(1)ディアマンテールの基本データ
ダイヤモンドディーバの2018は2019年、1口100万円でサンデーサラブレッドクラブから募集された牡馬だ(美浦・国枝栄厩舎に預託予定)。
このたびディアマンテールと名前が決定した。
ディアマンテールの姉2頭は現役のオープン馬だ。
ハウメア (2014年生まれ、父キングカメハメハ)牝馬ながら5勝している。
6歳で引退間近だが、全成績が [5-5-2-7]で、安定感抜群だ。
シャドウディーヴァ (2016年生まれ、父ハーツクライ)は 2勝馬でG2フローラステークス、G3東京新聞杯を2着した。
母のダイヤモンドディーバはアメリカの芝のマイルの重賞競走を2つ(G2キャッシュコールマイルSとG3ウィルシャーH)勝っている。
(2)ディアマンテールの馬体評価
今までドゥラメンテ産駒の写真を見てきたが、どの馬も不思議なぐらいドゥラメンテに似ていなかった。
ただ、強いて言えばこの馬(ディアマンテール)が似ているかもしれない。
トモから長い後肢のラインが似ている。
繋ぎが立ち気味のところも父親から受け継いだ。
1歳募集時測尺は以下の通り。
体高154.0、胸囲175.0、管囲21.0、体重417
●1歳募集時の理想的な測尺
胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~455キロ。
3項目中、2項目(胸囲、管囲)がクリアー。
体重は420キロの下限より3キロ少ないけれど、限りなく条件に近い。
アハハ。
ドゥラメンテ産駒の当たりを見つけました。
この馬です。
無事ならば、重賞勝てるでしょう。
って、勇み足で書いてしまったけれど、ドゥラメンテもそうだったけれど、産駒にも激しい気性が受け継がれているのだとしたら問題だ。
馬体的に素晴らしいのになんでこの馬が走らない、という馬はことごとく体質が弱かったっり、故障や気性によるものだから。
「脚、特に後肢が長い馬」も走る馬選びで重要です。
この条件にも合致。
もうこの馬で決まりでしょう。
募集時にはイプスウィッチの2018ほうがダイヤモンドディーバの2018より良く見えたけれど、私の目は節穴でした。
ダンチでこの馬のほうが上です。これは間違いない。
ちなみに2020年3月6日現在の馬体重は464kgで、中型馬かな。
(3)クラブコメントからディアマンテールを評価する
まだ乗り出したばかりですので、体を上手に使えて走れていませんが、慣れてくれば問題は解消するはずです。馬体は細身ですが、同時期に移動してきた1歳馬と比較すると、トモの周囲に筋肉があり、見栄えのする馬体をしています。
2019年10月14日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
本格的な調教をはじめてから全身に筋肉がついて、見栄えのする馬体に成長を遂げています。馬体の成長に伴って調教での動きは良くなり、力強さが出てきました。ハロン18秒のメニューにも問題なく対応できていますが、ときおり乗り手とのコミュニケーションを欠くことがあります。上手に折り合って走れるように、教えていきます
2019年11月1日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
馬体には良質な筋肉がついて、調教での力強さは増しています。調教中に前向き過ぎてしまうことがあるので、その点は改善を促していきます。気持ちが落ち着いてくれば、より見栄えのする体に成長するのではとみています。
2019年12月6日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
ほどよい前進気勢で、ハミに頼ることなく、バランスの良い走りができています。ハロン16秒のメニューでも手応え良く登坂しており、着実な成長がうかがえます。
2020年1月6日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
他のドゥラメンテ産駒と比較すると、筋肉が発達し、踏み込みの大きい走りをします。馬体も成長し続けており、毛ヅヤもよく見栄えする馬体となっています。少し気性面に難しいところが出てきたので、注意しながら調教を進めます。
2020年2月7日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
乗り込みが進むとともに前進気勢が増していますが、力むようなことはありません。筋肉がつきながらも大きく、ゆったりとした走りができているのが本馬のセールスポイントといえるでしょう。気難しさをみせるようになったので、注意を払いながら進めていきます。
2020年3月6日のサンデーサラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
「前進気勢」「筋肉が発達」「バランスの良い走り」「ゆったりとした走りがセールスポイント」といったように、全体的に好意的なコメントが並んでいる。
この馬の場合も課題はやはり気性だ。
「前向き過ぎてしまう」「気難しさをみせる」などと、精神面、気性面の問題はプロのホースマンでも手を焼くなかなか難しい課題で、育成期の大きなテーマなのではないか。
どの程度の気難しさなのか、調教に支障があるのかどうかについては、次章で動画を検討するなかで、見ていきたい。
(4)ディアマンテールの調教動画を見ての評価
●2019年12月23日の調教動画(ラップは16.6-16.3-16.3 3F49.2)
集団の一番後方から1頭で坂路を上がっている。
この調教を見ていいと思ったのは、ラップが安定していることだ。
極端に速かったり、遅かったりで安定を欠くのは折り合い面で問題がある。
●2020年2月28日の調教動画(ラップは16.3―15.1-16.0 3F47.4)
2頭合わせの左側で、合わせた馬を置いていき、グイグイ坂路を駆け上がっていく。
パートナーの馬が最後はヘロヘロになってバテている。
折り合いはついているように見えたし、気性面の問題はあまり感じられなかった。
今までクラブ馬の調教動画を多く見てきたが、この調教は上位にくるのではないか。
(5)ディアマンテールの評価まとめ
モーリス産駒では、アドマイヤセプターの2018(レガトゥス)やブエナビスタの2018(ブエナベントゥーラ)が掲示板等で話題になっているが、ドゥラメンテ産駒は静かだ。
両馬は値段と血統などの話題性に富むため、口の端に上るのはやむを得ない。
しかし、いわゆる「ネタ馬」になってしまう心配もある。
クラシックで活躍する馬はデビュー前に騒がれない意外な馬であることが多々ある。
ディアマンテールはそんな1頭になる予感がする。
あとは気性と繋ぎの問題に気をつけて、育成牧場から、ノーザンファーム天栄、国枝栄厩舎へとうまくバトンを受け継いでいってほしい。
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