(1)リナーテは獲得賞金が1億円間近
5月11日(土)のG2京王杯スプリングカップはD.レーン騎乗のタワーオブロンドンがレコードタイムで完勝した。
牝馬ながら、サンデーサラブレッドクラブのリナーテが2着に突っ込んできて大健闘した。
この馬はサトノダイヤモンドの妹。
血統的な背景もさることながら、募集時の馬体に目を引くものがあった。
サトノダイヤモンドの妹と言えば、個人的にはもう1頭忘れられない馬がいる。
MY出資馬マルケッサだ。
こちらは5戦して未勝利引退。
姉のリナーテは2019年5月11日時点で16戦5勝。獲得賞金も1億円近くになる。
どうして姉妹でこれだけ差がついてしまったのか。
募集時の馬体写真やデータから考えてみることにしたい。
(2)リナーテとマルケッサの姉妹を数値で比較する
まずは募集時の基本データから紹介する。
左から募集時名・父馬名・体高・胸囲・管囲・体重・誕生日・厩舎・1口価格
●リナーテ(数値は2015年6月時点)
マルペンサの14(ステイゴールド)153.5 174.0 20.6 436 1/31 須貝尚介 100万
●マルケッサ(数値は2016年6月8日時点)
マルペンサの15(オルフェーヴル)152.0 172.5 19.9 399 1/27 池江泰寿 150万
まずは数値でわかることは、妹のマルケッサのほうが体高・胸囲・管囲・体重のすべての面で姉のリナーテよりも小さい。
限度にもよるが、これらの数値は一般的には大きいほうがいいとされている。
体高や体重が大きく出た馬は、短い距離でのレースパフォーマンスに優位を示す。
馬体が大きいと、馬体を接しての追い比べで威圧感を増して、小さい馬に打ち勝つケースが多い。
さらには、調教でも小さい馬は場体重を考慮して軽めに仕上げることでレースに行っての成績に影を落とすことにもなる。
一方、胸囲の大きさは肺活量の大きさに比例する。大きい胸で酸素を多く取り込めれば、運動量にも有利に働く。「腹袋が大きい」はいい馬に用いられる常套句でもある。
また、管囲の小さい馬は足の脚の故障につながるリスクを負う。
このように、募集時の数値では、あらゆる点で姉のリナーテに優位がある。
(3)リナーテとマルケッサの姉妹を写真で比較する
次にこの姉妹の1歳募集時写真を比較してみよう。
●リナーテ
●マルケッサ
父がステイゴールドとオルフェーヴルという違いがあるが、募集時写真を見ると、この姉妹はよく似ている。
毛色こそ違え,首さしの角度やトモの形など随所に共通点がうかがえる。
違いを見ると、まず上のマルケッサの14(リナーテ)のほうは首が長い。競走馬は首を前後に振りながら走るので、振り子効果で首が長いほうが推進力を増す。
また体躯の長さもリナーテが上回っている(ように見える)。
両方の写真が同じ縮尺とは限らない。カタログに収めるために、縮尺を変えている可能性が大なので、長短をこの写真だけでは判断できないが。
あとは全体的な印象としては、下のマルペンサの15(マルケッサ)のほうが幼くて華奢(きゃしゃ)な感じがする。
対するマルケッサの14(リナーテ)のほうは、緊張感があって、四肢が伸びやかでスラリとしている。特に後肢の長さは特筆される。
2015年のサンデーサラブレッドクラブの募集時には、リナーテの馬体の良さは全募集馬の5指に入ったことを今でも覚えている。
(4)相馬の秘訣を見つけた
このように、兄弟姉妹で1口馬主クラブから募集されていたら、数値や写真を上の馬と比較することが重要だ。
私はマルケッサに出資したときにこれを怠ったばかりに150万円もの大金を失うこととなった。
今年の社台・サンデーの募集馬検討では、この方法を試してみたいと思う。ジャッジはこのブログに書く予定だ。
ただ、姉のリナーテの募集時は妹とは比較できない。
といえ、今から考えると、マルケッサの14(リナーテ)の募集時写真は走る馬の条件を表している。
最後にこの条件をまとめてこの稿のしめくくりとしたい。
①後肢が長い。
②首が長く、四肢が伸びやか。
③管囲は20センチ以上が理想。
④馬体重は1歳募集時点で420キロ以上が理想(あまり大きいのは問題)。
⑤個々のパーツよりも全体的な雰囲気(馬体から発散される緊張感)を重視する。