競馬で無冠の帝王と言えば?シリーズ第1回

将棋界で無冠の帝王と言えば、森下卓九段。

野球では清原和博。

サッカーでは川崎フロンターレ。

それでは、競馬ではどの馬?

こう聞かれて、皆さんは2、3頭、候補の馬の名前が思い浮かぶかと思います。

皆さんの脳裏に浮かんだ馬の裏をかいて、今回はボールドノースマンを取り上げたいと思います。

ボールドノースマンって何だ?

そんな馬知らねえ、という若い競馬ファンが多いかと思います。

この馬の名前を知っているのは、オールドファンと言っていい。

1984年生まれのこの馬の同期には、メリーナイス、サクラスターオー、スーパーファントム、マティリアル、ホクトヘリオスなどがいる。

ボールドノースマンの父はノーアテンション。

産駒に、菊花賞と天皇賞春・秋連覇したスーパークリークを筆頭に、ミスターアダムス、クラシックブリッジなどがいる良血だ。

母がヒダクロス。母父がファバージ。

ファバージと言えば、この馬を母父とする馬にオサイチジョージやシャダイカグラなど1億円以上稼いだ馬が27頭もいる、名ブルードメアサイアーだ。

だから、ノーアテンション×ファバージという血統は良血中の良血として期待されていた。

美浦は稗田研二厩舎から1986年11月2日に東京競馬場で芝1800mの新馬戦にデビューした同馬は柴田政人騎手を鞍上に勝利を収めたが、脚部不安があって、クラシックには間に合わなかった。8カ月以上の休養後の初戦で勝利を飾ると、デビュー以来負けなしの4連勝を記録してあれよあれよという間にオープンに上がった。

1988年5月の府中での2戦は、これまでの勢いが嘘のように、3着(メイステークス)、4着(エプソムカップ)と精彩を欠いたが、8月7日の青函トンネル開通記念のオープンでは、函館競馬場の芝1800mを1:46,0のレコードタイムで優勝した。このときボールドノースマンが負かした馬は、ダービー馬のシリウスシンボリ、G3函館記念など重賞3勝のウインドストース、G2NHK杯優勝のトウショウサミットなどの面々。

これは近いうちに重賞、いやG1を獲れるぞ、と誰もが思った。


ところが、秋の府中に帰ってのG2毎日王冠ではオグリキャップの3着、G1天皇賞ではタマモクロスの6着と大きく期待を裏切る形で、故障を発生してそのまま引退した。

私はこの馬のファンだっただけに、激しく不完全燃焼を感じたことを覚えている。

なぜ、このボールドノースマンが私にとっての無冠の帝王か、というと、デビュー戦から引退レースとなった天皇賞まで、一貫して柴田政人騎手が手綱を取ったこと。柴田騎手のさわやかなイメージがそのままボールドノースマンにダブルイメージとして焼き付いている。

さらに、北海道は函館競馬場でのレコード決着。

まさに、ノースマン、北の男にふさわしい肩書だった。

メリーナイスを初めとする同期は、この前後の生まれ年の馬に比べて弱く、層が薄い印象を持った。だから、ボールドノースマンの足もとが丈夫であればクラシックの1つは獲ったことだろう。

それが脚部不安の不運に見舞われた。

復活後に連勝するも、オープンにはオグリキャップにタマモクロスという2頭の葦毛の怪物がいて、この両雄にすっかりお株を奪われて、古馬G1戦線では、脇役に甘んじてしまった。

なんだか、挫折人生の自分を見ているようで、感情移入する馬なんだ。

こんな理由で、私は函館競馬が始まると、無冠の帝王ボールドノースマンを思い出す。

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