(1)皐月賞大敗からダービーで巻き返した馬
今週の日曜日5月26日、いよいよ日本ダービー。
競走馬にとって一生に一度の祭典を迎える。
社台・サンデーサラブレッドクラブからはサンデーのシュヴァルツリーゼ1頭が出走予定。
なんとも寂しい限りだ。
今年はこのシュヴァルツリーゼを全力で応援する。
前走の皐月賞は12着。
負けすぎだ。
そんな声もあるだろう。
しかし、皐月賞で5着以下に敗退した馬がダービーを勝つケースは去年のワグネリアン(皐月賞7着)のほかにも過去20年で合計3頭がみられる。
ほかには2009年のロジユニヴァース(皐月賞14着)、1999年アドマイヤベガ(皐月賞6着)。
20年で3頭をどう見るかだが、決して無理なことではない。
(2)シュヴァルツリーゼ皐月賞は不利があった
皐月賞では大きな不利があった。
レースのリプレイを見ると、この馬はインに閉じ込められて壁になり、スペースをまったく取れずに、無抵抗のままゴールに流れこんだ。
ぜんぜん競馬をしていない。
だから、皐月賞は参考にならない。
(3)シュヴァルツリーゼは中山コースが苦手
敗因はもうひとつ。
最後の勝負どころのコーナーで各馬が一気に仕掛けて加速する。
この馬は仕掛けても反応が鈍かった。
特に府中に比べて直線が短い中山コースでは、あそこの4コーナーで一気にギアチェンジの加速力を発揮できる馬が皐月賞を勝つ。
2009年の優勝馬アンライバルドのようなレースが理想だ。
シュヴァルツリーゼは皐月賞トライアルの弥生賞では、アンライバルドと同じような位置から仕掛けたが、外に寄れて加速力がつかずに、万事休す。
そう思われたが、直線で猛然と伸びてきて2着に突っ込んだ。
あの弥生賞は重馬場だったから、最後の直線では各馬とも脚があがって、シュヴァルツリーゼはなんとか皐月賞優先出走権を確保することができた。
つまり、中山コースはコーナーが府中に比べてきつく、加速しつつ、うまく回れる要領のよさが必要だ。
中山はシュヴァルツリーゼには向かない。
(4)直線の長い府中でシュヴァルツリーゼが逆転
ここまでシュヴァルツリーゼを持ち上げるようで、何だか逆のことを書いているような感じになってしまった。
言いたいことは、2つ。
まず、この馬は不器用で、うまく立ち回ることが要求される中山向きではないこと。
次に、弥生賞では騎手が下手こいて、それでも馬の力で2着にきたこと。
この2点を確認したい。
ということは、府中の長い直線でダービーではこの馬の持ち味が生きる。
シュヴァルツリーゼは府中の新馬戦1800mを追い込んで勝った。
跳びが大きいので、加速するまでに時間はかかるが、いったんエンジンがかかると抜群の伸び脚を見せる。
この馬の脚質は中山よりも府中向きだ。
(5)石橋修騎手の手腕に期待
騎手の石橋修だが、5月12日のプリンシパルステークスではザダルに騎乗し、直線、馬の間を割って伸びてきてダービーのチケットを獲得した。
前日(5月11日)の東京1レースでは石橋騎手は1番人気のレディグレイに騎乗するも直線で弾かれて2着に沈んだ。
その失態を見事に挽回した。
アメリカジョッキーCでシャケトラを復活に導き、円熟味を増してきた石橋騎手に託したい。
これでマイナス材料はリカバーできた。
(6)シュヴァルツリーゼ好走の条件
好走の条件は枠順だ。
ダービーでは願わくは外枠を希望する。
シュヴァルツリーゼは外差しを得意とするので、7枠8枠の外枠を引き当てればダービーの表彰台にさらに近づくだろう。
さらに当日、馬場が悪化すれば、弥生賞の再現もあるだろう。
あとは状態だ。
シュヴァルツリーゼの今後の調教過程を注視したい。
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