【最終結論】衝撃の結果が モーリス産駒は結局走るのか?

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(1)モーリス産駒絶賛は控えたい

これまでサンデーサラブレッドクラブで2019年に募集されたモーリス産駒9頭をクラブホームページの写真・調教動画・コメントをもとに解説し、私見を加えてきた。

アドマイヤセプターの18(牡馬)

ブエナビスタの18(牡馬)

アロマティコの2018(牡馬)

インナーアージの2018(牝馬)

マジックタイムの2018(牡馬)

ラルナデミエルの2018(牝馬)

モルガナイトの2018(牝馬)

ドナウブルーの2018(牝馬)

ジェンティルドンナの2018(牝馬)

以上牡馬4頭、牝馬5頭の合計9頭だ。

200頭近く生まれたモーリス産駒のなかのわずか9頭でモーリス産駒全体の傾向もへったくれもないことは重々承知の上だ。

しかも、社台サラブレッドクラブ募集馬は今回検討していない。さらに、当たり馬はシルクやキャロットで募集された馬から出てくる蓋然性が高いのに、そちらの検討も加えていない。

こうした限界があるなかで、断定的なことを書くのはほとんど暴挙に近いことも承知している。

そのうえで、「結局モーリス産駒は走るのか」という問題のとりあえずの私論を書かせてもらいたい。

結論めいたことを初めに書くなら、これまで掲示板などで見られたモーリス絶賛論は出資者のバイアスがかかっていることと、初年度産駒ということもあって生産者側のリップサービスもあり、やや誇張気味に伝えられているという感想を持った。

真剣に検討したのはわずか9頭だが、モーリス産駒に見られる課題や特徴がぼんやりと見えてきた。

これを次章以下で順次解説していきたい。

(2)サンデーサラブレッドクラブ募集モーリス産駒を見ての感想

まず長所から。

胸前が発達していてパワー型の馬が見られる。

特にアドマイヤセプターの2018やアロマティコの2018が顕著だ。

そして一部の例外はあるが、総じて馬体が大きく出ている。

これはモーリス自身が現役時代にはおおむね500キロ台でレースを走っていた大型馬であるという特徴をそのまま受け継ぐものだ。

大型馬なので仕上げるのに時間がかかる。産駒はおおむね晩成型と判断した。

モーリス自身も2歳10月にデビュー戦を勝利して年内に2勝したが、3歳クラシックには間に合わず、本格化したのは古馬になってからという事実とこれは符合する。

また、モーリスの父のスクリーンヒーローもG2アルゼンチン共和国杯とG1ジャパンカップを連勝したのは4歳の古馬になってからということを合わせて考えると、モーリス産駒は春のクラシックで勝ち負けするようなイメージがわかない。

これは競馬ライター村本浩平の以下の見解と一致するところでもある。

緩さが解消された古馬となってからが、モーリスの真骨頂だったと思います。産駒もしっかりとしてくるまでは時間を要することになるかもしれません。

「JRA-VAN  セレクトセール2018新種牡馬」より引用

https://jra-van.jp/fun/seri/2018/select_sinsyuboba2018.html

活躍するのは3歳秋以降、牝馬は秋華賞から、牡馬は血統的に菊花賞は難しいから、やはり年明けの4歳になってから。

しっかり、がっちりした馬体はダート適性を示していると考える。

将来ダート重賞をにぎわし、ダートG1を勝つ馬も現れるだろう。

もちろんモーリス自身がそうであったように芝の重賞で勝つ馬も出現するだろう。

(3)モーリスとドゥラメンテは社台グループの次世代を担う双璧

「モーリスとドゥラメンテは社台グループの次世代を担う双璧」と書いたが、厳密には新たに米国から購入したブリックスアンドモルタルも合わせれば、三銃士とでもいったところか。

それはモーリスとドゥラメンテに対するグループの期待は両馬の種付け頭数を見れば明らかだろう。

年度 モーリス ドゥラメンテ
2019年 212頭 184頭
2018年 245頭 290頭
2017年 265頭 284頭

ドゥラメンテの種付けが2019年に激減したのに対して、モーリスは約20%減に留まる。

ドゥラメンテ産駒に何があったのか、というのが非常に気になることだが、これは次回に書かせてもらうテーマとして取っておくことにする。

この表から何が読み取れるか?

生産者の期待はドゥラメンテよりもモーリスにあるのか?

ここまで書いてきて、賢明な読者は「ドゥラメンテはサンデーサイレンスの血が濃いのでサンデー隆盛の繁殖牝馬につけずらい。モーリスとの差の原因はそこだろう」と反論するだろう。

こうした反論に対する答えなどは明日、さらに緻密なデータを作成してこのブログにて考えてみることにする。

(4)モーリス産駒を狙うなら2021年以降

モーリス産駒が晩成傾向にあるなら、次のような人気の推移をたどるだろう。

2020年初年度産駒がデビュー:勝ちみに遅く、評価下落

2021年春のクラシックでも活躍馬があまり現れず、評価はさらに下落

そうすると、2021年6月の募集時期にはモーリス産駒は多くクラブに回ってくるであろうが、人気が落ち着くことが予測される。

実績が少ない会員はこの2021年、つまり来年がねらい目だ。

モーリス産駒については、クラシックを意識せず、古馬になってからの活躍でもかまわないという会員にはお勧めする。

人気がやや落ちても、価格が下がることはないだろう。

1口馬主の価格は前年のセレクトセールの結果に反映される。

2021年のセールでモーリス産駒の価格が下落し、売れ残るようなことがあれば、2022年の1口馬主に多少影響する可能性は排除できない。

モーリス産駒に出資を検討しているみなさん。

個人的にはお勧めです。

がっちりとした体躯で繋ぎにも問題はなさそうなので、故障にも強く、牡馬なら長く楽しめそう。

本格化するのは遅れそうだが、必ずや種牡馬リーディングの上位にくる活躍をするものと確信している。

リーズナブルな価格の活躍馬が現れるだろう。

(200頭以上につけているので、当然か)

以上、長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

モーリス産駒に出資されているすべての出資者に幸多かれと祈念いたします。

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