本日、中央線の武蔵境駅で人身事故に遭遇しました。
新宿駅から河口湖行きの通勤快速に午後の7時30分過ぎに乗り、武蔵境駅を過ぎたあたりで、私が乗った電車が急停車。
危険を知らせるサイレンが車内に響き渡る。
これはたまにあること。
「安全確認をしますので急停車する」っていうことは、首都圏で電車に乗っていると、ひと月に1回ぐらいはある。
ところが、今回は違った。
「本電車が人身事故になりました」という車掌の車内アナウンス。
―おい―
って内心、思ったけど、意外と車内の乗客の反応は冷静。
「すいません、しばらく停車します」って再度のアナウンス。
私が乗っている車両は最後尾なんだけど、電車の外でランタンの明かりがチラチラ揺れている。
駅員が線路で何かやっている。
「生きてますか~~?」
って声。
応答はなし。
―ってことは‥‥‥やはり―
「だいじょうぶですか?」
駅員の大声が車外に響く。
外は暗くて見えない。
駅員が持つ、懐中電灯の灯りだけがチラチラしている。
スゲエ、臨場感がある。
私は文庫本読んでだ手を止めて、電車の外の動きに集中した。
繰り返すが、車内の乗客は冷静で、苛立ったり、声を荒立てらりする人は皆無で、みな静かに手元のスマホをスクロールさせている。
私だけが不謹慎だけど、好奇心のかたまりになって、電車の外に聞き耳を立てている。
私の関心はただ1点。
―生きているのか、死んでいるのか、どっちなのさ―
「ただいまから負傷者を救出します」
っておきまりのアナウンスが。
―もし、肉片になっていたら、負傷者も何もあったもんじゃないのに―
再び、心の中で不謹慎な声が。
そうこうするうちに、救急車のサイレンが聞こえてきた。
「ただいま救急隊が到着しました」という車内放送。
でも、事故から10分以上かかっている。
案外、救急車が来るのって遅いんだな。
やがて、駅員の声で
「W(苗字)」と名前を繰り返す声が。
たぶん、飛び込んだ人は意識があって、自分の名前を駅員に伝えたんだろう。
―よかった。これからが大変だろうけど、もうこんなバカな真似をするんじゃないぞ―
って心の中で声をかけた。
電車の運転席の窓が割れたという。
電車の車両に轢かれずに、線路の外に跳ね飛ばされたから、命を取り留めたのかもしれない。
結局、運転再開まで電車の中で1時間半立ちっぱなし。
でも、(おそらく)命が助かったので、嫌な気持ちはあまりしなかった。
なんか、リアルで緊迫感のあるドラマを見させられたって感じ。
人生で初めての経験でした。
コロナのせいかどうかわからないけど、最近、電車の人身事故が多い。
生きていさえすれば、なんかいいことあるはずさ。
楽天的な自分はいつもそう思うんだけれど、愛馬(ドナウデルタ)は重賞勝てないし、1口馬主では、なかなか、いいことに出会わない。
どんなに辛くても自殺なんかするんじゃないぞ。
大変な人は世の中にたくさんいるだろうけれど、その人には、こんな言葉をかけてみたくなる。