ブルードメアサイアーがキングカメハメハの馬を1頭ずつ検討してゆく。
(1)アガルタの18の基本データ
最初はアガルタの18だ。
基本データとカタログ写真を以下に掲げる。
(2)清水久詞調教師の評価
預託厩舎の清水久詞調教師は2019年6月2日現在、JRAの勝ち鞍15勝、リーディング16位のベテランということになる。
先日、G2鳴尾記念でキャロットファームのメールドグラースを優勝に導いた。
清水久詞調教師といえば、何と言ってもキタサンブラックを上げる人が圧倒的に多いだろう。
キタサンブラックが活躍する以前は、清水師は地味でコツコツと勝ち星を重ねるタイプの調教師というイメージだった。
管理馬のトウケイヘイロー、ビップライブリーという名前を聞けばそんな評価に対して頷けることだろう。
1口クラブとの相性は、社台系よりもラフィアンの馬である程度結果を出している。マイネルレオーネ(牡馬、父ステイゴールド、5勝)、マイネジャンヌ(牝馬、父ロージズインメイ、4勝)などがその例だ。
社台系ではキャロットファームの馬で賞金を稼いでいる。先に書いたメールドグラースを筆頭にアカネイロ(父クロフネ、牝馬、4勝)、パリンジェネシス(父タートルボウル、牡馬、5勝)などを挙げることができる。
社台サラブレッドクラブ募集馬だとビッグスモーキー(父キングカメハメハ、牡馬、2勝、G2兵庫チャンピオンシップ2着、1600万下現役)、サンデーサラブレッドクラブ募集馬ではマースエンペラー(父アドマイヤベガ、牡馬、3勝) の2頭が獲得賞金の最上位だ。
正直、あまり覚えめでたいとは言えない。
(3)アガルタの18の血統評価
アガルタの18の5代血統表を掲げる。
アガルタの18の祖母はあの伝説の馬ブロードアピール。
2000年の根岸ステークスで、武幸四郎騎手を鞍上に、絶対届かないと思われた位置から末脚を爆裂させて鮮やかに差し切った。
あの脚力が遺伝していれば、この馬も相当な器だということがいえる。
さらにこの馬の血統的な魅力はダービー馬ワグネリアンがいとこだということ。
ワグネリアンの母ミスアンコール(父キングカメハメハ)とアガルタ(父キングカメハメハ)は全きょうだいの姉妹にあたる。
アガルタの18が父ハーツクライに対してワグネリアンの父はディープインパクト。同じサンデーサイレンス系の血を引く両馬は血統構成が近い。
兄にマイネルオフィール(父ゴールドアリュール、6勝、オープン総武S)がいる。
(4)アガルタの18の馬体評価
改めて馬体写真を見てみよう
胸前とトモに十分な筋肉がつき、迫力あるボディーをしている。これは母父キングカメハメハの影響が出ている。
カタログ解説は売りたいためにどの馬も褒めている。
むしろ問題点が書かれていれば、そちらにほうに注意を向けて読むことが大切だ。
本馬の問題点は2つ。
カタログの次の文面に注目する。
「現時点では骨格面に幼さを残します」「馬体以上に大きく見せる動き」
これは何を意味するのだろう?
前回はそう書いたが、測尺を見てそれは違うと思いなおした
150.0 171.0 20.1 432(左から順に体高、胸囲、管囲、体重)
1歳の6月の時期に432キロもある。
これは標準よりも大きい。
ということは、「骨格が幼い」とは、骨格が小さいという意味で、「馬体以上に大きく見せる」とは、本来の骨格のサイズから求められる数値よりも体高や体重が大きい、ということではないか。
つまり、筋肉や無駄肉がたくさんついている、ということ。
写真を見ると、確かに馬体は緩さ残している。
この馬体が骨格の成長とこれに合わせた調教を施すとともにガラリと変わってくる。
それがどう変わってくるか、非常に楽しみだ。
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