第7位
藤田菜七子騎手、女性として初めてJRAの重賞競走を勝利。
2019年12月17日に発表された世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)によ って今年のジェンダー・ギャップ指数が発表された。日本は前年の110位からさらに順位を下げて153カ国中121位という結果で、先進国でもかなり低い順位にあたる。
ジェンダー・ギャップ指数とは、政治、経済、教育、健康の4つの観点から得点化したものだが、日本では政治、経済で女性の進出が遅れていることが原因となっている。
日本のプロスポーツ界でも女性の進出は遅れている。
プロ化しても、男女別々に競技を行うレースが大半だ。
本来男性と女性とでは体格や体のつくりが異なるのでやむを得ないとしても、女子スポーツは男性のそれに比べて軽く見られていることも気にかかる。
そんな中、男女混合で争うのは競馬と競艇ぐらいだ。
競艇ではすでに引退したけれど横西奏恵(よこにしかなえ)という偉大な女子レーサーが現れ、男子選手をまくりざしを豪快に決めて勝つと、男性の私でも快感を覚える。
競馬界でも横西奏恵になれる可能性を秘めた騎手が誕生した。
藤田菜七子騎手は43勝。
リーディング26位で2019年を終えた。
12月8日、カペラステークス(G3)をコパノキッキングで勝ち、中央重賞初勝利を挙げた。女性として初めてJRAの重賞競走優勝という快挙である。
これにはJRAの後押しもあった。
今年3月から女性騎手はマイナス2キロのセックスアローワンスを与えるという制度改革が為された。
このような措置を逆差別と考える方もおられるかもしれないので、一言書き添えておく。
スポーツに限らず、女性などのマイノリティーが社会に進出し、男女平等を実現するまでの一定期間、あえてマイノリティーを積極的に優遇する制度が存在する。
アファーマティブアクションと呼ばれる措置だが、これは選挙や就職、就学に際して世界で一般的になっている。
こんな潮流に逆行して、医学部受験で女子受験生の得点を不正に操作して女子の合格率を抑えるのが日本なのだ。
競馬界では、ジェンダーフリーを意識した制度改革が早速始まったことを評価したい。
理想を書くなら、藤田菜七子騎手の活躍に影響されて、今後、女性騎手が増え、男性にひけをとらない活躍をする時代が到来してほしいものだ。
そのときにはマイナス2キロのセックスアローワンスも無くなっている。
そんな光景を私が生きている間に目撃することができるだろうか。
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