(1)はじめに
社台グループ2021年度募集名簿を検討している。
前回は、牝馬ではサンデーサイレンスの血が入っている馬に加えて、スピード系の血統を狙えという内容で解説した。
今回は、具体的な募集馬名を挙げて、戦略を練っていく。
(2)社台・サンデーのミリオン・ホース
まずは、社台・サンデーの各1口クラブで2014~2016年産牝馬のうち、獲得賞金1億円以上をを稼いだ馬(ミリオン・ホース)の表を作成した(賞金額は2021年4月11日時点)。
なぜ2016年産以前でデータを取ったのは、成績がほぼ確定していて、サンプルとして複数の馬が該当するからだ。
この表を手掛かりに、今年の募集馬から当たり馬を探してゆきたい。
1口馬主は投資である以上、獲得賞金ではなく、回収率で考えるのが筋であるが、募集金額は恣意的な数字(人間=クラブ側が操作してつくられるもの)であるのに対し、獲得賞金は客観的な「その馬の能力」を表す指標になるので、あえて獲得賞金で考えた。
(3)社台・サンデーの活躍牝馬の条件
1)価格
最低価格は35万円(クロノジェネシス、アエロリット、アルメリアブルーム)から最高価格の175万円(グランアレグリア)まで低・中・高価格帯までまんべんなく活躍馬が出ている。
懐事情が厳しい人でも、選馬眼さえあればアエロリットやクロノジェネシスのようなG1馬を掴むことができる。
1口馬主では夢が現実となる。
2)社台・サンデーの内訳
上の表で該当する20頭のうち、社台7頭(美浦1、栗東6)、サンデー13頭(美浦6、栗東7)で、サンデーサラブレッドクラブ所属馬の方が有利。
サンデーサラブレッドクラブでも東西の有利不利はあまり見られない。かつては西高東低が顕著であったが、近年のノーザンファーム天栄の躍進で、東西格差は少し縮まった。
一方、社台では、圧倒的に関西馬が有利の状況は変わりない。
美浦の社台馬でミリオンホースは唯一ソウルスターリングというのは、ひとえに藤沢師の腕とフランケルの圧倒的な能力によるとことが大きい。
藤沢和雄師が来年の2月で定年を迎えることを考えれば、社台の関東牝馬に出資することには慎重でありたい。
3)血統
牡馬について、ねらい目の馬の条件として、3点を挙げた。
①父がサンデー系(ディープインパクト産駒とハーツクライ系ならなおよし)
②母父がサンデー系
③父が非サンデー系で、サンデーサイレンスの4×3(3×4)
上記の20頭のうち、上記の条件にあてはまる馬を数えてみた。
①父がサンデー系:11頭(55%)
②母父がサンデー系:4頭(20%)
③父が非サンデー系で、サンデーサイレンスの4×3(3×4):0頭
(アルメリアブルームがサンデーサイレンスの3×3)
①~③に当てはまらない馬:5頭(25%)
結果を見ると、牡馬の戦略が牝馬でもある程度当てはまることが確認できた。
ここで注目したいのは、「①~③に当てはまらない馬」のグループである。
(4)毎年クロフネの血が活躍
面白いのは、クロフネの血を濃く持つ馬から、2016~2014年の毎年、ミリオンホースが誕生していることである。
父クロフネでは、2014年産のアエロリットとジューヌエコール。母父クロフネでは、2015年産のリリーノーブルと2016年産のクロノジェネシス。
該当する4頭を表ではオレンジで表記した。
父クロフネか母父クロフネが20頭中4頭(20%)を占めている。
これは見逃すことのできない発見だ。さらに、この4頭はいずれもサンデーサラブレッドクラブ募集という共通点を持つ。
事実、産駒の活躍馬は牝馬が多いことから、クロフネはいわゆるフィリーサイアーと呼ばれている。
この特徴は母父に入っても継続している。
クロフネは今年(2021年1月7日)逝去した。
貴重な血が失われた。返す返す悔やまれる。
(5)2021年募集牝馬の狙い目はクロフネの血
そこで、今年(2021年)の募集馬から父クロフネか母父クロフネの馬をリストアップしてみた(サンデーサラブレッドクラブ募集馬に限定、社台・G1・オーナーズは除外した)
父クロフネに該当する馬はいなかったので、母父クロフネだけを掲載した。
この中にミリオンホース(獲得賞金1億円以上の馬)がいる。
写真・動画と測尺が発表されたら、この4頭からさらに1頭をチョイスしてゆきたい。
【社台グループ2021年度募集名簿】大当たり馬を見つけた(牝馬編)その②
終わり
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