(1)1口馬主クラブの募集が本格化
社台・サンデー、G1の各サラブレッドクラブ本年度募集馬リストが公表され、今週は東西の振り分け、そして来週には価格が発表される。
1口馬主クラブの募集もこれから佳境(かきょう)に入る。
会員のみなさん、これから社台・サンデーの会員になろうと検討している方々は、クラブの募集馬名簿の血統研究に余念がないかと拝察される。
私のその一人で、すでに、本ブログで社台・サンデーサラブレッドクラブの注目クロスを持つ馬の考察も少しずつ始めている。
今年はインブリード、特にサンデーサイレンスのクロス(注)を持つ馬について思うところを書いてきた。
(注)クロス‥‥血統表の中で、祖先に同じ血(馬)を複数持つこと。
(2)サンデーサイレンスの4×3がいまやトレンド
サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬は、近親交配でも特殊な部類に入るが、こうした馬の生産者側の狙いと、出資の可否について検討を加えてきた。
こうしたなか、サンデーサイレンスの4×3のクロスを持つ馬が4月、5月にあいついで重賞競走に勝利した。
まずは牝馬G1の桜花賞を勝ったデアリングタクト。
下の表がデアリングタクトの5代血統表になる。
この馬はサンデーサイレンスの4×3のクロスを持っている。
さらにダービートライアル青葉賞を制したオーソリティ。
こちらの5代血統表を以下に掲げるが、デアリングタクトと同様にサンデーサイレンスの4×3のクロスを持つ。
いまやこのサンデーサイレンスのインブリードはトレンドになりつつある。
(3)奇跡の血量4×3とは
この4×3または3×4はいわゆる奇跡の血量と呼ばれる。
サラブレッドの血統理論には、ニックスと呼ばれるものやさまざまな配合のベストマッチの組み合わせが研究されてきている。
L.A.ラックブーとM.S.フィッツパトリックが理論化した血統理論は世界の競馬ファンや関係者の間に知れ渡っている。
2人の名前をとってフィッツラック繁殖説またはフィッツラックの18.75%理論と呼ばれる。
この理論によると、サラブレッドの父系、牝系のそれぞれ4代目と3代目(または3代目と4代目)に同一の祖先を持つ馬がレースで大きな成果を残すことが多いというもので、日本では1951年の二冠馬トキノミノルがThe Tetrarchの3×4(18.75%)を持っていたことから注目され始めた。
その後、トウショウボーイ(Hyperionの3 × 4)、テスコガビー(Nasrullahの3 × 4)、サクラユタカオー(Nasrullahの3 × 4)、エルコンドルパサー(Northern Dancerの4 × 3)、タニノギムレット(Graustarkの3×4)メイショウサムソン(Northern Dancerの 3×4)、ブエナビスタ(Nijinskyの4×3)、ヴィクトワールピサ(Haloの3×4)、オルフェーヴル(ノーザンテーストの4×3)、ロゴタイプ(Haloの4 × 3)、ワンアンドオンリー(Haloの3×4)、レイデオロ(Mr. Prospectorの3×4)などなど。
数え上げれば名馬の名前がどんどん出てくる。
この優駿たちが持つ4×3(3×4)のインブリード、18.75%の血量を「奇跡の血量」と一般には呼びならわしている。
そして、今年の社台・サンデー、G1サラブレッドクラブ募集馬の中にも、もちろん奇跡の血量を持つ馬はいる。
この馬たちの評価は、NOTEのほうで後日、書いてゆく予定だ。
https://note.com/soumanosuikoden
(4)G1サラブレッドクラブ募集馬の注目クロス馬
次回から本ブログでは、「G1サラブレッドクラブ募集馬の注目クロス馬」と題して、サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬などを中心に、奇跡の血量よりも祖先の名馬の血をより色濃く持つ馬について検討を加えていく。
さらに、個人的に注目している「ヌレイエフのクロスを持つ馬」について解説してゆきたい。
ヌレイエフのクロスは以前から、好配合として広く知られていたが、アーモンドアイがこのクロスを持つことで、俄然、脚光を浴びることとなった。
私事になるが、今年のサンデーサラブレッドクラブの2歳馬ヴァシリエフスキーに出資した理由も馬体の良さに加えてNureyevの4×5(9.38%)というクロスが決め手となった。
最近不調のG1サラブレッドクラブであるが、救世主として現れるはいるのか。
その馬は、奇跡の血量を持つのか。
それとも、それよりももっと血の濃い馬か。
はたまた、クロスを持たないアウトブリードか。
結論は急がずに、気になった馬からじっくりと見ていくことにする。
次回は、【レッドサンの2019】2020年募集馬注目クロス④G1編<第1回>です。
乞うご期待!
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