(1)はじめに
マイラーズカップはシルクホースクラブのインディチャンプは惜しくも4着に敗れた。
それでも、1000万下⇒1600万下⇒G3東京新聞杯と3連勝。しかも古馬重賞を昇級していきなり制覇した実力は伊達ではない。
前回も書いたように、これは父のステイゴールドの底力はもちろんのこと、母父のキングカメハメハによる血のアシストがあったからこそだろう。
今年の社台、サンデーは新種牡馬のドゥラメンテ産駒に注目が集まる陰で、母父がキングカメハメハ産駒を狙え、という戦略を披歴した。
今回は社台、サンデー、G1サラブレッドクラブ2019年募集予定馬で母父、つまりブルードメアがキングカメハメハに該当する馬のリストを作成した。
(2)母父がキングカメハメハ産駒のリスト
サンデーサラブレッドクラブが8頭、社台サラブレッドクラブが2頭、G1サラブレッドクラブが3頭の合計13頭だ。
この中に当たり馬がいる。当たりはどれだ。
結論を急ぐ前に、まずめぼしい馬の解説をしていこう。
(3)ウィルパワーの18 牝馬
これは先日も取り上げた。インディチャンプとアウィルアウェイの下だ。
上に2頭も活躍馬を出せば、いやでも注目は集まる。
インディチャンプはこれまで出走した9レース中6レースで最高の上がりタイムを記録している。マイラーズカップも勝ったダノンプレミアムが32.2に対し、
インディチャンプはこれを上回る32.1だった。
アウィルアウェイも5レース中3レースで最高上がりタイムをマークしている。特にデビュー戦は圧巻だった。出遅れて最後方。1200mであの出遅れは致命的だ。「終わった」と思ったのも束の間。グングン加速して先頭集団に取り付き、最後は2馬身突き放しての圧勝。
きょうだい馬たちの末脚のパワーは、キングカメハメハがダービーで見せた爆発力が遺伝しているとみていいだろう。
今度は父がダイワメジャーに変わり、ウィルパワーの18 はどんな競馬をするだろうか。ダイワメジャー産駒はやや決め手に欠くという弱点を持っていた。
少なくとも、キンカメの血がこれを補うことは請け合いだろう。
サンデーサラブレッドクラブでかつて募集した同じダイワメジャー産駒牝馬のメジャーエンブレムぐらいの活躍を期待するのは欲張りだろうか。
(4)アドマイヤセプターの18牡馬
アドマイヤセプターの18はなんと言っても血の魅力の一言。
祖母がアドマイヤグルーヴ、3代母がエアグルーヴ。ドゥラメンテはおじにあたる。
父モーリスが受け継ぐメジロ牧場の血と母系の社台ファームのダイナカールに遡る血が融合した夢の配合だ。
これは、父系、母系が逆だがオルフェーヴルを彷彿(ほうふつ)させる。
このアドマイヤセプターの18を持つだけで、ロマンがかきたてられる。この馬を持っているだけで満足。そんな血統の馬だ。
母のアドマイヤセプター自身も27戦5勝で、生涯獲得賞金1億4,595万円のミリオンホースの活躍馬だ。オープンまで出世して重賞は京阪杯2着が最高だが、1400~1800mを守備範囲とし、秀でたスピードはモーリスの快速力との相乗効果を期待できるだろう。
(5)ダイワレジェンドの18 牝馬
血の魅力とくれば、ダイワレジェンドの18 も負けていない。祖母はあのダイワスカーレット。先ごろ亡くなったウオッカとの死闘は競馬史に語り継がれる。
母のダイワレジェンドは2番仔で、22戦4勝。
ダイワスカーレットの子どもはなぜか8頭とも全部牝馬で、それでもダイワレジェンドが一番勝ち星をあげた。
初めはダイワスカーレットの子どもということで、ずいぶん期待されたが準オープン止まりで、期待がしぼんだ感があった。
でも、こういうケースでは、孫の代になって走ることがある。隔世遺伝というやつだ。
父のハービンジャーは欧州の重厚な血統で、産駒は牝馬では重いかなと敬遠していたが、ディアドラやモズカッチャンなどのG1勝ち馬が次々と現れて、私の予測は外れた。
社台ファーム生産馬ながら、この馬はやはり人気するだろう。4年間実績でサンデーサラブレッドクラブで弾かれる可能性がある人が大挙この馬に流れてくる気がする。
以上解説を書いた以外の馬からも活躍馬が出ることは当然考えられる。
クラブのカタログ写真や動画、ツアーでの実馬を見て最終的な判断を下したい。
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