競輪を知らない人のために最初に解説しておくと。
競輪は通常、9車立てでレースを行なう。
車番の色も1番の白から8番の桃色までは競馬の枠と同じ。
競輪の9番車は紫帽。
そして、競輪は地域や県が同じ選手が1のグループ(ラインと呼ぶ)をつくって車列を連ねて、協力しながらレースを進める。
当然、仲間が多いラインが有利となる。
また、先頭を行く選手の力がライン全体を押し上げる推進力となり、強い逃げ選手、強いまくり選手がいるラインが優勢にレースを運ぶ。
今日(2月11日)の京都記念はサンデーサラブレッドクラブからは4頭(1番ハートレー、7番パフォーマプロミス、8番ダンビュライト、11番タイムフライヤー)が出走し、強力なラインを構成した。
レースはまさに競輪のように展開した。
サンデーサラブレッドクラブのラインの11番タイムフライヤーが逃げ、2番手に8番ダンビュライト、3番手に7番パフォーマプロミスと続いた。
競輪の場合、逃げ選手の2番手を大名マークといいもっとも有利な位置として重宝がられる。
というのは、先頭を行く選手は風圧をまともに受けて余力を奪われ、たいていゴール前に失速する。逃げ選手の後ろが風の抵抗を避けるエアポケットとなって、直線うまく脱け出せると先頭でゴールに入る場合が多い。
今回の京都記念はまさに大名マークのダンビュライトに展開が味方した。
この馬の勝利はもちろん馬自身の力や騎手のレース運びに負うところが大きいが、逃げてうまく先行有利のペース配分をつくった11番タイムフライヤーの功績も大きい。
もうひとつ、競輪だな、と思った展開は、5番のブラックバゴがレース途中から2番手に上昇する動きを見せた。
競輪ではこの戦法を早まくりという。
後ろにグループ(ライン)の選手を大勢引きつれて上昇すれば、後ろから行く選手にとって脅威となる。
今回ブラックバゴは単騎だったので、この戦法は不発に終わった。
社台グループが強いのは、当然、馬自体の能力に加えて、育成、調教すべてにおいて、他の生産者に勝るからだが、もうひとつ忘れてはならないのは、同一レースで複数の同一クラブ馬が出走することも大きな要因にある。
これは「同一馬主で協力しあう」と書くと、八百長の誤解を招くからやめておく。
むしろ「同じクラブ馬の邪魔をしない」という暗黙のルールがあると言ったほうがわかりやすい。
今回の京都記念で特にこれを強く感じた。
そんなこと言ったって、ジャパンカップでのブエナビスタとローズキングダムとの争いはどうなんだ、オルフェーヴルとジェンティルドンナのバトルもあるぞ。
これは同じサンデーサラブレッドクラブのクラブ馬同士の邪魔し合いではないか、
そう反論するむきもあるにちがいない。
でも、ジャパンカップはGⅠ競走の中でも日本競馬の最高額の賞金を賭けてのものであるし、同じクラブ馬と言っても、騎手同士の維持とプライドというものもある。
GⅡの京都記念とは同列には語れない。
最後になりましたが、ダンビュライトの出資者のみなさん、おめでとうございます!
馬券をゲットした方、この馬のファンの方々、おめでとうございます!
長く活躍できる、馬主孝行の馬ですね。
これからの活躍も期待します。
今度はGⅠで口取りを!
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