(1) Storm Bird の3×3 の強いクロスは吉か凶か
前回から引き続き、【ブリックスアンドモルタル産駒5つの疑問】というテーマで記事を書いている。
今回は2回目。
今日は、ブリックスアンドモルタルの血統をめぐる疑問について書いてみようと思う。
上の5代血統表を見ればわかるように、ブリックスアンドモルタルは Storm Bird の3×3という濃いクロスを持っている。
このような強いインブリード(近親交配)をめぐる問題については、スクリーンヒーロー産駒でずっと考えてきた。
ただ、 スクリーンヒーロー産駒 の場合は、クロスを持つ産駒の、競走馬として資質についての論評であって、ブリックスアンドモルタルは種牡馬としての能力の話になるから、少し背景が異なる。
今回は、
① Storm Bird の持つポテンシャルとそのクロスを持つことの意味
②種牡馬として3×3のクロスを持つ馬として他にどんな馬がいるか
という2つの問題に分けて考察してゆくことにする。
(2) Storm Bird はどんな馬か
初めに Storm Bird (ストームバード)の略歴から簡単に記すと。
Storm Bird
Storm Bird (ストームバード) はカナダ生まれ。アイルランドの競走馬、種牡馬。
勝ち鞍は芝の1400m以下で、短距離馬。
G1勝ちはデュハーストステークスの1勝のみで、競走馬としては、さして目立った成績ではない。
ところが、 ストームバードは 種牡馬として大成功した。
(3)ストームバード系はストームキャットを通して日本で現在進行形
主な産駒を上に掲げたが、日本ともかかわりの深い馬はスキーキャプテンになる。
この スキーキャプテン は社台サラブレッドクラブの所属だ。
朝日杯3歳ステークス(当時)2着着、きさらぎ賞(G3)を勝った後、日本のクラシックには向かわず、1995年のケンタッキーダービーに武豊の騎乗で挑戦した(14着)。
当時は スキーキャプテン のような外国産馬にはダービーなどの3歳クラシック競走は解禁されておらず、このような選択肢を採った。
スキーキャプテン の 父、ストームバードは ストームキャットを通して、世界に広がった。
日本にはストームキャットが50頭以上が輸入され、シーキングザダイヤ(ニュージーランドT(G2))が国内における代表産駒となっている。
現在、この ストームキャット 系は世界において退潮傾向にあるが、日本だけは、このストームバード⇒ストームキャットの血は主に母系を通して大隆盛し、繁栄している。
主なG1馬を数え上げてみると。
ファレノプシス、メイショウボーラー、ゴスホークケン、サンライズバッカス、エーシンフォワード、エイシンアポロン、ロードカナロア、アユサン、キズナ、ラキシス、リアルスティール、ラヴズオンリーユーなど(父系の祖父に ストームキャット を持つ馬も含む)。
ロードカナロアが種牡馬として大成功を収めたのも、母父のストームキャットの持つ高いポテンシャルの為せる技と言ってもいい。
吉田照哉氏が、下の動画は2014年にUPされたもので、ロードカナロアが種牡馬として結果を出す前のものであるが、既にこの時点で吉田氏はストームキャット に対する高い評価を期待感ともに語り、カナロアの活躍を予見している。
スキーキャプテン以来の ストームバード⇒ストームキャット に対する社台&照哉さんの熱い思いが、今回の Storm Bird ( ストームバード )の濃い血を持つブリックスアンドモルタルの導入として結実した。
「 ① Storm Bird の持つポテンシャルとそのクロスを持つことの意味 」のプラス面や裏話を中心に今回の記事は書かせてもらった。
まだ、次の疑問が残っている。
「 ②種牡馬として3×3のクロスを持つ馬として他にどんな馬がいるか 」
次回は、この血が3×3となって掛け合わされたことによるをマイナス面などの疑問点も加えて、詳しく考えてゆきたい。
👇noteブログで【サンデーのクロスで1口馬主を極める】を書いています。よろしくお願いいたします。
https://note.com/soumanosuikoden/n/n5ba64130d2b8