今回は、私が写真を見るポイントについて書いてみたいと思います。
人様に講釈できるほど、馬体の見方に精通しているわけではないので、あくまでも個人的な感想、見解と思っていただけたらと思います。
①細部(パーツ)より、全体のバランスを見る。
繋ぎや足の開きかた、曲がりなど極端な(致命的な)ケースを除いて、細かい欠点には目をつぶり、全体のバランスを大切にしています。
馬体の前後のバランス、上下のバランスです。
1歳の若駒はトモ高の馬が多く、上下のバランスについては、均衡がとれていない馬が多いですが、その点は目をつむります。
②胸(胸囲)が大きい馬を選ぶ。
胸が大きいというのは、それだけ肺活量があって心肺機能が優れている傾向にあります。
③トモが大きい馬。
ディープインパクト産駒では、トモが小さい馬が多く、それでも良好なレースパフォーマンスを挙げているので、これは絶対条件ではありません。
(トモの小さい馬をあえて選ぶことはありませんが)
①②の条件に該当する、これまでのサンデーサラブレッドクラブ募集馬では、ファントムライトを思い出します。
バランスがいい馬で、G1馬やクラシック馬の名前出すかと思ったら、何だ、ただのオープン馬かと顔をしかめる方もおられるかと思いますが、そこは、いつも感覚が少し人とずれている私のことなので、お許しください。
ファントムライト(牡馬、募集馬名マリーシャンタルの09)は父オペラハウスで、33戦6勝 [6-7-7-13]、獲得賞金1億4,406万円 (中央)。栗東は藤原英昭厩舎預託の馬でオープンまで行き、重賞成績はGⅢ中日新聞杯2着、GⅢ新潟記念3着があります。障害競走でも勝利しています。
9歳まで走り、出資者を楽しませてくれました。
私の考えでは、出資馬がオープンまで行くことが目標です。オープン入りを果たせば、もしかすると重賞を勝てるかもしれない。
GⅡ、GⅢの重賞を優勝するのは、メンバー次第で、ある程度運の要素も大きい。
だから、1口の価格にもよりますが、オープン馬を引くというのが、私の考える「当たり馬」になります。
ファントムライトはこういう意味で十分に「当たり馬」と呼んでいいかと思います。
改めて馬体写真を見てみると、バランスの良さがひときわ目につきます。
これは祖母のダイナカール譲りの血統的な背景によるところも大きいかと思います。
ファントムライトは私の出資馬ではありません。
ファントムライト(募集馬名マリーシャンタルの09)は最終人気で126票を集め、社台・サンデーの全体を通して4位でした。
(このときの1位はエボニーナイト〈メインスルーの09、父サムライハート、牡馬〉)
正直、父が地味なオペラハウスで、ここまで人気するとは意外でした。
しかし、会員はしっかり見ているのです。
人気沸騰の理由はダイナカール-エアグルーヴの一族という血統背景に加え、おそらく馬体のバランスの良さでしょう。
会員のみなさんは、本当に良い馬を見逃さないのです。
繰り返しますが、ファントムライトは障害まで行き、2歳から9歳まで8年間、競走馬生活を全うして出資者やファンを楽しませてくれました。
重賞やクラシックを勝つのも素晴らしいですが、派手な活躍をしなくても、このような馬を持ちたいものです。