(1)2020ジャニュアリー・ホーシズ・オブ・オール・エイジズ・セールで社台が購入
社台ファームがアメリカで行われた『2020ジャニュアリー・ホーシズ・オブ・オール・エイジズ・セール』でモーフォルツァMo Forza (牡4)の母インフレームド(牝10)を、525000ドル(約5771万円)で落札したというニュースが飛び込んできた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-00000017-kiba-horse
モーフォルツァはハリウッドダービー(芝1800m)を優勝しているG1馬。
インフレームドの父はUnusual Heat(父Nureyev)、母Little Hottie(父Afternoon Deelites)という血統。
現在はTapiture(その父Tapit)の子どもを受胎している状態で日本に持ち込まれる。
このようなケースでは、インフレームドのお腹の中の子どもは、来年、1口馬主クラブで募集される公算が大きい。
(2)インフレームドを購入した狙い
日本でインフレームドに種牡馬を掛け合わせると、母父はUnusual Heatということになる。
そこで、ブルードメアサイアーがUnusual Heatの馬を調べてみた。
獲得賞金ランキング1位、2位はあの兄弟だ。
・アルバートドック(牡馬、2012年生まれ、父ディープインパクト、母ゴールデンドックエー)G3小倉大章典、G3七夕賞優勝。G1レーシングで募集。
・リライアブルエース(牡馬、2013年生まれ、父ディープインパクト、母ゴールデンドックエー)福島テレビオープン優勝。サンデーサラブレッドクラブで募集。
私見では、アルバートドックは追分リリーバレーでの育成で、G3が2勝止まりだった。
ノーザンファームの育成であれば、もっと上を狙えたはずだ。
ということで、全弟のリライアブルエースはノーザンファーム育成でサンデーサラブレッドクラブの募集となったが、途中でとん挫してデビューが遅れたこともあり、現在はオープンクラスであるものの重賞は頭打ちという状態に甘んじている。
条件がそろえば、母ゴールデンドックエーはもっと活躍する子どもを送り出すことができるはずだ。
こういった血統の潜在的な力は母父はUnusual Heatに由来するもので、今回社台ファームがインフレームド(父Unusual Heat)を購入したのも、こうした見立てがあってからこそだ。
(3)ヌレイエフのクロスが持つ爆発力
社台の狙いはそればかりではない。
インフレームドの祖父は ヌレイエフ(Nureyev)だ。
むしろ、こちらのほうに大きな比重が置かれる。
このブログで以前、ヌレイエフのクロスを持つ馬の活躍が目立つという記事を書いた。
アーモンドアイは[ヌレイエフ(Nureyev)の5 ×3(15.63%)]を筆頭に、活躍馬を以下に挙げると、優秀な馬たちの名前が並ぶ。
●トゥザグローリー(2007年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2京都記念ほか)
Nureyevの4 ×3(18.75%)
●トゥザワールド(2011年生まれ、牡馬、父キングカメハメハ、牡馬、G2弥生賞)Nureyevの4 ×3(18.75%)
●トーセンビクトリー(2012年生まれ、牝馬、G3中山牝馬S)Nureyevの4 ×3(18.75%)
●ミッキーロケット(2013年生まれ、牡馬、G1宝塚記念)Nureyevの4×4(12.50%)
●メールドグラース(2015年生まれ、父ルーラーシップ、牡馬、G3新潟大賞典)Nureyevの5 ×3(15.63%)
●リオンリオン(2016年生まれ、牡馬、父ルーラーシップ、G2青葉賞)Nureyevの5 ×4(9.3%)
社台の狙いはアーモンドアイの活躍に味をしめて、ヌレイエフのクロスを持つ馬を生産しようと目論んでいインフレームドが今年、Tapitureとの仔を産んだあと、ロードカナロアかルーラーシップをつけてくると見て間違いない。
ヌレイエフのクロスを持つ子どもたちは、芝のレースにおける類まれなスピード値とこれに裏付けされた爆発力を持つ。
今度とも、社台グループはヌレイエフ系の繁殖牝馬を海外で買ってくるものと予測する。
去年はディープインパクトとキングカメハメハの2頭を亡くした喪失感でいっぱいであった。
だが、これに屈することなく、種牡馬ブリックスアンドモルタルを購入し、さらに繁殖牝馬の層も厚くしようと虎視眈々だ。
2020年の社台グループの動きには今後とも目が離せない。
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