(1)セレクトセール2017の高額馬は走るのか?
「セレクトセール2017の高額馬は走るのか?」というテーマで、前回は1歳馬セッションについて検討した。
高額馬(購買額が1億円以上の馬)の中からDMMドリームの牝馬ラブズオンリーミーがオークスを優勝したのは知られているが、その他の1億円を超える購買額で取引された馬たちについて、調べてみたところ、以下の結果が得られた。
(2)やはりディープインパクト産駒の勝ち上がり率は優秀
牝馬はラブズオンリーミーを出したから大成功と言っていいけれど、牡馬はG1優勝(ダノンチェイサー)が1頭。G1勝ちの馬が出現えず、正直、微妙という感想を持った。
気を取り直して、それではセレクトセール2017の当歳馬セッションはどうだろうと思って、調べてみた。
当歳馬セッションで購買額が1億円オーバーの馬は17頭(牡馬15頭、牝馬2頭)いた。
イルーシヴウェーヴの2017 (アドマイヤビルゴ)が5億8,000万円で取引されて最高額を記録した。
落札者はいうまでもなく近藤利一氏だが、ここ最近の近藤氏の馬にかける金額は破格という言葉を通り越しており、今から思えば、死期を悟られた結果の無茶ぶりだったのだろう。
種牡馬で見ると、ディープインパクト産駒が10頭、ハーツクライ産駒2頭、ロードカナロア産駒2頭、ジャスタウェイ産駒1頭、ブラックライド産駒1頭、オルフェーヴル産駒1頭という内訳だ。
高額馬のディープインパクト産駒の占有率は高い(58.8%)。上位10頭のうちの7頭がディープ産駒だ。
しかも勝ち上がり率も60%となかなかの成績を収めている。
落札額で見ると高額の上位がおおむね成績がいい。
非ディープインパクト産駒、特にジャスタウェイ産駒、ブラックライド産駒、オルフェーヴル産駒は苦戦している。
(3)セレクトセール2017(当歳馬セッション)の高額馬の現時点での成績
そして、勝ち上がり率などの成績は以下の通り。
勝ち上がり率の52.9%はやや物足りないが、この中からこれから未勝利戦で勝ち上がる馬も出てくることが予測されるので、最終的な勝ち上がり率は7割前後になるものと考えられる。
いまのところ(2020年3月1日現在)重賞勝ち馬は現れていない。
アルジャンナ(父ディープインパクト)が東京スポーツ杯2歳ステークスでコントレイルの2着に食い込んだのが特筆される。
今年の3歳牡馬はコントレイルとサリオスの2強が双璧で、この牙城を崩すのは容易なことではない。
(4)弥生賞にはサトノフラッグ、ワーケアが出走
セレクトセール2017(当歳馬セッション)で1億円以上の値を付けた高額馬の中からまだ重賞勝ち馬が現れていないと書いた。
しかし、今週、3月8日(日)の弥生賞にこのうちの2頭(サトノフラッグ、ワーケア)が出走する。
両馬とも弥生賞を勝ち負けする実力がある素質馬であることに違いない。
特に今年から弥生賞には「ディープインパクト記念」の名称が加わった。
今回のディープインパクト産駒は登録中サトノフラッグ1頭だけしかいない。
しかも鞍上は武豊。
舞台の準備は整った。
サトノフラッグが勝てばドラマは完成するが、競馬は筋書きのないドラマ。
果たして描いたシナリオ通りにいくか。
高額馬が額面通り勝てば当たり前。
ミリオンホースが安馬に簡単に負けるのも競馬だ。
サトノフラッグが勝つシーンを見たくもあり、見たくもなし。
日曜日にゲートが開くのが待ち遠しい。
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