<牡馬>グラウクス、父ヴィクトワールピサ、栗東 ・西園正都厩舎
京都4レース(ダート1800m)松若風馬騎乗
父ヴィクトワールピサの産駒は芝で活躍する馬が多く、なぜダートでデビューするのか疑問に思っていた。
調べると、兄姉たちは、いずれも地方競馬のダートで勝利をあげている。
オーバークロック (牡馬、2011年生まれ、父ゴールドアリュール) 地方13勝
オウルインザダスク (牝馬、2012年生まれ、ゴールドアリュール) 地方2勝
スアデラ (牝馬、2013年生まれ、父ゴールドアリュール) 地方6勝
ゴーフューチャー (牝馬、2014年生まれ、父マンハッタンカフェ) 地方3勝
ボーダレスガール (牝馬、2015年生まれ、父ゴールドアリュール) 地方3勝
それにしても、なぜ ゴールドアリュールばかりをつけているんだ?
この2016年生まれのグラウクスは趣向を変えてヴィクトワールピサときた。
産駒の代表が桜花賞馬ジュエラーでほかにテラノヴァやパールコードなど牝馬の活躍が目立っている。そろそろ牡馬でも有力馬を出してくるのでは、と密かに期待している。
調教だが、10月24日(水)は坂路コースで追い切り、半マイル53.3-38.8-24.8-12.6の時計をマーク。
「先週までコース追いが中心でしたので、直前は坂路での仕上げですが、ここまでしっかり動けており、初戦からどんなレースを見せてくれるのか楽しみです。」とのこと。
「ミネルヴァのフクロウは黄昏(たそがれ)に飛び立つ」という言葉がある。
これはヘーゲルの「法の哲学」の末尾にある有名な一節で、時代の過ぎ去ったあとで、その時代精神を可視化するのが哲学の使命だ、というような意味だ。
このグラウクスの馬名の由来は、母馬のマサノミネルバにちなんで名づけられ、この哲学を意味する知恵のフクロウ(ギリシャ語)のこと。
現在の私たちの時代精神がこの馬で体現される、と言ったらオーバーだろうか。
そのような精神か、走りを見てみたい。