(1)馬が走らなくなる理由
馬体がよくても、走らない。
素晴らしい血統の持ち主であっても結果を出さない。
故障などの原因がなくても、レースでズルズルと下がってしまう。しかもスタミナ切れではない。
このような場合、気性で説明されることが多い。
競走馬の気性難といっても、いろいろあるが、イレコミやかかり癖などといった、激しい気性をさすことが多い。
気性が悪くて、騎手の指示に従わずに、勝負ところの前に既に消耗してしまう。
あるいはパドックや輸送で力の大半を消尽して、レースに行ったらお釣りが残っていない、なんてこともある。
今回考えるのは、このようなタイプの気性難の話ではない。
新馬の2歳、3歳で勝ち進んでも、あるときパッタリと走らなくなる。
これは単にクラスが上がって、実力が伴わずに頭うちという理由もある。
でも、走らなくなるのは、それだけではない。
あれだけ強い勝ち方をしたのに、パッタリと別の馬のようになって、急に勝てなくなる。
こういうタイプはディープインパクト産駒やフランケル産駒(ソウルスターリング、ミスエルテなど)が多い。
人間でいうと、「心が折れる」という現象にあたるだろうか。
「走る気がなくなる」というやつだ。
こうなると、人間がどう手を施しても、治らない。
(2) 「走る気まんまん」の心 は 「前進気勢」
なかには新馬戦から、もう走る気がない馬がいる。
馬体や血統がよくて、故障などがなくても走らない、というのは、競走馬の「気持ち」の問題といっていい。
逆に「気持ち」が入っていれば、新馬戦から大駆けする馬もいる。
この馬の「気持ち」が入った状態、これを「前進気勢」という。
調教段階で「前進気勢」という関係者の証言があれば、勝負がかりのサインと言っていい。
【競走馬の心】はわかるか?
という標題は、私たちファンにはわからなくても、調教師などの関係者には、ある程度わかる。
「走気まんまん」を「前進気勢」の一言で表現しているので、この言葉を見逃さないことが馬券作戦で重要だ。
そこで、試みに今回は「前進気勢」のワードでググってみて、引っかかった馬がどんな馬か。
その馬のレースに行っての結果がどんなだったか、を調べてみた。
(3) 「前進気勢」の 馬を探せ
以下 は「前進気勢」「馬」のワードでググってみて 、実馬名が記載されている記事でヒットした上位から掲載した。
(Yahoo知恵袋 は除いた)
①レガレイラ(牡、父スワーヴリチャード): 7月9日( 日曜 函館芝、芝1800メートル、2歳新馬)
「馬場では前進気勢を見せて周回した。」
出典:ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a43e3b26cdb1f8aca7a6f9cbc8d989646b1a14f
②ドゥマイシング( 牡、父ドゥラメンテ ):7月9日(日曜中京、芝2000メートル、新馬)
「前進気勢が強いところがいいところ」
出典:ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/61c97d377cb823448f02158f9024a3e81162e6f3
③サンオブアマゾン(牡、父レーヴミストラル): 2022年12月28日中山6R、2歳新馬ダート1200m
「前進気勢が旺盛で、好バランスの馬体から繰り出すフットワークは上質。」
出典:UMATOKU
https://umatoku.hochi.co.jp/articles/20221228-OHT1T51034.html
結果;12着
④サトノフェニックス(牡、父ヘニーヒューズ):2023年6月17日阪神5R、2歳新馬 ダート1200m
「【今日の注目新馬】阪神5R サトノフェニックスは発馬が速く前進気勢も旺盛」
出典:サンスポ
https://www.sanspo.com/race/article/general/20230617-6HFM6ZFRHFKEXH6TRX75K7VFOQ/
結果; 1着
⑤トゥジュール( 牡、父 リアルスティール):2歳新馬(牧場で育成中、広尾)
「稲村場長のコメント 「前進気勢が出始め、走りの感触は良化傾向にありますので、来週ぐらいから15-15を取り入れていこうかと思っています。」
出典:「とりあえず一口馬主の楽しいこと」
https://blog.goo.ne.jp/mazumatic/e/33d371a2fed1d339a9f5da862d5b8c6d
⑥ローズソーンス(牝、父ラブリーデイ) :2歳新馬(牧場で育成中、大樹)
「最近は特に元気が出てきて、本場のウッドチップコースでの調教でも強い前進気勢を見せてくれています。」
出典; 大樹 レーシングクラブホームページ
http://www.taiki-rc.com/recruitment_recent.php?sid=4797e80cc28350450cd7474f8f6adbc6&id=20211010
⑦ライトクオンタム (牝、父ディープインパクト) : 2023年5月21日東京10R、優駿牝馬(G1)
「【オークス】”田辺スロー”を許さない展開と馬自身の前進気勢ライトクオンタム|逃げ馬レビュー2023年」
出典:以下
結果; 17着
(4)検証結果
8件中、既に結果が出ている馬は3件。
サンオブアマゾン ⇒12着
サトノフェニックス ⇒1着
ライトクオンタム ⇒17着
馬券にからんだの は 3分の1だ。
「前進気勢」とあるから、直ちに勝負気配濃厚とするのは早計かもしれない。
ただ、この 「前進気勢」 の表現が、調教師などの関係者からの発言か、競馬記者やブログなどの筆者による主観から出たものかは吟味する必要がある。
今週末にデビューする2頭( レガレイラ 、 ドゥマイシング ) に 「前進気勢」 が出た。
レースに注目したい。
この2頭が馬券にからむようなら、 「前進気勢」 は 注目すべきパワーワードになるかもしれない。
サンデーのクロスで1口馬主を極める|【1口馬主講座】トンボのめがね (note.com)
https://note.com/soumanosuikoden/n/n5ba64130d2b8
【第二のソールオリエンス&ソウルスターリング】発掘プロジェクト|【1口馬主講座】トンボのめがね (note.com)
https://note.com/soumanosuikoden/n/n8577c060f110