(1)ツアーに行かない理由
会員歴が今年(2020年)で15年目になりますが、私は今まで一度もツアーに参加したことがありません。
理由は仕事の都合がつかないことと、金銭面の問題があります。
社台・サンデーの会員はお金持ちばかりで、ツアー代ぐらい出せないわけないだろう。
そういぶかる方もおられるかと思いますが、私は長く非正規雇用で生計を立てている、貧乏会員です。
だったら、無理して背伸びすることなく、身の丈にあった小口でいいんじゃないか。
そう言われてしまえば、それまでですが。
(2)ツアーに行くメリット
ツアーに行っていいことはたくさんあるだろうとは思います。
旧知の1口会員仲間との再会や、新しく同じ趣味の友人、知人ができることもあるでしょう。
馬と触れ合い、北海道の食と自然に接してリフレッシュできる。
そして、何よりクラブ馬の情報がもらえる。
生身のサラブレッドから得られる情報は、カタログ写真や血統表を見るだけでは得られないものがあります。
紙や電子媒体はしょせん、ヴァーチャルな情報で、直接馬と向き合うリアルな体験から得られる情報に勝るものはない。
当たり馬を引くには、ツアーに絶対行かなきゃ駄目だ。
どれも正論だと思います。
競馬でもパドックや返し馬から得られる情報が馬券作戦に役立たないわけがありません。
それでも、私はツアーに行かない派です。
時間やお金があっても、たぶん行かないでしょう。
(3)人間が行う情報分析で必要なこと
ツアーの価値を否定して、かたくなに拒否しているわけではありません。気が向けば、今後何回か行くかもしれません。
でも、今の私にはツアーに行かなくても十分だ。
そう思っています。
なぜか。
これが今日書く主な話題です。
今回のテーマは情報分析。
1口馬主の選馬も情報分析の実践例の1つと考えていいかと思います。
情報について、自分にはいくつかの考え方(セオリー)があります。
今日は、一番目のセオリーだけ書きます。
①人間の頭が処理する情報は多ければ多いほど良いというわけではない。
AIはビッグデータを解析する上で、いまや欠かせない技術になっています。AIを用いた競争に勝つためには、いかに多くの良質な情報を入手することができるかがカギとなると言われています。
AIは人間の知能の働きを模倣したものと言われていますが、人間の頭脳はAIとは違う。
選択肢が多くなればなるほど、人間は選べなくなる。このことは心理学者の間では定説になっています。
情報や選択肢はむやみに増やすのではなく、あえてオミットして、いくつかの情報に絞ることが必要になってきます。
(4)ツアーに行くデメリット
ツアーでは、クラブスタッフや、牧場関係者、あるいは馬主や会員仲間、吉田照也、克己の御大などから多くの情報が得られるでしょう。
その中には当然、ノイズも多く含まれている。
これをうまくカットして、質の良い情報だけを選別することが求められる。
これが難しい。
吉田照也、克己の両氏が言うのだから、と権威を妄信したり、いつも懇意にしている仲の良いクラブスタッフが自分だけに教えてくれている情報だから、これはマル秘マル得情報に違いないと自分だけを特別に考えたり、とどうしても強いバイアスをかけて見てしまうのではないでしょうか。
もし自分がツアーに参加したら、どうなるか。
馬がたくさんいる。決められた短時間で見なければならない。これだけで混乱すると思います。
だから、大半の方は自分があらかじめ心に決めた馬だけをチョイスして、見る時間にメリハリをつけて見学されていることかと思います。
でも、馬も生き物。その日の体調や気分によってたまたま出来が良く見えたり、そうでなかったりするものです。
特に毛づやの良し悪しが現れるのは馬の体調による影響が大きい。すぐにレースをするのならともかく、1年以上先に競走馬としてデビューする前の若駒のその日の毛づやの良しあしはその後のパフォーマンスに影響するわけがない。
それでも私たちはふだんのパドックでの馬見の先入観から、毛づやを重視しがちです。
特に葦毛は難しい。
後に皐月賞を勝ったキャプテントゥーレはツアーで毛づやを見て、敬遠した会員も多かったと聞きます。
もっとも、この馬の毛づやの悪さはカタログ写真でも同様ですが。
話を戻すと、ツアーに行くと、より多くの雑多な情報に接することになります。
それが、かえって馬選びを迷わせ、場合によってはミスリードさせる要因ともなります。
ツアーに行かないことで、余計な情報を遮断してオミットできる。
このような考え方もあるのです。
(5)ツアーに行かずに当たり馬を選ぶ方法を模索する
まとめます。
馬選びの情報をカタログ写真や動画、血統表、測尺の3種類に絞る。ツアーで得られる情報は玉石混交でノイズが多く、かえって馬選びでミスチョイスするもととなる。
もっとも、会員さんの中には、実馬の馬体や歩様を自分の目で見たものだけを信じて出資して、高い回収率を誇っている達人もおられるかと思います。
そういう方には本当に頭が下がります。
しかし、私は牧場や厩舎で馬を育成、調教した経験もなければ、競馬場に行ってパドックや返し馬から馬券を買う現地派ではありません。
それでもカタログ写真や動画、血統表や測尺という限られたデータから当たり馬を選ぶ方法にこだわりたいと思います。
大切なことなので、もう一度書きます。
情報は多いにこしたことはない。しかし、多すぎる情報は人間の頭を混乱させる。
(6)私の1口馬主出資成績
偉そうにここまで書いてきて、そういうお前はカタログのヴァーチャルだけでどんだけ当たり馬を引けているんだよ。
そういう反論が必ず来るかと思います。
私の出資成績の詳細は後日、NOTEのほうにUPする予定ですが、以下に表にまとめました。
重賞勝ち馬はフェデラリストとジェンティルドンナの2頭。2歳馬のヴァシリエフスキーを含めると、これまでの出資馬の合計は30頭になります。
クラブは、社台、サンデー、G1、東京、グリーンの各クラブです。
30頭出資して重賞馬2頭が多いのか、少ないのかわかりません。
上の表で重賞出走率、重賞勝利馬率、クラシック出走率、1走当たり獲得賞金が高いのは、ジェンティルドンナが押し上げています。
ジェンテイルは運で取れたと思っています。
ですから、これらの項目を除外して、重要なのは、2勝馬率、3勝馬率、4勝馬率、5勝馬率の各項目だと考えます。
これらの数値がいずれも平均よりも上回っているのは、自分なりに少しはがんばってきたかなと思います。
ツアーに行かなくても、競馬関係者でなくても、いうならば自分のような素人でも、データ分析だけで一応、人並みかそれ以上の成果を上げることができるのです。
これからの目標は重賞勝ち馬を増やすことと、できるだけ未出走、未勝利、1勝クラス馬を減らして、上記の数値の向上を図ることになります。
今年6月からまた募集が始まります。
カタログ写真や動画、血統表、測尺だけから、どれだけ良馬をチョイスできるか。
少ない情報から最大限の成果を引き出す(無謀な?)挑戦に今年も試みるつもりです。
今年からNOTEに自分の考えをまとめていこうと考えています。
https://note.com/soumanosuikoden
5月にクラブから募集馬のリストが配られてきます。
近年はシルクやキャロットに押されて、社台、サンデーに差配される当たり馬はめっきり少なくなってきていることを実感します。
こんなときこそ、腕の見せどころです。
それでは、みなさん、相馬の道の精進をますます重ねていく所存でおりますので、今後ともよろしくお願いします。
※この記事は、ツアーに行かれる方を非難したり、否定する意図を持つものではまったくありません。
ぶっちゃけると、ツアーで実馬を見る方法はまともで正当だと思います。
だって、セレクトセールがヴァーチャルだけで開催されることはあり得ないですから(もっとも馬代がぜんぜん違いますが)。
相馬の方法は人それぞれで、今日は、私なりの流儀とこだわりを書いたまでです。
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