昨日は、GⅠでもGⅡでもGⅢでもない、単なるG表記の重賞について書いた。
おさらいすると、重賞が新設されたり、オープン競走から重賞に昇格されたりしたら2年間は格付けなしの重賞競走の表記(無格付)。3年目からGⅢの格付け表記となる。
それでは、格付けされたら賞金はUPするのか。
サウジアラビアロイヤルカップで調べてみた。
2013年 いちょうステークス(オープン):1着賞金1500万円
2014年 いちょうステークス重賞(無格付)に昇格:1着賞金3200万円
2015年 サウジアラビアロイヤルカップ(無格付)に改称:1着賞金3200万円
2016年 サウジアラビアロイヤルカップGⅢ:1着賞金3300万円
オープン競走だった、いちょうステークスが重賞になっただけで、賞金は一気に2倍以上に増えた。
そして、GⅢに格付けされると、1着賞金が3300万円となり、100万円UPした。
2歳牝馬重賞のアルテミスステークスも見てみよう。
2012年 重賞アルテミスステークスを新設(新設重賞):1着賞金2800万円
2013年 重賞アルテミスステークス(無格付):1着賞金2800万円
2014年 アルテミスステークスGⅢ:1着賞金2800万円
あらま、GⅢに格付けされても、賞金は変わらない。
ということは、2016年にサウジアラビアロイヤルカップがGⅢに格付けされて1着賞金が3300万円に増えたのは、GⅢの格付けが理由ではなく、JRAの重賞賞金全体が増やされた結果だということ。
ということは、格付けはあくまでも権威付けであって、金銭的な実態の裏付けがあるわけではない。
それにしても、2年間は無格付けで、3年目からGⅢ格付けって、どうなんだろう?
たった2年で権威が付くのか?
2年間で歴史と伝統が形成された、とでもいうのか?
2年間は新米なので、ペーペーだぞ。
一人前のツラができるのは3年目からだぞ、って言われているみたいで、なんだか、農林水産省のお役人らしい発想だ。
無格付なんて、面倒くさい。
そう、もったいぶらないで、新設初年度からGⅢの格付けしちゃえばいいのに。
もし歴史と伝統が必要なら、2年と言わず、せめて10年間は無格付けにするとか。
2年間だけっていうのがなんだか中途半端なんだよなあ。
あるいは、この問題は国際格付け団体の認証や関係、JRAの国際的な位置づけとの問題が複雑にからんでいるのかもしれない。
GⅢを名乗るのは、一定期間の猶予が必要だというルール、ないしは暗黙の了解があるのかもしれない。
この問題に詳しい方、どなかたご教示くださればありがたいと思います。