクやブラックホークやなどに代表されるように、ヌレイエフの直仔が日本の芝コースに対する高い適性を持ち、これが子孫に伝わっていると考えられること。
第二に、ヌレイエフの血が持つ優れたスピード値がスピード重視の日本競馬にマッチすること。
このような裏付けを持つことから鑑みれば、2020年度の社台・サンデー募集馬でヌレイエフのクロスを持つ馬を狙い撃ちする作戦があながちマニアックすぎると笑えない。
(2)レッドサンの2019の血統評価
まずはレッドサンの2019(牡馬)の5代血統表を下に掲げる。
レッドサンの2019の祖父Kingmamboの母父がNureyev(ヌレイエフ)。
次に、母のレッドサンの母父パントレセレブルの父がNureyev(ヌレイエフ)。
というわけで、Nureyev(ヌレイエフ)の4 × 4(12.50%)のクロスが成立している。
本馬(レッドサンの2019)の母レッドサンはフランス産の未勝利馬。
2013年7月11日のフランスでのデビュー戦(芝1800m)で競走中止となり、この1戦で引退している。
弟のVadamos (牡馬、2011年生まれ、父 Monsun)はG2エッティンゲンレネンの優勝馬。
未勝利でも繁殖にあがれたのは、このような血統背景を評価されたからだろう。
本馬は3番仔。
初仔のポーラーサン (牡馬、2017年生まれ、父 Siyouni) は本馬と同じように、ヌレイエフの4 × 4(12.50%)のクロスを持つ。
競走成績を見ると、4戦0勝 [0-1-0-3]未勝利、中央現役。
2戦目の未勝利戦(中山、芝1800m)で2着にきたのが最高着順だ。
2番仔ですぐ上のフレイミングサン (牝馬、2018年生まれ、父 ハーツクライ)はヌレイエフのクロスを持たない。
現3歳で未出走。
上のきょうだいは順調ではない。
正直、血統的に見ると、ヌレイエフのクロスを持つこと以外にあまり強調材料はない。
(3)まとめ
まだカタログが届いておらず、馬体写真やDVDを見てみないと何とも言えないが、ここまで本馬を見てきて、あまりよいイメージが浮かんでこない。
血統のところで、あまり強調材料はないと書いたが、1点重要なことを書くのを忘れていた。
本馬(レッドサンの2019)はブルードメアサイアーがMonsunだが、同じ母父がMonsunの馬にソウルスターリングやヴェロックスがいる。
これは最近のトレンドになっている。
社台グループが本馬の母を購入したのも、こうした大きな牧場の方針があってというのが理由だろう。
最終判断はカタログ写真とDVDでの動きをみて、さらに測尺などのデータで総合的に見て決めたい。
それにしても、この母親のレッドサンという名前が気になる。
チャールズ・ブロンソンとアランドロンそして三船敏郎の3人が共演した西部劇「レッドサン」(1971年、フランス・イタリア・スペイン共作)という映画が昔あった。
この原稿を書いていて、どうしてもブロンソンの髭面が頭から離れない。
そしてこの言葉も。
ん~ん、マンダム!
【レッドサンの2019】2020年募集馬注目クロス④G1編<第1回>終わり
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