(1)君子蘭特別に出走のピュアカラーの血統
サンデーサラブレッドクラブのホームページで3月28日出走予定馬にリストを見ていたら、阪神9レース君子蘭特別出走予定馬にピュアカラー(牝馬、2017年生まれ、父ワールドエース)の名前を見つけた。
血統を調べてみると、すごいことに。
サンデーサイレンスの3×3とある。
狂気の馬と呼ばれたサンデーサイレンスの血を25%も持つ。
だいじょうぶなんだろうか?
そこで、ほかにもサンデーサイレンスの3×3の血を持つ馬がいないか調べてみた。
(2)サンデーサイレンスの3×3の活躍馬
血が濃すぎると、体質が弱かったり、サンデーサイレンスの気性難をもろに受け継いだりで、あまりよい結果を生まないのではないだろうか。
事前にそんな予想を立てて、調べてみたが、意外と活躍馬の名前をちらほら見つけることができた。
①キョウヘイ(牡馬、2014年生まれ、父リーチザクラウン) 3勝、G3日刊スポシンザン記念優勝)
この馬がサンデーサイレンスの3×3のクロスを持つことは、けっこう知られている。
サンデーの強いクロスを持つ重賞勝ち馬がついに登場した、と慨嘆の念を込めて当時は競馬ファンの間で感想が聞かれたものだ。
②トラスト(牡馬、2014年生まれ、父スクリーンヒーロー) 5勝、G3札幌2歳ステークス優勝
サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬でJRAの重賞を勝ったのはキョウヘイよりもこの馬が先。
トラストは障害入りして4勝を挙げている。障害オープンの牛若丸ジャンプステークスを勝ったのは立派。
激しい気性を持つあのサンデーサイレンスの血を濃く受け継いでいるのに、落ち着いてハードルの飛越をこなすことができるのは不思議。
③ノットフォーマル (牝 2012 黒鹿毛 ヴァーミリアン) G3フェアリーステークス優勝、3勝
サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬の重賞初勝利はこの馬。
この配合は牝馬でもだいじょうぶなんですね。
ほかに地方では、2016年の東京ダービー競走を勝ったバルダッサーレ(牡馬、2013年生まれ、父アンライバルド) 2勝やノブタイザン (牡馬、2013年生まれ、父ディープスカイ) などの名前を見つけることができる。
(3)サンデーサイレンスの3×3の失敗例
サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ重賞勝ち馬がいる一方で、この配合がうまく実を結ばなかった馬たちもいる。
①アペラシオン (牝馬、2009年生まれ、父アドマイヤムーン)
この馬はサンデーサラブレッドクラブから2010年に1口55万円で募集された。
アンブロワーズの09と書いたほうが通りがいいだろう。
この馬は残念なことに1歳6月時に骨折により引退した。
② ダルド (セン馬、2010年生まれ、父アドマイヤムーン)
この馬は中央未勝利で、地方の金沢や笠松に行っても勝てず、佐賀でなんとか初勝利を挙げた。
気性の問題でやはりセン馬。
アドマイヤムーン産駒はサンデー系の強い癇性がよい方向に出ると、ハクサンムーンのような強い快速馬を産み、これが不発だとセン馬でも走らないということなんでしょうか。
失敗例は上記の2頭を挙げましたが、探せばまだまだたくさん出てきます。
きりがないのでこの2頭でやめておきます。
(4)サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬の展望
サンデーサイレンスの3×3の成功例と失敗例を見てきましたが、この強いクロスがタブーというわけでは必ずしもないことが確認できました。
去年、エピファネイアの初年度産駒がデビューを迎え、何頭も勝ち上がっています。
そして今年はモーリス産駒が2歳馬デビューを迎えようとしています。
これらの馬たちにもサンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬がいます。
サンプル数が増えて、その効果が検証されるでしょう。
競走馬の生産もギャンブル。
このようなインブリードのリスクを積極的にとることができるブリーダーが時代をけん引します。
今後ともサンデーサイレンスの3×3の配合には特別の視線を向けたいと思います。
特にモーリス産駒でこの特徴を持つ馬については、今後ともこのブログやNOTEの『1口馬主講座』で取り上げてみるつもりです。
その前に、今日の君子蘭特別でピュアカラーに結果を出してもらいたい。
応援しています。
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