(1)ベリエドールの募集時の馬体評価
ベリエドールはモーリス産駒の牡馬で、2019年社台サラブレッドクラブクラブからラルシュドールの18という馬名で1口75万円で募集された(栗東・池江泰寿厩舎)。
募集時写真は見ての通り、1歳馬とは思えない雄大な馬格を誇っている。
1歳募集時測尺は以下に掲げた。
体高160.0、胸囲179.0、管囲20.8、体重482
●理想とする測尺基準
1歳募集時、胸囲172cm以上、管囲20cm以上、体重420~455キロ。
理想とする測尺基準と比べると、胸囲が及第点。体重は理想から30キロ近くオーバーしている。
2月2日の早生まれということを勘案すれば、仕方ないかなとも思う。
要は、その後の成長で大きくなりすぎなけれないい。
最新の馬体重が気になるところだ。
2020年3月6日現在の馬体重は564kg。
ギリギリ許容できる上限だ。
これ以上大きくなると足元への負担が増して故障につながる。
ここから調教で絞って、少なくとも520キロ前後でデビューを迎えたい。
それにしても馬っぷりがいい。
馬体面での磨けば光る素質をこの写真から感じる会員は多かったに違いない。
最終人気順位の社台では第2位の100票を集めた。
池江人気とモーリス人気に加えてこの馬の馬体評価の相乗効果があってのものだ。
(2)ベリエドールの育成過程でのクラブコメント
ここにきて馬体はさらに増幅し、その分まだ重くて動き切れない面があります。歩様にもそれなりの緩さが感じられますの
2019年11月1日社台サラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
アクシデントで始動が遅れたこともあり、まだ体には緩さが感じられ、大型馬のわりにはトモの踏み込みが浅く力強さが足りていない印象です。
2019年12月6日社台サラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
大柄とあって体重の変動こそ少ないものの、日々の乗り込みを通じて見栄えは着実に良化しています。トモの踏み込みがまだ足りないこともありますが、現状でやや頭が高めの走法に映りますので、もう少し下の位置でハミを噛めるよう改善に取り組んでいきます。
2020年1月6日社台サラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
大型馬特有の背腰の緩さは残りますが、トビの大きな走りで悠々と速めを消化することができるように能力は高そうです。力強さと滑らかさを兼備したフットワークで、気合い乗りも上々、徐々にハミの位置も良いところにおさまってきており順調です。
2020年2月7日社台サラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
超大型馬のわりに動きには軽さが備わっており、体を持て余すことなく大きなストライドですいすいと坂路を駆け上がっています。脚元の疲労感がないのも何よりで、しまい2F15-15前後のタイムをコンスタントにマークしています。
2020年3月6日社台サラブレッドクラブの公式ホームページより引用させていただきました。
クラブコメントを追いかけて見ると、馬体重からくるずぶさや頭の高い走法などの課題が次第に改善されてきていて、良化の方向にある。
上の写真はスピード感があってなかなかよく撮れている。
ただ、なにぶん、静止画像だから調教の良しあしはこれだけでは判断がつかない。
次章でクラブホームページの調教動画から何かわかることがあれば書いていきたい。
(3)ベリエドールの調教動画の評価
①2019年12月13日の動画
首が高い。口向きが悪く、騎乗者とうまく折り合っていない。
2020年1月6日のクラブコメントで「やや頭が高めの走法に映ります」とあるが、「やや高め」どころではない。これを公開していいのか、というレベルだ。
②2020年2月28日の動画
相変わらず口向きが悪い。首の高さは折り合いと関係している。前回の動画に比べて改善の余地はうかがえる。
馬が行きたがっているというのは、スピードがあるということの裏返しでもある。脚力やスピード、パワーなどの力強さは感じられる。
動画撮影時のタイムは2F30.0-14.7。
まだ粗削りで、騎乗者の腕次第というところだろう。
社台の調教スタッフはだいじょうぶか?
(4)ベリエドールのまとめ/期待と不安が半々
ローズS(G2)、クイーンS(G3)に優勝したレクレドール (牝馬、2001年生まれ、父サンデーサイレンス)の孫という血統背景や迫力ある馬体などを見るにつけ、ダイヤの原石というものは感じられる。
ただ、気性面の問題や馬体重の抑制など課題は山積している。
うまく磨かないと、未完成で終わってしまうのが怖い。
早くにデビューさせて変なクセがつくのも困る。
この馬もじっくり調整するタイプのようだ。
ここまでモーリス産駒を見てきて、やはり晩成型という印象を強く持った。
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