ブルードメアサイアーがキングカメハメハの馬を1頭ずつ検討しています。
今年はスクリーンヒーロー産駒が大挙6頭も募集にかけられています。
サンデー2頭、社台4頭です。
この6頭のデータを表にして比較しました。
(1)スクリーンヒーロー産駒の基本データ
今年、社台でスクリーンヒーロー産駒が多い背景は、前回の対談で書いた通り。http://soumaryouzanpaku.net/2019/06/07/post-4179/
「【裏事情を読み解く】対談/社台・サンデー募集馬にスクリーンヒーロー産駒が多いわけ。 」
サブトゥエンティの18が1口80万円と社台の高額2頭より安めに設定されているのは、繁殖牝馬の母系の評価値ということになるのだろう。
初仔が4頭と多い。初仔はどうせ走らないから、スクリーンヒーローにでもつけておけ、と言ってこうなった。
そう考えるのは穿ち過ぎだろうか。
初仔は小さく出ることが多いので、馬体が気になる。
次に6頭の測尺を表で比較した。
今回取り上げたサブトゥエンティの18が最も馬体重が小さい。
2月の早生まれでこの数字は厳しい。
仮にデビューまでプラス50キロ体重が増えたとしても421キロ。
これは牝馬で小さい部類に属する。
サブトゥエンティの18に早くも黄色ランプが点灯した。
(2)クラブで募集されているスクリーンヒーロー産駒の馬体写真を比べる
こうして6頭を並べてみると、馬体からスクリーンヒーロー産駒の特徴を何となくつかめる。
横に長細く、肩が寝ている馬が多い。これは中距離~長距離馬の特徴だ。
産駒の芝コースでの平均勝ち距離は1,741.3mとマイルよりも長い。
このデータは産駒の体型から頷ける。
ただ、サブトゥエンティの18がだけがコンパクトな造りで他の馬より胴や首が短く、短距離~マイル適性馬の特徴が強く出ている。
(3)サブトゥエンティの18の血統評価
5代血統表を見ると、クロスが多過ぎるのがやや不安。クロス強いと体質が弱くなったり、気性に問題が出てきたりする。
祖母がライラプス。
ライラプスはデイリー杯クイーンC(G3)の重賞を勝った優秀な牝馬だったが、子どもからは母に匹敵する活躍馬を出していない。
4勝して準オープンにまで行ったプロクリス (牝馬、 2011年生まれ、 父キングカメハメハ) が最高成績だ。
サブトゥエンティの18の母は13戦2勝 [2-0-1-10]。デビュー戦の芝2000mと最後のレースとなった500万下ダート1800mを勝っただけ。
スクリーンヒーローのキングカメハメハなどのキングマンボ系繁殖牝馬との相性がわからない。
調べても、スクリーンヒーロー産駒の獲得賞金ランキング上位にはない。
ランキングのベスト3の産駒のブルードメアサイアーを書きだすと、ゴールドアクター(キョウワアリシバ)、モーリス(カーネギー)、 グァンチャーレ(ディアブロ)といったように、スクリーンヒーローは傍流のマイナー種牡馬との相性がいい。
その他、ウインオスカー(エイシンサンディ)、トラスト(エイシンサンディ)の2頭に代表されるように、エイシンサンディと相性がいい。
エイシンサンディは未出走のサンデーサイレンス産駒で、種付け頭数もそれほど多くない。
サンデーサイレンスの子どもの繁殖牝馬ではなく、エイシンサンディの子どもの繁殖牝馬との間で活躍馬を出す。
モーリスの母父がカーネギーで衝撃だったが、ことほどさようにスクリーンヒーローは種牡馬として牝馬との相性が掴みずらい特徴を持っている。
オーソドックスなキングカメハメハとの適性は如何に。
(4)サブトゥエンティの18・最終判断
もうすでにいろいろ書いてきたように、たとえ母父キングカメハメハ産駒だからと言って、みんながみんな走るわけではない。
この馬は馬体重に課題があり、スクリーンヒーロー産駒でありながら、その特徴はあまり見いだせない。
ちなみにHBAトレーニングセール2013 に上場されたときのモーリス(メジロフランシスの11)の写真を以下に貼らせてもらいます。
これは3歳時の写真で、1歳のクラブ募集馬と比較するすべはないですが、これが走るスクリーンヒーロー産駒の馬体です。
この馬体と比較するのは酷ですが、サブトゥエンティの18に過大な期待をかけるのは慎まなければいけないと思います。
私はサブトゥエンティの18を出資候補としていません。ついに赤ランプ点灯。
(5)スクリーンヒーロー産駒の評価①スウィートハースの18
スウィートハースの18とマルバイユの18の2頭だけ書かせてもらいます。
まずはスウィートハースの18はから。
スウィートハース産駒は初仔のメモリーオブハース (牝馬、2012年生まれ、父ディープインパクト)がG1サラブレッドクラブで募集されてから、ずっと注目していました。
2番仔のイフリート(牡馬、2013年生まれ、父ダイワメジャー)がサンデーサラブレッドクラブで募集されたときも私の候補の1頭でした。
でも出資に踏み切れませんでした。
母父のTouch Gold (タッチゴールド)にあまりいい印象を持っていなかったからです。
タッチゴールドは日本での代表産駒にフェラーリピサ(兵庫CS(G2) 優勝)がいますが、ブルードメアサイアーに入ると成績が芳しくなく、獲得賞金1億円越えの馬がいません。
イフリートは結局、中央未勝利で地方に転出し、あちらでも勝ち星がなく引退しました。
スウィートハース産駒でいまのところ最も活躍しているのがアドラメレク (牡馬、 2014 年生まれ、父ディープインパクト) で、4勝していますがいずれもダートです。
スクリーンヒーロー産駒の勝ち星は芝80勝、ダート60勝(6月2日現在)ということで、ダートも問題ない。
スウィートハースの18が活躍するとしたらダートが舞台でしょう。
(6)スクリーンヒーロー産駒の評価②マルバイユの18
マルバイユの18は母が18歳のときの仔で、母高齢は割引材料かな。
上にマルセリーナ (牝馬、2008年生まれ、父ディープインパクト) 桜花賞(G1)、優勝)、 グランデッツァ(牡馬、2009年生まれ、スプリングS(G2)) という大物2頭を出して、もうお釣りは残っていないかな。
出資馬フェデラリストがダンスパートナーの15歳のときの子どもであったので、その経験則から、出資するなら繁殖牝馬は15歳までと決めている。
だから、個人的にはマルバイユの18は見送りだ。
馬体は薄くて幼い。けれど5月の遅生まれなので伸びしろはある。
横に長くて肩が寝ているというスクリーンヒーロー産駒の特徴を一番強く受け継いでいるのがこの馬だ。
この特徴はジェネラーレウーノとも共通する。
母馬の年齢に目をつむってマルバイユの18に夢を託したいという会員には、次の言葉を贈ります。
目指せ、ジェネラーレウーノ!
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