セレクトセール2018の1日目、1歳馬のセールが終わった。
1億円以上で競り落とされた1歳馬を去年(2017年)と比較してみる。
2018年:1億円越え22頭
販売者別でみると
ノーザンファーム(ノーザンレーシングも含む)15頭
社台ファーム6頭
追分ファーム1頭
種牡馬別でみると
ディープインパクト産駒11頭(牡馬10頭、牝馬1頭)
ハーツクライ産駒4頭(牡馬4頭)
キングカメハメハ産駒1頭(牡馬1頭)
American Pharoah産駒1頭(牡馬1頭)
ブラックタイド産駒1頭(牡馬1頭)
ジャスタウェイ産駒1頭(牡馬1頭)
スクリーンヒーロー産駒1頭(牡馬1頭)
2017年:1億円越え15頭
販売者別でみると
ノーザンファーム(ノーザンレーシングも含む)12頭
社台ファーム2頭
その他1頭
種牡馬別でみると
ディープインパクト産駒8頭(牡馬6頭、牝馬2頭)
ハーツクライ産駒2頭(牡馬2頭)
キングカメハメハ産駒2頭(牡馬2頭)
ロードカナロア産駒1頭(牡馬1頭)
購買価格1億円越えの馬が2017年(15頭)→2018年(22頭)と7頭も増えた。
販売者で見ると、ノーザンファームが2017年(12頭)→2018年(15頭)と3頭増加し、競走馬市場もノーザンファーム一人勝ちの感が強まった。
ただし、社台ファームも2017年(2頭)→2018年(6頭)と3倍増し、検討している。理由はあとで触れる。
種牡馬別で見ると、ディープインパクト産駒がやはり王道を行っている。
2017年(8頭)→2018年(11頭)と3頭増加。
ほかに2017年と傾向が異なるのは、非ディープ産駒が、2017年では御三家のキングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒以外ではロードカナロア産駒だけであったのが、2018年にはAmerican Pharoah産駒、ブラックタイド産駒、ジャスタウェイ産駒、スクリーンヒーロー産駒1頭と幅広い種牡馬の産駒が選ばれている。
さて、ここからが考察だ。
ディープインパクト産駒のEIが2016年の2.80から2017年2.02、2018年2.08と急落しており、明らかに産駒の競走成績が低下している。
このため、セレクトセールではディープ離れが始まるとも予想されたが、それは杞憂であった。
理由としては以下の3点が考えられる。
①ダービー馬にディープ産駒ワグネリアンの誕生。
⓶欧州でのディープ産駒の活躍。サクソンウォリアーが英国の2000ギニーを制覇し、ディープインパクト産駒がヨーロッパのクラシックでも通用するものとして注目を集めた。
③ディープインパクトの種牡馬供用の年齢的限界。
以上の理由の中でも、今年ディープインパクト産駒の高額馬が急増した背景には、③の要因が大きいと考える。
ディープインパクトは今年で16歳。
種牡馬生活も長くてあと数年だろう。
いまが買い納めのときだ。
ディープインパクトの強力な後継種牡馬が存在しない現在、その候補を買えるチャンスも年々限られてくる。
ディープインパクト産駒の活躍馬をつかむことができれば、⓶の事情もあいまって、種牡馬としての需要は海外にまで及ぶ。
だから、有力な購買者はディープ産駒めがけて殺到した。
ノーザンファーム生産馬に手が届かなければ、社台ファーム生産馬でも欲しい。
こうした意識も手伝って、今回のディープインパクト産駒の競り上がりと社台ファーム生産馬の躍進があった。
このように考えたが如何に?