(1)出目買いは流行らない
私は父親から競馬を教わった。
当時の馬券は単勝、複勝、枠連の3種類だけで、いまのように馬連、3連複、3連単、ワイドやWIN5などはなかった。
倍率が高くつくのは枠連で、父は枠連をちょこちょこ買って楽しんでいた。
父の会話の中で、「出目」という言葉をよく耳にした。
「今日は1の目が強い」などというとき、枠連の当たり馬券で1枠がよくからむことを言う。
それで、メインは1枠中心でいったり、ヒモに1枠をからめたりするということをした。
それで案外、人気薄の穴馬券をゲットできた、なんてこともあった。
近年は馬連中心の馬券が主流となって、出目を言う人は少なくなった。
(2)出目買い馬券術を探す
ヤフー知恵袋を見ていたら、「馬券の買い方をアドバイスしてください」という質問の回答で、出目買いを推奨する書き込みがあった。
それは以下の方法だ。
その日の1レースの枠連の数字がメインにからむことが多い。そこで、1レースの数字を大切にしてメインを予想すること。
何か聞いたことがある馬券戦術だ。
確率で計算すると、8通りのうち1つの数字が出る確率は1/8で、数字が2つだから、
1/8+1/8=1/4だ。
この方法だと、4回に1回的中する計算になる。
4回に1回当たるというのは、逆に言うと4回に3回は外れることになる。
でも、その1回が穴馬券であれば、ハズレ分の馬券代を回収して余りある計算になる。
ただ、本命が来てしまえば、トリガミの可能性もあり、なんとも微妙な戦術だ。
(3)【検証】出目買いが儲かるか
それでは、この出目買いを実践して儲かるかを検証してみたい。
方法は以下の買い方で買うものとする。
(1)たとえば東京競馬であれば、東京の1レースの枠連で出た2つの数字をからめた全通りの枠連馬券を東京のメイン(11レース)で100円ずつ買う。
例①:東京1レースの結果;枠連7-8の場合
→東京11レースの買い目:
1-7、2-7、3-7、4-7、5-7、6-7、7-7、7-8、1-8、2-8、
3-8、4-8、5-8、6-8、8-8
枠連で上記馬券を各100円ずつで合計1500円を購入する。
例②:東京1レースの結果;枠連3-3の場合
→東京11レースの買い目:
1-3、2-3、3-3、3-4、3-5、3-6、3-7、3-8
枠連で上記馬券を各100円ずつで合計800円を購入する。
例③:東京1レースの結果;枠連5-6でしかも東京11レースでは8頭立てで、枠連発売がない場合
→東京11レースの買い目:
1-5、2-5、3-5、4-5、5-6、5-7、5-8、1-6、2-6、3-6、4-6、6-7、6-8
馬連で上記馬券を各100円ずつで合計1300円を購入する。
例④:東京1レースの結果;枠連1-1でしかも東京11レースでは8頭立てで、枠連発売がない場合
→東京11レースの買い目:
1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8
馬連で上記馬券を各100円ずつで合計700円を購入する。
(4)2020年1回東京(2月1日~23日)で検証
結果をまとめたのが上の表。
確率論でいうと、この方法で馬券が的中する確率は1/4。
1回東京が8日間だから、メインの11レースを1日1回、都合8回馬券を買うことになるから、2回は的中する計算になる。
それが3回的中しているから、回数でいうとまずまず、1レースと11レースの枠連が連動するという仮説は、オカルトだけれど、面白いっちゃ面白い。
でも、いざこの方法で馬券を買ってみると、トータルで7,790円のマイナスじゃあ、どうしようもない。
的中馬券の内訳を見てみると以下の通り。
根岸ステークス(3番人気)とクイーンカップ(2番人気)はいずれも本命サイドの決着となったから、枠連でも流しで買って的中してもトリガミとなった。しかし、共同通信杯では大本命のマイラプソディが4着に沈み、2番人気のフィリオアレグロが3着に敗れ、3番人気のダーリントンホールと4番人気のビターエンダーという決着となったから9頭立ての小頭数の割には(小頭数だから)枠連が2550円(馬連は2580円)の中穴配当となった。
この共同通信杯に限り、出目馬券のパワーが炸裂したレースであると言っていい。
(5)2020年2回京都(2月1日~23日)で検証
2月の東京では出目馬券は1万円近い損失となったが、気を取り直して、同じ時期の2回京都競馬で検証してみた。
こちらも的中回数8回中3回で、1/4の確率を上回っている。ただし、収支は560円のマイナス。
やはり競馬は当たっても25%を国に取られてしまから、収支でプラスを出すのはなかなか難しい。
この当たり馬券3回のうち、一番のホームランが2月9日の京都1レースG3きさらぎ賞だ。
結果は以下の通り。
この日、京都の1レースは枠連1-1で決着した。
フルゲートにならなければ枠連1-1はない。
そもそも枠連1-1の目は珍しい。
ゾロ目で来たので、1の目は相当強いという判断でこの日の京都メインのきさらぎ賞を1から厚く勝負した馬券師の手元には大金がころがりこんでくる結果となった。
なにしろ、きさらぎ賞では断トツの1番人気となった8番アルジャンナは3着に敗れ、2番人気のグランレイは8着のシンガリとなった。
勝ったコルテジアは8頭立ての7番人気、2着のストーンリッジは4番人気という人気薄どうしのワンツーで、馬連1-7は7350円もつけた大波乱となった。
東京の共同通信杯でも言えることだが、小頭数では特定の馬に人気が過剰に集中するケースが多い。
特に成長途上の3歳は成績が不安定で、勝負付がまだ済んでいない時期でもある。
なおかつ、少頭数ではレースの流れや展開が極端になりやすく、荒れることが多々ある。
そんなときに、穴馬を選定する基準として1レースでの出目は強力な武器となる。
さあ、出目馬券戦術が勢いをつけてきたところで、最後は2月の小倉で検証してしめくくることにしたい。
(6)2020年1回小倉(2月1日~23日)で検証
8回のうち的中は1回。1/4の確率を下回っている。
収支も3420円のマイナス。
ただし、2月23日の小倉大賞典は見事に穴馬券をゲットした。
1着:4番人気カデナ、2着10番人気ドゥオーモはまともに予想しても馬券は取れないだろう。
1レースの2の目を大切にすれば、カデナの軸を中心に、広く馬券を抑えればこの大穴馬券をものにすることができる。
この馬券を取れたおかげで、2月の小倉開催は的中が1つでも収支をマイナス3420円にとどめることができた。
(7)まとめ・1R→メイン連動出目馬券は使えるか
まとめに入る。
1R→メイン連動出目馬券は東京・京都・小倉3場で検証していずれも収支はマイナス。
3場で合計すると1万1,770円の赤字となる。
これはもとより馬券を出目から総流しで買うという前提に問題があった。
そして、レースによっては大穴や中穴馬券をゲットして、出目の威力を炸裂させた。
だから、やり方によっては一定の効力を持つかもしれない。
そこで、「1R→メイン連動出目馬券」戦術の効果的な応用方法を提起して本稿をしめくくることにしたい。
①レースを重賞に絞る。3歳重賞で小頭数であれば効果的。
②買い目を絞る。出目の総流しではなく、自分の予想に出目を加味する。
③長期的にこの方法で買えば、的中がゼロということはない。ある程度当たるので、自分で予想しても当たらないからつまらない、という人にはお勧め。宝くじを買うような感覚で1日1レース、あるいは開催競馬場のメインの2~3レースの枠連を100円ずつ買って楽しむというスタンスはありだろう。ときに穴馬券を的中することもある。儲けたいなら、この方法で買い続けてトータルで利益が出た段階で止める。ただし、この方法で長く機械的に買い続ければ、確実に損をする。だから、自分なりのアレンジが必要。
ということで、出目買いをみなさん、試してみますか?
もしこの方法で買って大穴をゲットしたという方がおられれば、ぜひコメント欄でご一報ください。
それでは、みなさんの馬券の成功をお祈りします。
追記。
第2章「出目買い馬券術を探す」の計算方法が間違っていました。お詫びします。
自分の馬鹿さ加減を晒すために、本ブログ記事の計算方法はあえて訂正しません。
正しくは、以下の「相馬の梁山泊」の記事を参照ください。
「【自分のアフォさ加減にウンザリする】今日も出目馬券は的中したけど。。。」
https://ameblo.jp/aromacandle777/entry-12580654624.html
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