つけ麺の好みは、好き嫌いが分かれると思う。
自分の評価は微妙。
確かに自家製麺のお店が増えて、麺はシコシコして小麦の風味が香ばしく
美味なんだけれど、つけダレがちょっと。。。
川越の頑者や東京つけ麺TETSU、六厘舎のような、酸味があってドロドロしているのが、どうも苦手。
どこも似たような味で閉口する。
そんな中で埼玉県白岡市の名店、「もちもちの木」のつけダレはちょっと違う。
鰹をベースとした魚介系で、さっぱり醤油味。
ゆずと三つ葉の風味が上品で、私の好みのど真ん中。
付け合わせに、チャーシューと刻みネギに加えてナムルというのも、ちょっと変わってるけど、これがまたよく合う。
以前、白岡に住んでいたときには「もちもちの木」に週一で通っていた。
今日、時間が取れたので、5年ぶりに白岡に行って、つけ麺を食した。
中を頼んで、トッピングに穂先メンマを追加した。
懐かしい味を堪能した。
食後に、お店の近くを散歩した。
白岡に住んでいたとき、もう一軒、お気に入りのお店があった。
アンソレイエ・フジモリというパン屋さん。
建物の外見は山荘風の民家で、看板も小さく、一見、何屋さんかわからない。
小窓があって、それでパン屋さんとわかる。
ここのパンはどれも安く(100台~200円台)、しかもひとつひとつ丁寧に作られているから、
どのパンも美味しい。
それに加えて、店主の女性がこれまた魅力的だ。
一見すると少女のようなピュアでうぶな外見。
声もちょっと変わった声優風で、
軽井沢にあってもおかしくないお店のデザインともあいまって、
なんだか西洋の童話に出てくるパン屋さんのような塩梅だった。
ときどき、娘さんらしい中学生と高校生がレジを手伝っている。
私は、店主の女性に密かに憧れていたけれど、とくに話をすることはなかった。
なんだか、人馴れしていない感じで、声をかけづらかったから。
それで、今日、久しぶりにアンソレイエ・フジモリを訪ねてみたら、張り紙がしてあった。
5月7日付けで、「しばらく休業します」とのこと。
休業、ということは、また復活することがあるか?
でもその期待は次の一行で打ち砕かれた。
「長い間、お世話になりました。」
なんと、閉店か?
しばらく、喪失感でその場を動けなかった。
あれだけ良心的な値段ではやっていけないだろう。
毎日パンを作る、というのは大変な重労働で、女手一つで、
朝早くから何種類ものパンを作るのは、かなり骨が折れる仕事だ。
もしかしたら、それで、体調を崩されたのかもしれない。
心配になった。
私がその街を好きになる条件はひとつだけ。
おいしいパン屋さんがあること。
この白岡もそういう意味で大好きな街だったけれど、このお店がなくなって、魅力は半減してしまった。
「もちもちの木」があることは誇りだけれど、なんだか、月日はいろいろなものを奪ってゆくのだな、と実感した。
「もちもちの木」はラーメン(中華そば)も美味しい。
新宿、川越、野田、福島、仙台にもお店があるから、近くにお立ち寄りの際には、ぜひ一度、食べてみてください。
これでもか、と高級食材で出汁を取った、凝ったラーメンに飽きた人には、お勧めです。
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