【フィエールマン産駒/サンデー’23募集①】実験的な募集馬たち

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(1)フィエールマン産駒のラインナップは個性派揃い

今年募集にかけられる新種牡馬のうち、ブリックスアンドモルタルについては、さんざん書いてきた。

読者の皆様は少々、食傷気味になられているのでは、と拝察します。

そこで、今回は趣向を変えて、フィエールマン産駒について思うところを書いてみたいと思います。

タイトルにも書いたけれど、今年のフィエールマン産駒のクラブ募集馬は3頭しかいないが、どの馬も個性は揃いでひと癖もふた癖もありそうなメンバーのようです。

これが私の第一印象。

母系がアルゼンチン系の馬( 「ミスセレンディピティの22」 )や王道の母父キンカメ=「ゴールドエッセンスの22」、そして何やら怪しげなクロスを持つ馬( 「アッラサルーテの22(牡)」 )など、これらの馬の未来を考えるだけで楽しみは尽きず、興味津々となる顔ぶれだ。

(2)フィエールマン産駒2つの懸念

父のフィエールマンについて、いくつか懸念材料がある。

菊花賞を勝ったので、自身はステイヤーであることは疑いない。

産駒もステイヤーではないか、という懸念は後でゆっくりと考えることにする。

その前に、考えておかなければならないことは、フィエールマンの体質の弱さである。

フィエールマン は現役時代の2歳の夏に一頓挫あった。

クラブホームページのコメント欄から引用すると。

「前腕、肩に疲れがたまる」(2歳7月)


「右前脚の歩様に乱れがみられました。すぐに牧場の獣医師にみせたところ、深管に炎症がみられることから、しばらくは騎乗運動をお休みすることになりました。」(2歳7月)

大事をとってしばらく休ませて、調整が遅れて、結局デビューしたのは3歳の1月の新馬戦(東京芝1800m)。

このレースを快勝して4月の山藤賞(中山芝1800m)のの特別を勝つも、3歳春のクラシックには間に合わなかった。

秋の菊花賞優勝後は、明けて4歳春の天皇賞、5歳春の天皇賞と連覇するが、照準を定めた目標レースを勝つものの、ステップレースを思うように勝つことはできなかった。

デビュー以来、レース間隔は3か月程度空けなければならず、このようなローテーションを見ても、体質の弱さを読み取れる。

フィエールマンぐらい活躍すれば、 3か月 ぐらい空けてもいいのでは、と思う向きもあるが、産駒が未勝利だと、出走するレース数が少なくなり、勝ち上がるチャンスは遠のくという懸念がある。

ここまで書いてきて何を言いたいかというと、 フィエールマン の体質の弱さを産駒が受け継ぐのではないか。

これが第一の懸念。

第二の懸念が、先ほど書いたこと。

産駒がステイヤータイプに出るとすると、勝ち上がるのに苦労するのでは?

3歳未勝利戦が終了してゲームオーバーになるのでは?

そういう懸念になる。

これは、フィエールマンの戦績からも十分に予想されることだ。

以下、2つの懸念について丁寧に考えてゆく。

(3)産駒の体質について

産駒の体質、こればかりは、蓋を開けて見なければわからない。

ただ、牧場ツアーに行かれる方は、実際にご自分の眼で確かめることもできるかもしれない。

しかし、私はツアーに行かないから、現時点では血統表から判断するほかない。

私が生産者なら、こうしたフィエールマンの体質の弱さを考えて、あまり強いインブリードをかけない配合を試みる。

事実、「ミスセレンディピティの22」や「ゴールドエッセンスの22」には、クロスはあっても、それほど心配するようなインブリードではない。

しかし、「アッラサルーテの22(牡)」を見て、驚いた。

サンデーサイレンスの3×3の強い近親交配。

やっちゃった。。。

サンデーサイレンスの3×3 についてみると、2016年の札幌2歳ステークス(G3)を勝ったトラスト(牡、父スクリーンヒーロー)や2017年のシンザン記念(G3)を勝ったキョウヘイ(牡、父リーチザクラウン)などを早い例として、近年ではこの濃いクロスを持つ重賞優勝馬がボツボツ出始めている。

サンデーの3×3はスクリーンヒーロー産駒に多く、先にトラストをはじめボルドグフーシュ(牡)、ウインシャーロット(メス)などで一定の成功を収めてはいる。

最近では、以下の活躍馬が目につく。

・ラヴェル(メス、父キタサンブラック、アルテミスステークス(G3))

・ショウナンナデシコ(メス、父オルフェーヴル、かしわ記念(G1)

・アスクワイルドモア(牡、父キズナ、京都新聞杯(G2)

・ナムラリコリス(メス、父ジョーカプチーノ、函館2歳ステークス(G3))

3×3がまったくダメというわけではないが、ただでさえ体質が弱いフィエールマンである。その仔が濃い血でさらに悪い病気や体質が一気に表面化するというリスクは少なくない。

でも、やっぱりサンデーサイレンスの魅力は抗えない。

こうした体質面で問題がなければ、 「アッラサルーテの22(牡)」 は重賞優勝級の活躍をする可能性だってある。

サンデーの3×3は、諸刃の剣ということになる。

吉と出るか凶と出るかは、それこそ丁半博打だ。

ただ、勝負に勝つ確率は 丁半博打 と違って限りなく低い。

今回「【フィエールマン産駒/サンデー’23募集①】実験的な募集馬たち」はここまで。

次回【「フィエールマン産駒/サンデー’23募集②】適性はステイヤー疑惑」を書きます。

【攻略法】ブリックスアンドモルタル産駒|【1口馬主講座】トンボのめがね (note.com)

https://note.com/soumanosuikoden/n/n6d70fac97395

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