ムーンオブバローダの一族の歴史、悲喜こもごも。

3 月3日(日)

【社台】


<牡馬>ムーンオブバローダ、父スクリーンヒーロー、栗東 ・高橋亮厩舎
阪神6レース(ダート1800m)藤岡佑介騎乗


社台・サンデーの馬が新馬のデビューを迎えるということで、母馬やきょうだい馬を調べてみると、ここ十年内外の1口馬主クラブの思い出が幻灯のように去来する。

ムーンオブバローダの母馬テイラーバートンは思い出深い馬で、記憶にしっかりと刻まれている。

改めて戦績を調べてみると、3歳牝馬クラシックに出走したわけではない。重賞レースを勝ったこともない。

3歳春の重賞レースGⅢデイリー杯クイーンカップとGⅢ フェアリーステークスで2番人気、1番人気に押されながら3着に敗れている。

高い素質を持ち、期待されながら結果を出せなかったことで、逆の強い印象が残っている。このテイラーバートンの全兄はタスカータソルテ (牡馬、 2004年生まれ、ジャングルポケット) でGⅡ京都新聞杯、GⅡ札幌記念、GⅢ中京記念など3つの重賞を制した社台サラブレッドクラブ募集馬だ。

馬名のタスカータソルテとは、イタリア語で「ポケット一杯の幸せ」という意味で、父ジャングルポケットからの連想だろうが、語感といい意味といい命名者のセンスがあふれている。そして、この馬はポケット一杯どころか、ポケットからこぼれ落ちるばかりの幸せを出資者にもたらした。

ところが、あろうことかこの馬は金鯱賞出走後、予後不良となり天に召されてしまった。歓喜と悲痛の両極端のドラマを持った兄のあとに続けて同じ社台サラブレッドクラブから募集されたのがテイラーバートンだった。

この馬の命名由来は、母のブリリアントカットからの連想で、リチャード・バートンがエリザベス・テイラーに贈った世界的に有名なダイヤモンドだそうだ。こちらも命名者の博識とセンスに唸る。

すいません。今回は本題のムーンオブバローダに話がなかな及ばないで、母馬やおじ、おばの話題に終始してしまいました。

何を言いたいかというと、1口馬主のクラブ馬は1頭の馬が生まれる以前に、この馬の一族の歴史があり、こうした馬たちに関わった多くの人の思いが詰まっている。

だから、ムーンオブバローダが無事にデビューを迎えるということは、このような思い出を喚起させる幻灯機のスイッチを入れるということだ。

最後にクラブホームページのコメントを引用して締めくくりたい。


本日2月27日(水)はCWコースで追い切りを行い、まずまずの動きをみせていました。なお、先週の調教に騎乗した藤岡佑騎手は「いいフットワークをしており動きそうですが、砂を被るとかなり嫌がっていたので、実戦でそのあたりがどうでるかでしょう」と話していました。砂を被らないポジションでスムーズな競馬ができるかどうかが、カギを握りそうです。

ブログ主の成績はYouTube、「獲得賞金8千万円‗1口馬主、全成績を丸裸にする」をご参照ください。

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