(1)はじめに
社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしている。
前々回はダイナカールの4×4のクロスを持つアイムユアーズの2019の魅力を力説した。
前回は私が個人的に注目する血統として、ヌレイエフのクロスを持つ馬のリストを作成して、ヌレイエフの血がいかに日本の競馬に合うかの根拠を書いてみた。
今日はクレアドールの 2019を取り上げる。
(2)クレアドールの 2019の血統評価
母のクレアドールは父はハーツクライでサンデーサラブレッドクラブから2012年に1口60万円で募集され、現役時代には2勝を挙げた。
●クレアドールの 2019の5代血統表
クレアドールの 2019の父リオンディーズはキングマンボ系で、キングマンボの母父がヌレイエフ(Nureyev)にあたる。
母系を見ると、母のクレアドールの母父がヌレイエフで、5×3(15.63%)のクロスが成立している。
このクレアドールの母ホワットケイティーディド(1989年生まれ)の娘はG1スプリンターズステークスを優勝したスリープレスナイト (牝馬、2004年生まれ、父クロフネ) で、本馬(クレアドールの 2019)のおばにあたる。
スリープレスナイトのあの素晴らしいスピード性能は母父のヌレイエフに由来するものだということがハッキリとわかる。
日本産のサラブレッドクラブで欧米の名種牡馬のクロスを持つ馬はたくさんいる。
目立つのがノーザンダンサーのクロスとミスタープロスペクターのクロスを持つ馬たちだ。
ミスプロのクロスは素軽いスピードを特徴とし、ノーザンダンサーのクロスはタフネスさと勝負強さという漠然としたイメージがあるが、この2頭のクロスを持つ馬はあまりにも多いため、際立った特徴を指摘しずらい。
これに対して、母系にヌレイエフの血を色濃く持つ馬(スリープレスナイト)やクロスを持つ馬は(アーモンドアイ、ミッキーロケット)などが中距離~クラシックディスタンスに良績を持つが、グッド・パフォーマンスの陰に確かなスピードの裏付けがある。
ここには、はっきりとヌレイエフの血の息吹を感じとることができる。
このキングマンボ系のクレアドールの 2019には、同じ系統でヌレイエフのクロスを持つトゥザグローリーやメールドグラース、リオンリオンなどのイメージを持つのだが、いかがだろうか。
(3)まとめ
クレアドールの 2019の父リオンディーズは新種牡馬で、同期のキタサンブラック産駒やドレフォン産駒に比べると、人気はさほど沸騰するとは考えられない。
1口価格もそれほど高くはならないだろう。
スリープレスナイトを出した母系にはしっかりとした、ヌレイエフの血の裏付けがある。
穴候補としてこの馬をご一考されてはいかがだろうか。
【クレアドールの 2019】2020年募集馬注目クロス①サンデー編<第4回>終わり
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