今回は卑近な例で恐縮ですが、じゃんけんの勝負について考えてみたいと思います。
学校の数学の時間では、じゃんけんはグー、チョキ、パーで、二人で勝負するときは、自分の出すじゃんけんの種類の確率は三分の一と習います。
でも、これは違う、というのが今回のテーマです。
じゃんけんの確率は三分の一ではなく、二分の一と考える。
これが勝負師の理論です。
どういうことか。
つまり、相手の出すものが前回相手が出したものと同じものか、違うものか、その判断を第一に置く、という考え方です。
たとえば、次の例
じゃんけん一回目 自分✊(ぐー) 相手 自分✊(ぐー) 結果:引き分け
だとしましょう。
この場合、相手が次に出すものが
同じなら✊(ぐー)
変えてくるなら ✋(ぱー) or ✌(ちょき)
のどちらかを読むのです。
この場合、相手の性格や無意識の癖で、同じものを続けて出す人間か、変えてくる人間か、傾向が表れてくるはずです。
確率論では、同じなら三分の一で、変えてくるなら 三分の二であって、
二分の一ではないと反論するでしょうが、まあこの先をお読みください。
①もし相手が同じものを続けて出す人間であれば、
一回目が相手が✊(ぐー)ならば、二回目も続けて✊(ぐー)を出してくると読み、自分は✋(ぱー)を出す。
②もし相手が違うものを出す人間であれば、
1)二回目に相手が✋(ぱー)を出せば、自分は✌(ちょき)を出す。
2)二回目に相手が ✌(ちょき)を出せば、自分は✊(ぐー) を出す。
3)ここで、大事なことは、相手が✋(ぱー)を出すか、✌(ちょき)を出すか
を無理に読まない、ということです。ここでは、二回目に自分は
✌(ちょき)を出すのが正解です。
つまり、相手が✋(ぱー)なら、自分の勝ち。
相手が ✌(ちょき)なら、引き分けで、もう一度チャンスがある。
つまり、負けないことが勝負では重要なのです。
以上、整理すると、一回目に自分が(ぐー)がで相手も✊(ぐー)で引き分けなら、二回目に出す選択肢は、相手が同じものを続けて出すと読めば、自分は✋(ぱー)を出す。相手が変えてくると読めば、自分は✌(ちょき)を出す。
このような判断を下すこと。
それでは、一回勝負のじゃんけんで、相手が同じものを続けて出すか、変えてくるかわからないときにはどうするか。この理論は無効になる、という反論が必ずきます。でも、心配には及びません。
じゃんけんでは、「最初は✊(ぐー)。じゃんけんぽん。」という掛け声から始まりますよね。この最初は✊(ぐー)、が相手の一回目の出し手とみなすのです。そこから、推理してゆけばよいのです。
おそらく、、「最初は✊(ぐー)。じゃんけんぽん。」を考えた人は、私と同じように、初期情報をあえて設定させて、相手を誘導するために、このような掛け声を仕掛けとして発明したのでしょう。
ともあれ、じゃんけんで、✊(ぐー)、 ✌(ちょき)、✋(ぱー)の3通りのうちから何を出すか、という三分の一を選ぶ思考法より、さきほど書いたように、最初は✊(ぐー)から、自分は✋(ぱー)か✌(ちょき)のどちらかを出す二分の一を選ぶ思考法のほうが、選択肢を有効に減らすことができ、
はるかにシンプルさを増す、という利点があります。
ただし、同じじゃんけん勝負でもコンピュータの乱数表を相手では、この考え方は通用しません。あくまでも、人間が相手だから、同じものを出すか、変えてくるか、という癖や傾向を持っているから、人間特有の偏差につけこんだ勝負法だから、成り立つものなのです。
↓ランキングをクリックしていただければ幸いです。
にほんブログ村