前回、馬選びで生産者の意図を見抜け、という話をした。
この件について、トンボ君が何か言いたいようだ。
トンボ君:生産者はただ闇雲に種付けしていない。ダビスタじゃないんだから(笑)。理屈はわかった。でもね、いまはサンデーサイレンスが入った繁殖牝馬があふれかえっているから、サンデー系には非サンデーのキングカメハメハやロードカナロアなどのキングマンボ系やハービンジャー、ちょっと前まではシンボリクリスエスなどを順番に付けていって、結果オーライで活躍馬が出るという、案外アバウトなやり方なんじゃない。
眼鏡君:必ずしも生産者が意図した結果を伴うわけではないから、確かに試行錯誤でトライドアンドエラーで模索しながらベストマッチの種牡馬を探しているという実状があることは否定しない。しかし、繁殖牝馬の耐用期間は長くはないからね。偶然性に頼って十年内外で探すのは無理がある。ベストマッチを見つけたとたんに、高齢で繁殖牝馬を引退、ということにもなりかねない。だから、やはりブリーダーは狙って種つけしている。その狙い、意図をくみ取ることができるのは、ごく限られた一部の目利きなんだろうね。
トンボ君:でも、ディープインパクトには、海外から高値で買い付けたG1勝った牝馬を付けとけって感じで、それ以上の深い意図はあまりないように見えるなあ。
眼鏡君:それは、ベストトゥベストというやり方だね。最良の繁殖牝馬には最良の種牡馬をつけるという方法で、これもオーソドックスではあるが生産者の意図とみなしていいものだよ。
トンボ君:でもって、ランクが落ちる繁殖牝馬や高齢の母馬には、カジノドライヴやヴァーミリアン、スマートファルコンなどのダート馬やタートルボウルやディープブリランテなどの二軍をつけていくっていう、ただそれだけなんじゃないの。
眼鏡君:だから、君がやたらと押していたマンデラの17だって、母高齢だから、二軍のドリームジャー二―を付けた。牧場からはあまり期待されていないことの証拠じゃないかな。
トンボ君:またその話かよ。マンデラの17は池江厩舎預託だから、期待されてないわけない。
眼鏡君:話を戻すと、繁殖牝馬は高齢になると受胎率が落ちるからね。ディープインパクトやキングカメハメハは種付け料が高いから、受胎率を考えて若い繁殖牝馬が選ばれるということがある。この2頭だけではなく、オルフェーヴルやロードカナロアといった、売りだし中
の新種牡馬にも海外から購入した良血牝馬や若い母馬をつける傾向がある。
トンボ君:それぐらいのことは、僕にだってわかるよ。ご高説はもういいから、第二次募集で残った馬で、どの馬がいいのか。結論を先に聞かせてくれ。
眼鏡君:逆に言うと、高齢の繁殖牝馬でも売り出し中のオルフェーヴルやロードカナロアなどをつけている馬は要注意だね。
トンボ君:たとえば?
眼鏡君:社台サラブレッドクラブで言うと、14ステラマリスの17なんかが面白いんじゃないかな。何と言っても母系が素晴らしい。アエロリットやミッキーアイル、ラッキーライラックなどのG1馬の名前が綺羅星のように連なっている。ステラマリスの姉の重賞馬ダイヤモンドビコーは2012年から2014年まで3年連続でキングカメハメハの子どもを産んでいる。残念ながら、この3頭ともレースパフォーマンスはイマイチだけれど、ステラマリスが17歳のときにロードカナロアを付けたということは、この牝系とのキングマンボ系の相性を生産者はよほど重視しているという証左になる。
トンボ君:ステラマリスの17は売れていない社台の中でも、残口近しになってる。
眼鏡君:そうだね。会員もよく見ている。第二次募集では、第一次で取れなかった会員が午前中に電話をかけて、残り物を全部ゲットするから、午後には売る切れているんじゃないかな。
トンボ君:じゃあ、僕も午前中、電話かけるとするか。
眼鏡君:電話つながるかな。
トンボ君:君はいつも意地悪なんだから。
眼鏡君:はいはい。電話が繋がるように祈っているよ。こう言えばいいんだろ?
トンボ君:最初からそう言え。
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