「したらば掲示板」の旧1口馬主掲示板で、かつて私は社台・サンデーの会員とこんなやりとりをした。
あれは2013年の募集時期だから、6月のことだったと思う。
某名無しさんの、こんな書き込みがあった。
マンティスハントの2012(父ダイワメジャー)という1口80万円の馬をほしいという。
ところが、自宅が落雷にあって、パソコンなど電気機器がすべて壊れて、買い替えの費用がかさんで、希望する馬を買うことができないという。
落雷によるこのようなケースの場合には火災保険が適用される。
私はこのような情報をすぐに書き込んだ。
先方は感謝のレスを書いてくれた。
実績しだいだけれど、これでこの人は欲しかった馬に出資できる。
自分は「いいこと」をした。そう思った。
この一件があって、この馬、マンティスハントの2012が気になって、ずっと競走成績を追いかけた。
マンティスハントの2012はインターセプターと名付けられて、調教を積んだが
なかな仕上がらず、デビューは3歳の5月になってからだった。
新潟の未勝利戦(芝2000m)を荻野琢真騎手でデビューをして、15頭中13着。
次走は6月の阪神未勝利戦(ダート1800m)は出走取り消しで、8月の小倉競馬場の未勝利戦(芝2000m)で14着に敗れて、中央抹消。
その後はオークションにかけられて地方馬主へ転売された。
この馬は1口80万円だけれども維持費を含めれば100万円以上の赤字を計上したことになる。
私が親切のつもりで火災保険の情報を提供して、かえって余計な出費を先方にもたらすことになり、仇(あだ)になった。
「下手な親切大きなお世話」の典型だ。
もし、あの書き込みをされた方が、いま、この文章を読まれているのなら、謝りたい。
余計なことをして、本当に、すいませんでした。
ギャンブルは自己責任と言うけれど、同じギャンブル仲間に対する接し方は、いつも悩む。
以前、パチンコにはまっていたときに、隣に座っていたおばさんが、いくら台に突っ込んでも大当たりが出ないということがあった。
それで愚痴をこぼしているときに、「もう少しがんばれば、そのうちきっと当たりがきますよ」と慰めた。
おばさんは、「優しいねェ」と返してくれたが、結局その台は当たりが来なかった。
このときも、安易に励ましたことで相手の損失を広げる結果となった。
本当に相手のことを考えるなら、「そんなに熱くならないほうがいいですよ」とでも言ったほうがよかったのかもしれない。
パチンコと社台・サンデーの1口馬主とでは、扱う金額が1ケタ、2ケタ違うからいっしょくたにすることはできないけれど。
いつもこのブログでは、読者のみなさんに「いつかは当たり馬がひけますように」などと書いているけれど、そんな社交辞令がいいことなのか。
自分自身について言えば、「毒を食らわば皿まで」という気持ちでこの趣味をやっている。
行く先が地獄でも、それを見てみようと思う。
そんなに必死になって力をこめなくても。この趣味はお金に余裕がある人がやるものですよ。
そう言って諭されることは重々承知しているのだけれど。
いま、ギャンブルのただ中にある。そう思ってこの空気を吸うと、大損しても妙に落ち着く。
自分は、まともな生き方をすることは、もうできない。
つくづくそう思う。
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