【カレンリスベットの2019】2020年募集馬注目クロス③社台編<第4回>

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(1)はじめに

社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしている。

前回は社台サラブレッドクラブ募集馬でサンデーサイレンスの3×3のクロスを持つファンタジックアイの2019について書いた。

(1)はじめに 社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしている。 ...

今回も同じ社台サラブレッドクラブ募集馬でサンデーサイレンスの3×3のクロスのインブリードを持つ牝馬の【カレンリスベットの2019】について書いてみたい。

(2)カレンリスベットの2019の血統評価

まず初めにカレンリスベットの2019の5代血統表を掲げる。

父のロゴタイプの母父がサンデーサイレンス。一方、母のカレンリスベット祖父がサンデーサイレンスということで、サンデーサイレンスの3×3という強いインブリードが形成されている。

本馬の母カレンリスベットは28戦4勝 [4-3-4-17]。

旧1600万下の準オープンにまで出世した。

本馬は初仔。

祖母のシルヴァーカップは勝ち鞍は、イタリアのG2レジーナエレナ賞(イタリア1000ギニー)、アンリカのG2サンゴルゴニオハンデ、G2ブエナヴィスタハンデ、G2サンタアナハンデなどG2を計4勝しているG2コレクターだ。

シルヴァーカップが優勝したレジーナエレナ賞すなわちイタリア1000ギニーの勝ち馬を社台グループが狙い撃ちでして日本に連れてきている。

特に1999年の勝ち馬 シェンク産駒からマルカシェンクが出た。

そんななか2005年の勝ち馬のシルヴァーカップを社台が購入したことを知って、シルヴァーカップ産駒には毎年注目していた。

先日(2020年4月18日)未勝利を勝ち上がった社台サラブレッドクラブのラルナブリラーレ(牝馬、2017年生まれ、父ハーツクライ)もこのシルヴァーカップ産駒。

本馬(カレンリスベットの2019)からすると、おばにあたる。

9/22(日) 【社台】 <牝馬> ラルナブリラーレ、父ハーツクライ、栗東・石坂正厩舎 阪神5レース(芝20...

いまのところ、シルヴァーカップ産駒で一番勝ち星を多く挙げたのはドラゴンカップ (牡馬、2013年生まれ、父ステイゴールド)の 4勝にとどまる。

この一族からはいつか重賞クラスの馬が出るのではないかと思っている。

新馬勝ち時のドラゴンカップ

(3)サンデーサイレンス系の衰退

この馬の取捨はやはりサンデーサイレンスの3×3という強いインブリードをどう考えるか、に尽きる。

これまでこのシリーズでさんざんこの問題を論じてきた。

実際、この課題に対してシビアに直面しているのは、生産者のほうだろう。

実はここに面白いデータがある。

この種牡馬の種付け頭数ランキングを見ると、生産者のさまざまな意図が見えてくる。

おおまかな傾向としてわかるのは、サンデーサイレンス系の衰退とMr.Prospector系(というかMr.Prospector系は広すぎるので、もはやキングカメハメハ系と言っていい)の台頭と総括してもいい。

サンデーサイレンス系の衰退の理由は、第一に国内でサンデーサイレンス系の種牡馬をつけまくって「血のジレンマ」(吉沢譲治)に突き当たってしまった。

つまり、国内の繁殖牝馬や種牡馬はサンデーサイレンス系ばかりになって、交配先を見つけるのに困難な状況に陥った。

癇性(かんしょう)がともすると気性難になりやすいサンデーサイレンスのクロスを生産者は避ける傾向になった。

その結果が、上の表にみられるようにサンデーサイレンス系種牡馬の種付け数の著しい減少となって現われた、というわけだ。

もちろんその背景には、ディープインパクトの衰えを背景に持続可能性をはかって種付け数を抑えたこと。

またこの事象と関連するが、ディープインパクトの種付け価格の高騰化、ポストディープインパクトの種牡馬の空位など、さまざまな事情がサンデーサイレンス系衰退の背景に絡み合っている。

以上を大胆にまとめると、生産者はサンデーサイレンスのクロスをなるべく避けている、ということになる。

(4)サンデーサイレンスの3×3のまとめ

以上、これまでのシリーズで見てきたように、サンデーサイレンスの3×3でまれに成功する事例(ノットフォーマル、トラスト)はあるが、この近親交配は危険な賭けといっていい。

もちろん、ハイリスクハイリターンは馬券だけでなく、サラブレッドの生産そのものに起因する。

ノーザンテーストはLady Angela37.50%3 × 2という強いクロスを持ち、吉田照也が購入してきたとき、父の吉田善哉は反対した(ノーザンテーストの名義は吉田善哉)。

(吉田善哉が反対した主な理由は、ノーザンテーストの馬体や容姿にあったといわれる)

しかし、このインブリードがダイナガリバー、アンバーシャダイ、ダイナアクトレス、ダイナカールなどの名馬、名繁殖牝馬を産み、この血の流れがやがてオルフェーヴルという大河に合流して社台グループの根幹を支えることになる。

オルフェーヴルはノーザンテーストの4 × 3(18.75%)、いわゆる「奇跡の血量」を持つ

私は3×3や3×2などの濃いクロスは繁殖牝馬、牡馬の血統背景として評価すべきだという持論を持っている。

競走馬の血統表でこうしたクロスを目にしたら、期待よりも警戒を前面に出して、出資は慎重にすべきだと考える。

この血統がまったく走らない、というわけではない。

出資はあくまでも自己責任でお願いします。

【カレンリスベットの2019】2020年募集馬注目クロス③社台編<第4回>終わり

(1)はじめに 社台・サンデーサラブレッドクラブ2020年募集馬リストのなかで、注目クロスを持つ馬を取り上げて解説をしている。 ...

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