【ドゥラメンテ】種付け頭数激減(2018年比37%)の真相(第2回)

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(1)前回までのあらすじ

上記の表のように、モーリスとドゥラメンテとの種付け頭数の過去3年間の増減に大きな違いが表れている。

特に、ドゥラメンテは種付け数が2017年の284頭から2019年の184頭へと100頭も激減している。2019年は2017年の64.7%に大幅減少。2018年の63.4%に減少している。

この激減はドゥラメンテの種付け料の上昇と関係しているという解説をした。

ここまでは、いわば経済の常識、つまりは需要と供給の関係で価格が決まるという当たり前のことを示したにすぎない。

さて、このドゥラメンテは種付け数の減少(抑制)と種付け料の高騰は、近年のセレクトセールにおけるドゥラメンテの購買価格と密接に関係するということを示唆したまでが前回の話だ。

(2)セレクトセールでドゥラメンテ産駒の購買価格が高騰

見出しにも書いたように、セレクトセールでドゥラメンテ産駒の人気が沸騰している。

セレクトセール2018の1歳馬セッションでは、
ドゥラメンテ産駒の「アイムユアーズの2018」が
ドゥラメンテ産駒の最高額の1億8000万円で落札された。
(落札者は (株)NICKS )

以下、2018年と2019年のセレクトセールのドゥラメンテ産駒の購買状況を振り返ってみたい。

ドゥラメンテ産駒の上場は初年度ということで当歳馬セッションのみの上場となった。

2012年の桜花賞桜花賞トライアルのG2フィリーズレビューに勝ち、桜花賞でも3着に健闘したアイムユアーズの仔、「アイムユアーズの2018」が ドゥラメンテ産駒の最高額の1億8000万円で (株)NICKSにより落札された。

1億円をオーバーしたミリオンホースはこの1頭だけであったが、このほか当歳馬セッションでは、シーズオールエルティッシュの2018(8,400万円)やコンヴィクションⅡの2018(8,000万円) などの8,000万円を越える高額馬が取引され、市場は活況を呈した。

翌2019年のセレクトセールでは、1歳セッションの牡馬 「ペルヴィアンリリーの2019)」が1億5,000万円の値をつけたが、牝馬の「 ラッドルチェンドの2019」 がそれよりさらに1,500万円上回る1億6,500万円をつけて落札されて、市場関係者を驚かせた。

1歳セッションからはほかには「ルモスティの2019」が1億2,000万円、当歳セッションから牡馬「ウオッチハーの2019」 が1億3,000万円、牝馬の「セレスタの2019」が1億円で取引されるなど、1億円を超えるミリオンホースが5頭登場した。

まだ産駒が走っていない種牡馬の子どもに、よくこれだけの大金をポンと出せるものだ。

「1口馬主」とついても実際は馬主ではなく、「1口小市民」と呼ぶのがふさわしい私には、ただただ雲の上の世界を羨望するだけだった。

ドゥラメンテ産駒上場が始まって2年で産駒の価格が高騰している。

その上昇率を計算して以下に図示した。

上の表は当歳馬の比較だが、1歳馬も含めた下の表を見ると、

2018年のドゥラメンテ当歳馬の平均購買価格が4,522万円だったのに対し、2019年のドゥラメンテ(当歳馬・1歳馬合計)の平均購買価格は5,356万円で、834万円も増えている。上昇率にして実に18.4%もの値上がりになる。

(3)世はまさにドゥラメンテ・バブル

同期の種牡馬デビューを果たしたモーリス産駒についても、セレクトセールでの購買価格を調べて表にしてみた。

まずは、2018年の当歳馬セッションから。

1億7,000万円で落とされた「ラスティングソングの2018」(落札者は(株)KTレーシング)だけが突出しており、7,200万円の「フリーティングスピリットの2018」、7000万円の「ツインエンジェルズの2018」が次に続くが、この3頭を除いては、ほかの馬たちは2,000~3,000万円前後の落ち着いた価格の取引きで終始した。

2019年のセレクトセールでは、モーリス産駒の価格はゆるやかに下落した。

見ての通り、1億円を超える馬は皆無。

最高購買額が「ベルワトリングの2019」の 6,000万円で、最低購買額は「ヴェネーノの2019」の800万円。

これは、社台・サンデーのオーナーズの1口価格でもつけられそうな値段だ。

2018年から2019 年にかけてのセレクトセールでのモーリス価格の変動率を計算したものが以下の表だ。

とくに下の表「セレクトセール2018当歳馬から2019(当歳馬・1歳馬合計)にかけてのモーリスの平均購買価格の変化」を見ると、2018年にはモーリス当歳馬の平均購買価格が4,184万円であったものが、2019年には2,692万円となり、1492万円も安くなっている。下落率にして実に35.7%。

この意味するところは、繁殖の質などが考えられるが、詳細は後日にまた書く機会があるかもしれない。

ここでは、モーリス産駒と比較して、いかにドゥラメンテ産駒が馬主の購買意欲をかきたてたか、という違いについて確認できればよい。

中山記念を優勝したドゥラメンテ

(4)ドゥラメンテが種付け頭数を激減させた本当の理由

いよいよまとめに入ろう。

ドゥラメンテが種付け頭数を減らした要因として、前回、いくつか書いた。

①売り出し中での新種牡馬は、初年度、2年目と種付け数をすため、その反動で3年目以降の種付け数が減少する。

②種牡馬の受胎率や生まれた産駒数。

③他の種牡馬との振り分けや競合

そして、次の要因も関係するだろう。

④ドゥラメンテはサンデーサイレンスの血が濃いので、サンデー優勢の繁殖牝馬とかけると、インブリードが多く発生してしまう。

上記の要因はそれぞれ無関係とは思えないが、最大の理由は次の通りだ。

セレクトセールでのドゥラメンテ産駒の需要が過熱し、落札額が高騰化傾向にあり、ブリーダーとしてはドゥラメンテ産駒のブランド力を維持・強化するためにあえて種付け頭数・生産頭数を抑えた。

これが真相だ。

次に考えなければならないのは、市場で評価が高まっているドゥラメンテ産駒は高額価格の通りに本当に走るのか?

1口馬主でも勝ち組になるには、ドゥラメンテ産駒に出資すればよいのか?

それとも、価格がリーズナブルなモーリス産駒の活路を求めるほうが得策なのか? という1口馬主で勝つための戦略の問題だ。

これについては、次回、YouTubeで私見を披歴させてもらいたいと考えている。

今回も長くなってすいません。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

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