【1口馬主必勝法発見!?】【ライラックスアンドレースの19】話題の馬は走るのか②

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(1)はじめに

社台・サンデー、G1の各サラブレッドクラブで本年度(2020年)の募集が近づいてきた。

SNSでも熱い議論が交わされている。

当ブログでは、最初はサンデーサイレンスの強いインブリード配合(3×3)や、ヌレイエフのクロスを持つ馬などマニアックな募集馬の話題を提供してきた。

正直、これまで取り上げた馬は、一部の例外を除いて第一希望で人気が殺到するようなことはないだろう。

読者の関心から少しはずれた馬たちばかりで、拍子抜けされた(あるいは逆に、自分の心に決めた馬を騒ぎたてられないで安心された)のではないだろうか。

前回はピュアチャプレットの19について書かせてもらったが、このシリーズでは「話題の馬は走るのか」と銘打って人気馬のレヴューをしている。

今回取り上げるライラックスアンドレースの19(牝馬)は、言うまでもなくG1を3勝(ジュベナイルフィリーズ、エリザベス女王杯、大阪杯)したラッキーライラックの全妹になる。

大阪杯を勝った、姉のラッキーライラック

あまりにもベタすぎる血統なので、今まで書くことを敬遠していたが、たまにはこのような馬を書いてもいいだろう。

ただ、これから書く内容はほとんどの読者や会員が知っていることなので難しい。

なるべくオリジナリティを出して書いてゆくつもりだが、どんな文章になるか、自分自身、正直予測がつかない。

期待と不安を込めて本稿を始めたい。

(2)ライラックスアンドレースのきょうだいを考える

本馬(ライラックスアンドレースの19)の母ライラックスアンドレースは、アメリカG1アシュランドステークス(AW8.5F)勝ち馬で9戦3勝。

産駒は7頭で、本馬は7番仔のあたる。きょうだい達を以下に書き出してみた。

初仔:ライラックローズ (牝馬、2012年生まれ、父Henrythenavigator)未勝利

2番仔:ラルク (牝馬、2013年生まれ、父ディープインパクト) 3勝

3番仔:ラッキーライラック (牝馬 2015年生まれ、父オルフェーヴル);ジュベナイルF(G1)、エリザベス女王杯(G1)、大阪杯(G1)、チューリップ賞(G2)、アルテミスS(G3)優勝

4番仔:ライル (牡馬 2016年生まれ、父ディープインパクト) 1勝、中央現役

5番仔:ルリエーヴル (牝馬 2017年生まれ、父 ロードカナロア)

6番仔:グランメテオール (牡馬 2018年生まれ、父ダイワメジャー) 2歳新馬

初仔のライラックローズ(牝馬、父Henrythenavigator)は2013年にサンデーサラブレッドクラブから1口60万円で募集された。

戦績は3戦0勝 [0-0-0-3]。

この馬は2歳の4月に坂路調教後に左後脚の管骨に骨折を負い、デビューは3歳の7月にまでずれこんだ。

そして3戦して勝ち上がることができずに引退した。

ライラックローズの5代血統表は省略するが、この馬はクロスをたくさん持っている。以下に並べたが、これだけ血が濃いと体質の問題が浮上する。

Mr. Prospectorの3 Prospector 5 × 5(18.75%)

Sadler’s Wellsの3 × 5(15.63%)

Raise a Nativeの4 × 5 × 5(12.50%)

Northern Dancerの5 × 4(9.38%)

Specialの5 × 5(6.25%)

2番仔のラルク (牝馬、父ディープインパクト)は2014年 セレクトセールでキーファーズによって1億5,660万円 (消費税込み)で落札された。

競走成績は18戦3勝 [3-2-0-13]で1000万下に在籍。この馬は引退前の2戦をフランスで走っている。2018年7月22日、ペピニエール賞に武豊で出走し(8着/10頭立て)、次いで10月7日ロンシャン競馬場で同じく武豊 騎乗でG1オペラ賞(芝2000m)に出て(13着/16頭立て)。

そして3番仔の全姉がラッキーライラック (牝馬 、父オルフェーヴル)で現役牝馬を代表する活躍を見せている。

4番仔:ライル (牡馬、父ディープインパクト)は、も2017年にサンデーサラブレッドクラブから1口200万円で募集された。

2020年5月10日現在の競走成績は9戦1勝 [1-2-2-4]で4歳以上1勝クラスに在籍している。

3歳5月に4戦目の東京(芝2000m)をレーン騎乗で勝ち上がる。

先日の4月26日、同じ府中の芝2000mでレーン騎乗で2着に来ているから、このクラスを卒業するのは近いかもしれない。

5番仔のルリエーヴル (牝馬 、父ロードカナロア)は2018年にサンデーサラブレッドクラブから1口125万円で募集された。

今年(2020年)3月20日に阪神3歳未勝利戦(芝1800m)を西村淳也騎手でデビューするが13着に敗れる。

レース後の2020年03月25日、レントゲン検査で右前脚の膝部分の第3手根骨の骨折が判明し、全治6ヵ月以上の診断が下され、引退を選択した。

この馬のデビューが遅れたのは故障などのトラブルによるものではなく、3歳8月に入厩してゲート試験に合格するもすぐノーザンファームしがらきに放牧に出された。

「姉ラッキーライラックの同時期と比べると、まだ頼りなさを感じます。」というクラブコメントにもあるように、成長をうながしながらじっくりと育てるという牧場側の方針でレースを使わなかったのだろう。その後、スクミが出たために再入厩は翌年2月にずれこんだ。

ルリエーヴルは体質、体力面で課題があったことがクラブコメントから推測できる。

(3)ライラックスアンドレースの産駒の競走成績を分けるもの

こうしてライラックスアンドレースの産駒の競走成績を眺めてきて思うことがある。

G1を3勝という偉業を達成したラッキーライラックを産んだ母のライラックスアンドレースであるが、父がオルフェーヴルであれだけ凄い成績を残しているのだから、リーディングサイアーのディープインパクトを付けたらさぞかしもの凄い子どもが生まれるだろう。

そんな感想を持ったが、実際は。

ラルクやライルなどのディープインパクト産駒の成績はまったく振るわない。

この差は何なんだろうか?

産駒でこんなに競走成績が違うのはどうしてなのか?

そこで、お得意の1歳募集時測尺を調べてライラックスアンドレース産駒を比較することにした。

ただし、1歳6月時点での測尺がわかるサンデーサラブレッドクラブ募集馬に限り、個人馬主の馬(ラルク)については比較の対象にしない。

お決まりの4段階評価(◎〇△無印)も添えてライラックスアンドレース産駒5頭の測尺を比較したのが上の表だ。

生まれ月日が3月20日~4月20日の間に集まっており、対比のサンプルとしては妥当かと思う。

上の表の4頭を比較してわかったことを以下に書いてみる。

(グランメテオールはまだデビューしていず、レースパフォーマンスは不明であるので、比較の対象とはしない)

私は再三再四、1歳募集時の測尺にこだわり続けてきた。

胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~455キロの3項目の数値を「走る馬の測尺基準」と呼び、この基準に合致する馬を推してきた。

GⅠ3勝馬のラッキーライラックの1歳募集時測尺を見ると、1項目しか該当せず、評価は△。

見事に私の測尺理論を裏切っている(爆)。

この「走る馬の測尺基準」がポンコツであることを図らずも露呈した結果となったが、それはまあいい(後述)。

1歳募集時測尺はなかでも胸囲と体重がとくに重要な指標となる。

上の表の胸囲と体重を見ると2群に分かれていることが判明する。

胸囲:

上位グループ:ラッキーライラック(170.5)、ライル(169.0)

下位グループ:ライラックローズ(167.5)、ルリエーヴル(164.0)

体重:

上位グループ:ラッキーライラック(400)、ライル(403)

下位グループ:ライラックローズ(360)、ルリエーヴル(379)

胸囲と体重の上位グループ2頭(ラッキーライラック、ライル)が勝ち上がり、下位グループの2頭(ライラックローズ、ルリエーヴル)が未勝利で終わっている。

ここまでライラックスアンドレースの産駒を測尺で比較してみた結果、競走成績に違いが出る理由がぼんやりとわかってきたような気がする。

やはり測尺だ。

胸囲が小さく、馬体重が少ない馬はやはりレースパフォーマンスが芳しくない。

その理由について、かつてNOTE「1口馬主講座」に書いてみた。

「【走る馬の特徴がわかった 】1歳募集時測尺から」

https://note.com/soumanosuikoden/n/n13774c818f7d

しかし、理由はそれだけではない。

未勝利で終わったルリエーヴルの育成経過をクラブホームページで追いかけていると、この馬のように胸囲や馬体重で劣る馬はもともと基礎体力がなく、肺活量も少ない。

サンデーサラブレッドクラブ特にサンデーサラブレッドクラブ募集馬はノーザンファームの育成牧場や外厩施設で厳しいトレーニングを行う。

胸囲や体重でハンデがある馬はこうした牧場でのスパルタ訓練についていけずに調教が滞り、入厩やデビューが遅れる。こうしたハンデは後あと大きな影響となって返ってくる。

新馬戦や3歳未勝利戦が年々前倒しになり、タイトな日程で最初の1勝を上げるには、このようなハンデを持つ馬には厳しい。

これが1歳募集時測尺から考えたライラックスアンドレースの産駒の違いの理由だ。

やはり測尺だ。さまざまなものを語る測尺は選馬の基準として無視できない。

(4)1歳募集時測尺の見方

ここで、改めて1歳募集時測尺の見方について補足しておきたい。

私が繰り返し強調してきた1歳募集時測尺のうちの「走る馬の測尺基準」(胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~455キロの3項目)はあくまでも目安で、この数値に金科玉条のように縛られることは避けなければならない。

大切なことは、きょうだいの馬や同じ種牡馬の産駒たちと1歳募集時測尺を比較してその優劣をつかむことだ。

ただし、早生まれ、遅生まれの生まれ月や種牡馬の産駒の特徴(ダイワメジャー産駒は大きめに出る)などは十分考慮に入れなければいけない。

今回、この重要なポイントが分かったことは大きな収穫だ。

しかし、ライラックスアンドレースの産駒のうちのラッキーライラック(GⅠ3勝)とライル(1勝)の測尺から見た優位が判明したが、この2頭の差は月とスッポンだ。

この違いまでを測尺から説明することはできない。

これは測尺評価の限界だ。

(5)まとめとライラックスアンドレースの19の評価

最後に本馬(ライラックスアンドレースの19)の5代血統表を掲げて、この馬の取捨について記して本稿を締めくくる。

ここまで長々ときょうだい間の測尺対比を書いてきたので、結論はもおわかりだろう。

本馬(ライラックスアンドレースの19)の1歳測尺が6月にクラブホームページで発表される。

上のきょうだいの上位グループ2頭(ラッキーライラック、ライル)から、胸囲169.0cm以上、体重400kg以上を出資の条件としたい。

あとはDVDで歩様やつなぎをチェックして最終的な評価としたい。

【ライラックスアンドレースの19】話題の馬は走るのか②サンデーサラブレッドクラブ2020募集 終わり

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(1)はじめに 「話題の馬は走るのか」のシリーズでは人気馬や会員の多くが気にかけている馬のレヴューを行っている。 前回の「【1...

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